土地で生まれたもの
鍋・汁もの
220件
主なジャンル
ジャンルを分けていない料理169
件数が増えたらジャンルを分けます
- 雑煮Aichi Zoni角餅と尾張の伝統野菜、餅菜をすまし汁でいただく、非常にシンプルな正月の雑煮。日常的に豆味噌を使うからこそハレの場ではすまし汁を選ぶのではないかと推察されており、味噌を用いないのが愛知の特徴とされる。
- いものこ汁Imonoko Jiru里芋の子芋や孫芋「いものこ」を、鶏肉やきのこ、山菜とともに味噌や醤油で煮た秋の汁物。横手市山内地域特有の土壌で育つ里芋は柔らかな歯ごたえが特徴で、県北のきりたんぽ鍋と対比される郷土料理と伝わる。
- あんもち雑煮Anmochi Zoni煮干し出汁に大根と金時人参、あん入りの丸餅を煮て、最後に白味噌を溶き入れる正月の雑煮。江戸期に貴重だった砂糖を使い切る一年一度のごちそうとして始まったと伝わる。
- ひっつみHittsumiこねた小麦粉の生地を手でちぎって鶏だし醤油の汁に入れ、人参やごぼうとともに煮込む。旧南部藩領だった青森県南東部から岩手県北中部にかけて伝わり、米が不作の年の主食代わりとされた。
- くじら汁Kujira Jiru塩漬けにしたクジラの脂身を湯通しして脂を落とし、大根や人参、じゃがいもとともに大鍋で煮込む。捕鯨基地があった八戸周辺に伝わる正月料理で、日を経るごとに味がなじむとされる。
- 鮎ぞうすいAyu Zosui香ばしく素焼きにした鮎を、ほぐしながらだし汁とご飯でさっと煮た岐阜県の川魚料理。漁で傷がつき市場に出しにくくなった鮎をおいしく食べる工夫が始まりとされ、鮎料理を出す食事処で締めの一品として供されることが多いという。
- 小豆雑煮Azuki Zoni甘さを控えて煮た小豆に丸餅を入れた雑煮で、あっさりとした味わいが「ぜんざい」に近いとされる。出雲地方では元旦のすまし雑煮に続き、正月二日から食べる家庭もあるという。広域の伝承のため出雲市を代表点とした。
- 小豆雑煮Azuki Zouni小豆を煮た汁に柔らかく煮た丸餅を入れる、鳥取の正月雑煮の主流。古来より赤い小豆に邪気を払う力があるとされ、元日の朝に若水と浄めた火で煮て家族で分かち合う、祝い膳の中心料理と伝わる。
- ばっとう汁・だんご汁(すいとん)Battou Jiru季節の野菜を煮た味噌汁に、練った小麦粉を手でちぎり入れただんご汁。地域によって「はっとう汁」「だんご汁」と呼び名が変わり、米が足りない時の日常食として親しまれてきた。
- 盆汁Bon Jiruごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- ぼて茶Bote Cha煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- ブリ雑煮Buri Zoni岡山県南部で正月に食べる、出世魚ブリを具にした雑煮。ほうれん草や大根、百合根などの根菜を合わせ、縁起のよいブリで新年を祝う家庭料理として親しまれている。既存の「ブリ」は魚の食材ページで、本品は調理された正月料理のため新規作成。
- 豚骨野菜Buta Hone Yasai大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁Buta Jiru豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- かぼちゃのだんご汁Kabocha no Dango Jiru豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- チムシンジChimu Shinji豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ちょぼ汁Chobojiruとろりとしただし汁にささげ豆と里芋の茎、もち粉の団子を煮た淡路島の汁もの。甘くはないが汁粉に似た見た目で、産後の女性の体力回復や子どものお宮参りの祝いに作られてきたという。
- だご汁Dagojiru小麦粉の生地を手で延ばしちぎった団子を、里芋やごぼうなど季節の野菜と味噌や醤油で煮込んだ汁もの。「だご」は熊本弁でだんごの意味で、農作業の合間の食事として親しまれてきたという。
- だんご汁Dango-jiru小麦粉をこねて薄い帯状に伸ばした「だんご」を、根菜やしいたけと共に麦味噌仕立ての汁で煮込む大分の日常食。米づくりに適さない台地が多く粉食文化が根づいた大分ならではの一椀で、うどんより強いコシが持ち味。
- ドジョウのけんちんじるDojo Kenchin Jiru安来市に伝わる、ドジョウをごぼうや大根、しいたけと一緒にすまし汁仕立てで煮たけんちん汁。「ウナギ一匹ドジョウ一匹」と言われる養生食で、田植え後の泥落としに食べられたという。既存の「dojo」は食材ページで、本品は調理された郷土料理のため新規作成。
- どじょう汁Dojou Jiru田んぼの水口でとったどじょうを、ねぎやごぼうとともに酒と醤油の汁で煮て卵でとじる、夏の定番料理。宇都宮の一部地域では、真夏に行われる八坂神社の祭りの昼食として受け継がれている。
- 泥亀汁Dongame Jiruなすの皮に格子状の切れ目を入れてだし汁で煮て、味噌とすりごまを溶き入れた夏の汁物。近江商人の町、五個荘で生まれたとされ、汁のごまが泥、なすの甲羅模様が亀に見えることが名の由来という。
- どんがら汁Dongarajiru寒の時季にとれる寒ダラを頭から内臓まで余さず味噌仕立ての汁にする、庄内の漁師料理が起こりとされる冬の一杯。あぶらわたと呼ぶ肝のこくが決め手で、ねぎは入れず岩のりだけを添えるのが本来という。
- どんこ汁Donko Jiru石巻港や気仙沼港で水揚げされるドンコを大根や豆腐とともに味噌で仕立てた冬の汁物。口が大きく尻がすぼまる姿から金運の縁起魚とされ、えびす講に神棚へ供える風習も伝わる。
- えびみそ汁Ebi Miso Jiru殻ごとすりつぶした小エビを米のとぎ汁でのばし、白味噌と豆腐を加えて煮る汁物。三豊市豊中町の宇賀神社で約300年続くどぶろく祭りに、神事の振る舞い料理として添えられてきたという。
- お雑煮Ozoni焼いた角餅に鶏肉や小松菜などを添え、昆布とかつお節のすまし汁をかける東京の雑煮。元は味噌仕立てだったが、下総の野田や銚子で醤油づくりが盛んになった元禄期以降、濃口醤油のすまし汁に変わったと伝わる。
- 呉汁Gojiru一晩水に浸けた大豆をすり潰した「呉」を溶かし込む味噌汁で、報恩講に集まった人々にふるまう精進料理の一つと伝わる。ふわりとしたコクとたっぷりの大豆で滋養があり、冬の家庭料理として親しまれてきた。
- ふうかしFuukashiあさりを蒸し、その蒸し汁に味噌を少し溶いた汁物。冷蔵設備のない時代、輸送のためにあさりを蒸かした汁を漁師が賄いとして飲んだのが始まりと伝わる、東京湾の漁師町らしい一椀。
- がん汁Gan-jiru生きたモクズガニ(ツガニ)を殻ごとすりつぶし、こして塩や醤油で仕立てる宇佐市の汁物。加熱するとタンパク質がふわふわと固まり、高菜を入れて旨味を集める食べ方が伝わる、川の恵みを丸ごと使う一椀。
- がんちゃ汁Gancha Jiru鳥取の清流でとれるモクズガニを丸ごとすり潰してこし、なすと一緒に煮る汁物。加熱すると身がふわふわと汁に浮かび、カニのうまみを余すことなく味わえる、秋から冬にかけての一品という。
- がわGawa生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。
- げんげの味噌汁Genge no Misoshiruゼラチン質に覆われた深海魚ゲンゲを、ぶつ切りにして味噌汁にする。甘エビ漁に混じって揚がる厄介者として扱われてきたが、身の美味しさが見直され漁村の外にも広まってきたとされる。
- 呉汁Gojiru一晩水に浸した大豆をすりつぶした「呉」を、里芋や大根、油揚げの入った味噌汁に加えた汁物。大豆の栽培面積が全国2位という宮城で、体を温める冬の家庭料理として伝わる。
- ぐべ汁Gube Jiru磯や防波堤につく直径2〜3センチの笠貝「ぐべ」を出汁と具にした味噌汁。萩港から北へ約45キロの離島・見島で、漁師のみならず沿岸の農家でも古くから食されてきたと伝わる。
- 具だくさん味噌汁Gudakusan Miso Shiru大根や人参、ごぼうなど旬の根菜をたっぷり入れて煮る長野の日常の汁物。具だくさんにすることで味噌の使用量を抑えられるとされ、小麦粉の生地を落とす「すいとん」を加えて主食代わりにすることもあるという。
- 呉汁Gojiruすりつぶした大豆の「呉」を、旬の野菜と一緒に味噌汁に加えて煮込む一品。大豆の産地・群馬で新豆の採れる秋から冬にかけて作られ、体を芯から温める栄養食として親しまれてきた。
- すいとんSuiton小麦粉を水で溶いて丸めた団子を、根菜と煮干しだしで煮込んだ汁物。米が貴重だった時代の代替食で、太田市では米粉、藤岡市では「とっちゃなげ汁」と呼ぶなど、地域ごとに材料や呼び名が変わる。
- ざく煮Zakuni高崎市に伝わる、けんちん汁によく似た精進的な汁物。野菜を油で炒めず、するめでだしを取るのが特徴。少なくとも60年以上、正月や節分、えびす講、婚礼など祝い事の席で作られてきた。
- はば雑煮Haba Zoni房州でとれる「はばのり」を干して刻み、焼いた餅にかけて汁を注ぐ千葉の正月雑煮。年明けにはばのりを食べると一年中「幅を利かせられる」と縁起を担ぐ地域の言い伝えがある。
- 博多雑煮Hakata Zoni焼きアゴのだしにブリと丸餅、かつお菜などを合わせた博多の正月雑煮。出世魚のブリを添えるのは縁起かつぎとされ、来客の多い商家では具を串に刺して仕込んでおいたという。
- はっと汁Hatto Jiru水で練った小麦粉を薄く伸ばして手でちぎり、季節の野菜や鶏肉とともに出汁で煮込んだ汁物。米が不足した藩政時代の登米地方で代用食として広まり、のちに名がついたと伝わる。
- へちま汁Hechima Jiru若いへちまを麦味噌の汁で煮て、ゆでたそうめんにかけて食べる鹿児島の夏の料理。とろりとした食感と自然な甘みが麦味噌の甘さと重なり、お盆の精進料理としても欠かせない一椀である。
- へかHeka大田市に伝わる、平たい鉄鍋「へか鍋」で魚介を野菜とすき焼き風に煮る郷土料理。農具の犂の金属部分を鍋代わりにしたのが名の由来と伝わり、一日漁でとれた魚介を豪快に味わう。すき焼き風の鍋料理のため棚を homestyle から hotpot に変更した。
- ヒージャー汁Hiijaa Jiruヤギの肉や内臓を大鍋でじっくり煮こみ、香りの強いよもぎや苦菜を加えて塩味で仕上げる。独特の風味は好みが分かれるとされるが、棟上げや新築祝いなど大勢が集まる祝いの席で振る舞われてきた料理である。
- ひきとおしHikitoshi自宅で飼っていた鶏をさばいてつくる壱岐の鍋料理で、コクの強い壱州豆腐とかために茹でたそうめんを加えるのが定番という。来客をもてなす奥座敷の鍋がはじまりとされ、「引き通し」が名の由来とされる。
- 冷や汁Hiyajiruすり鉢でごまと味噌をすり、きゅうりや大葉などの夏野菜と冷水を合わせたつけ汁。うどん文化が根づく埼玉ではうどんのつけ汁として重宝され、川島町では「すったて」と呼ぶ。
- 冷やし汁みそ仕立てHiyashijiru Miso Jitateだし汁を味噌でのばし、きゅうりや青じそを刻んで加える中越地方の冷たい汁物。夏に食欲が落ちても食べやすいよう工夫された料理で、そのままでもごはんや麺にかけても食べられると伝わる。
- いちご煮Ichigoni生ウニとアワビを水かだしでさっと煮て醤油少々で整え、青じそを添えるだけの潮の香り豊かな吸い物。乳白色の汁に浮くウニが野いちごのように見えることが名の由来とされ、祝い事の椀に用いられる。
- イカスミ汁Ika Sumi Jiruアオリイカの身と墨を、脂の少ない豚肉やニガナと煮こんだ真っ黒な汁物。食べると口の中まで黒くなるが、イカ墨特有の甘みとコクに苦菜のほろ苦さが重なる「アジクーター」な味わいで、健康食としても重宝されてきた。
- いもの子汁Imo no Ko Jiru秋に旬を迎えるさといもを鶏肉や豆腐、大根、にんじんとともに醤油味で煮込む。さといも栽培に適した北上川流域の秋の味覚で、川岸に集まって鍋を囲む「芋煮会」が今も北上市二子地区で受け継がれている。
- イナムドゥチInamuduchiかつてイノシシで作った汁物が、入手しづらくなり豚肉に置き換わったことから「イノシシもどき」と呼ばれる。こんにゃくや高級な沖縄独自のかまぼこを甘めの味噌でとろりと仕立て、旧正月や卒業式などの祝いの膳を彩る。
- いりやきIriyaki地鶏または近海の魚を椿油で煮た寄せ鍋で、冠婚葬祭でもてなしのためにつくられてきたとされる。具を食べ終えたスープに、対馬特産の対州そばやそうめんを入れて食べるのが地元流という。
- 伊勢エビの味噌汁Ise Ebi no Misoshiruぶつ切りにした伊勢エビを水から煮出し、味噌を溶いて仕上げる家庭の汁物。ひげや足が取れて出荷できない「あがり」を活かした料理とされ、美波町では漁解禁の9月ごろ祭りで無料提供もされるという。
- いとこ汁Itokojiru小豆と豆腐、根菜を味噌汁仕立てでじっくり煮る。親鸞聖人の命日に営む報恩講の膳に欠かせないとされ、好物だったという小豆を食べながら恩に報いるという意味が込められているという。
- いわしのだんご汁Iwashi no Dango Jiru3枚におろしたイワシを味噌と長芋、卵と合わせてすり、大根や里芋の汁にだんごにして落とした冬の汁物。「海の米」と呼ばれるほど水揚げの多い九十九里のイワシを生かした家庭の定番料理と伝わる。
- ひっつみHittsumi小麦粉をこねて寝かせた生地を手でちぎり、鶏肉や根菜のだしで煮込む。「ひっつみ汁」とも呼ばれ、冷害で米が実りにくい北上川流域で発達した粉物文化を代表する料理として県内全域で作られる。
- けんちん汁Kenchin Jiruにんじんや大根、ごぼうと硬めの豆腐を油でそぼろ状に炒めてから醤油だしで煮込む。発祥とされる神奈川など各地に伝わるけんちん汁だが、岩手では肉を使わず豆腐をよく炒めるのが特徴で、小正月の女性への労いに大量に作られた。
- 鱈のじゃっぱ汁Tara no Jappa Jiru「じゃっぱ」は津軽の方言で本来捨てる部位を指し、タラの頭や骨、内臓を大根やねぎと煮込む。正月にタラを一尾丸ごと買う風習があった津軽で、冬の漁から戻った体を温める汁として親しまれた。
- じょじょきりJojokiri小麦粉を練って薄くのばし、細く切った麺をゆでて小豆と砂糖の汁で仕立てる。麺の形がドジョウに似ることが名の由来とされ、農作業の合間のおやつとして渥美半島の農家に伝わってきたとされる。
- かぶ雑煮Kabu Zoni丸もちとかぶ、三つ葉を具にした澄まし仕立ての雑煮。焼かずに餅を入れるため汁にとろみがつくのが特徴で、細く結んだするめを加えて香りを添える地域もあると、萩地域を中心に伝わる。
- どじょう汁Dojo Jiruごぼうや里芋、打ち込み用のうどんとともにドジョウを煮込んだ夏バテ予防の汁物。田植え後、男たちがため池でとったドジョウを、集落の寄り合いで大釜で炊いて振る舞ってきたという。
- けんちん汁Kenchin Jiruこんにゃくや根菜、豆腐をごま油で炒めてから出汁で煮込む鎌倉発祥の汁物。建長寺の精進料理が起源のひとつとされ、僧侶が落とした豆腐を拾い集めて汁に入れた逸話も残っている。
- かに巻き汁Kanimaki-jiru生きた山太郎ガニ(モクズガニ)を甲羅ごとすりつぶし、水と味噌を加えて漉した汁を弱火にかける日南市北郷町の秋の汁物。加熱するとタンパク質がおぼろ豆腐のように固まり、カニの旨味を余さず味わえる。
- 干瓢の卵とじKanpyo no Tamago Toji干瓢の生産で余った、うまく剥けなかった部分を汁物に活かした一皿。かんぴょうをだし汁で煮て、溶き卵でとじる。かんぴょう農家の日常食から生まれ、今も家庭や給食で親しまれる。
- 柏椀Kashiwa Wan鶏肉(かしわ)としいたけを別々に煮て味を含ませ、冷ました汁を椀に注ぎ入れる山口のもてなし料理。彩りよく盛り付ける見た目の美しさから、冠婚葬祭で酒の膳に添えられてきたと伝わる。
- 粕汁Kasujiru大根やニンジン、ゴボウなどを日本酒の酒粕でじっくり煮込んだ汁もの。灘の酒どころを抱える兵庫県では酒粕が身近だったとされ、正月明けの一月二十日に鮭や鰤の残り骨からだしをとって食べる風習が伝わる。
- けいらんKeiranもち米粉の生地でこしあんを包み、卵形に整えてしいたけと昆布の澄まし汁に浮かべる。形が鶏卵に似ることから名がついたと伝わり、稲刈り後の「秋仕舞い」のもてなし料理として下北地方に受け継がれている。
- けの汁Keno Jiru大根やごぼう、わらびなど根菜と山菜をさいの目に刻み、すりつぶした大豆とともに焼き干し出汁で煮込む。小正月に大鍋で仕込み、数日かけて温め直しながら食べる津軽地方の保存食である。
- 鯉こくKoikoku切り身の鯉をきくらげや豆腐、ねぎと煮込み、味噌で味を調える郡山の汁物。だしに鯉のうまみがしっかり染み込む一杯で、出産後の母乳がよく出るようにと願いを込めた栄養食として作られることが多いという。
- こんにゃくのはちはいKonnyaku no Hachihai三角に薄切りしたこんにゃくを、里芋や干ししいたけとともに出汁で煮る。名の由来は、あっさりとした味に八杯おかわりした人がいたから、出汁と醤油と酒を八杯ずつ使うからなど諸説あるという。
- こしね汁Koshine Jiru富岡市婦人会連合会が考案した、こんにゃく・しいたけ・ねぎの頭文字を取った汁物。世界遺産・富岡製糸場の街で養蚕から農業へと移った土地の恵みを一杯に詰め込んでいる。
- こづゆKozuyu貝柱のだしできくらげや里芋、わらびなど7つか9つの具を煮て、浅い会津塗の「手塩皿」に盛る会津の冠婚葬祭料理。奇数の具材が縁起が良いとされ、婚礼の宴では何杯おかわりしてもよいとされていたという。
- 鯨汁Kujira Jiru塩蔵した鯨肉を大根や豆腐、山菜と一緒に醤油味で煮込む正月料理。ニシンを岸へ追い込む縁起の良い生き物として鯨を敬ってきた道南地域で、正月三が日に食べる習いが伝わっている。
- 車麩の煮物Kurumafu no Nimono小麦グルテンを鉄棒に巻いて焼き上げる新潟の車麩を、白なすやいんげんと一緒に煮た料理。北前船で製法が伝わったとされ、精進料理や行事の煮しめに欠かせない食材として親しまれている。
- くるみ雑煮Kurumi Zoni大根や人参、焼き豆腐を醤油だしで煮た雑煮に焼き餅を入れ、汁ごと食べるほか、別皿のくるみだれにつけて味を変えて楽しむ。米が育ちにくい沿岸部で餅を大切に味わう工夫として、宮古地方の正月に受け継がれる。
- クーリジシKuuri Jishi豚の三枚肉やトウガン、ゴボウを吸い物仕立てにし、仕上げに溶き卵をそっと流し入れる。椀の中で広がる卵が雪のように見えることから「氷肉」の名がついたと伝わり、かつては卵が貴重だった時代、お盆の供え料理として作られていた。
- きゃのっこ汁Kyanokko Jiru大根や人参、さつまいも、山芋などをけんちん汁より細かく刻み、味噌仕立ての出汁で煮た小正月の行事食。別名けの汁。大鍋で作り置き、無病息災を願いながら数日かけて食べる風習と伝わる。
- 白味噌の雑煮Kyoto Shiromiso Zoni丸餅と頭芋、大根を、平安京発祥ともいわれる白味噌でのばした汁で仕立てる正月の雑煮。丸餅は円満、頭芋は立身出世、大根は円満長寿を願う具材とされ、金時人参を添える家庭もあるという。
- きゅうりの冷や汁Kyuri no Hiyajiruすりごまと味噌をすり合わせ、輪切りのきゅうりを加えて冷たいだし汁でのばした夏の汁物。盆地特有の蒸し暑さで食欲が落ちる伊賀地域で、夏バテを乗り切る知恵として食べられてきたと伝わる。
- まめぶ汁Mamebu Jiru煮干しと昆布のだしに、根菜や焼き豆腐、くるみを包んだ小麦粉団子「まめぶ」を入れて醤油味で煮込む。凶作が続いた久慈市山形町で麺の代用として生まれたと伝わり、冠婚葬祭の行事食となっている。
- メギスのだんご汁Megisu no Dangojiru骨を抜いてすり身にしたメギスに味噌や卵、ねぎを混ぜてだんごにし、出汁で煮る。漁獲量全国トップとされる石川で、大漁に獲れるメギスを使い切る知恵として根づいたと伝わる。
- めった汁Mettajiruさつまいもや大根、人参など根菜をたっぷり入れた豚汁で、じゃがいもではなくさつまいもを使うのが特徴とされる。「やたらめったら具を入れる」が名の由来ともいわれ、家庭ごとに味が違う。
- 雑煮Zoni正月に食べる餅入りの汁物で、三重は東西文化の境目にあたることから角餅と丸餅、すまし汁と味噌汁が地域ごとに入り混じって伝わる。県立博物館の調査では県内で9つの分布ブロックに分かれるとされる。
- 三日の団子汁Mikka no Dangojiru上新粉の団子とずいきを入れた味噌汁で、出産三日目の母親に食べさせる習わしとされる。母乳の出をよくし回復を助けるとされるずいきが使われ、団子汁自体は普段の家庭料理としても作られる。
- 味噌汁(麦味噌)Mugi Miso Shiruはだか麦を多く使い麹歩合を高めた愛媛の麦味噌でつくる味噌汁。米を年貢に納め麦を味噌に加工した名残とされ、田舎味噌とも呼ばれる。煮返さず食べる直前に溶くのが風味を保つ勘所という。
- 冷や汁Miyazaki Hiyajiru焼いた魚と味噌をすり鉢でまぜ合わせ、香ばしく炙ってから出汁でのばして冷やす宮崎の即席汁。夏の農作業の合間に手早く栄養を摂る知恵として広まったとされ、麦飯にかけてきゅうりを添えていただく。
- ミズイカのマダ汁Mizuika no Mada Jiruアオリイカ(ミズイカ)の身と墨袋(マダ)を味噌汁に溶き入れる奄美地域の汁物。イカ墨のまろやかな甘みとコクが持ち味で、マダはのぼせや血圧を下げる薬としても買い求められてきたという。
- 茂倉瓜の冷や汁Mogura Uri no Hiyajiru130年前から自家採種で受け継がれてきた茂倉瓜を千切りにし、冷たい煮干しだしに味噌とみょうがを合わせてごはんにかける早川町茂倉地域の夏の汁。きゅうりより青くささが少なく、しゃきしゃきした食感と伝わる。
- 孟宗汁Mosojiruその日の朝に掘りたての孟宗竹のたけのこを厚揚げやしいたけと一緒に煮て、酒粕と味噌で仕立てる鶴岡の初夏の汁。鶴岡市湯田川温泉周辺は粘土質の赤土が良質な孟宗を育てるとされ、産地として知られている。
- 鯉こくKoikoku筒切りにした鯉を味噌でじっくり煮込んだ佐久地域の正月料理。千曲川の冷たい流水で育つ「佐久鯉」は臭みが少なく、脂の乗った身から良い出汁が出るとされ、好みで粉山椒をかけて食べるという。
- たけのこ汁Takenoko Jiru初夏のわずかな時期にしか採れない根曲がり竹と、サバの水煮缶を合わせた北信地域の味噌汁。海のない信州ではサバ缶が重宝され、あっさりとした竹の子に油とコクを加える食べ方として定着したという。
- 中身汁Nakami Jiru豚の大腸・小腸・胃を、おからや小麦粉でもみ洗いし、ゆでこぼしを重ねて脂と臭みを丁寧に取り除いてから、かつおと豚のだしですまし汁に仕立てる。祝いや法事の膳としても親しまれ、内臓料理とは思えない澄んだ味わいが持ち味とされる。
- なまぐさ汁Namagusa Jiru串に刺して丸ごと焼いたサバをほぐし、麩や豆腐、きのこと一緒に澄まし仕立てで煮こむ小浜市新保区の一椀。名前に反して生臭さはなく、精進明けや祝いの席の汁として伝わる。
- 納豆汁Natto Jiruすり潰した納豆を溶き入れた味噌汁に、里芋やきのこ、山菜を加えた県南地域の郷土料理。納豆発祥の地の一つとされる横手市に伝わり、正月三が日に温め直して食べる習わしがあるという。
- 納豆汁Nattojiruすり鉢で粒が見えなくなるまで潰した納豆でとろみをつけ、いもがらや山菜、豆腐と一緒に味噌仕立てで煮る冬の汁。とろみのぶん冷めにくく、雪深い山形で無病息災を願う七草の頃に食べられてきたという。
- にぐいNigui里芋やれんこんなど奇数の具材を細かく切り、だし汁たっぷりで煮る豊前地域の料理。汁物として一度、汁気が減った後に煮物としてもう一度食べることから「二度食う」が名の由来と伝わる。
- くじら汁Kujira Jiru塩漬けの鯨の脂身を、丸なすやゆうがおなどの夏野菜と一緒に味噌で煮る新潟の郷土料理。北前船で運ばれた塩鯨を使う知恵から生まれ、暑い盛りのスタミナ食として食べられてきたと伝わる。
- 鶏汁Niwatori-jiru鶏がらでとった出汁に、鶏肉やごぼう、しいたけ、長ねぎを加えて仕立てる豊後大野地方の汁物。「鶏めし」をつくる際に余った身や内臓を使うことも多く、鶏めしと対でつくられてきた鶏肉消費量日本有数の大分らしい一椀。
- のっぺNoppe里芋を主役に、ホタテやサケ、こんにゃくなどを薄味でとろりと煮た新潟の家庭料理で、汁というより煮物に近い。雪深い土地で振る舞い料理として重宝され、冷やしても食べられると伝わる。
- のっぺ汁Noppe Jiruサトイモやごぼうなどの根菜を、片栗粉でとろみをつけた醤油や塩の汁で煮る。冬に体を温める日常の一杯だが、祝いには鶏肉、法事には肉を抜いて花麩を入れるなど行事で具が変わるという。
- のっぺいNoppei里芋を必ず具に使い、人参や大根、こんにゃくなど根菜を油で炒めずに煮込む冬の料理。海に面さない伊賀地域では魚料理に恵まれなかったため、竹輪やかまぼこなど加工品も貴重なごちそうだったと伝わる。
- ぬっぺい汁Nuppei Jiru豆腐と干ししいたけ、ねぎを醤油味の汁で煮て、すりおろした長芋でとろみをつける。片栗粉でとろみをつける同系の「八杯汁」もあり、県全域で冠婚葬祭や法事の精進料理として作られてきた。
- おくずかけOkuzukake里芋やごぼうなど数種の野菜、豆腐、白石温麺をしいたけの戻し汁で煮て、くず粉でとろみをつけた精進料理。県南地域で春秋の彼岸やお盆に、法事に集まった人をもてなす一椀として食べられてきたと伝わる。
- 白味噌雑煮Osaka Shiromiso Zoni丸餅と輪切りの大根・人参、里芋を白味噌汁で仕立てる正月の雑煮。丸い具材には円満の願いが込められ、元日は白味噌、二日目は醤油仕立てに変える家庭も多く、「飽きない」大阪らしい風習と語られる。
- 親ガニのみそ汁Oyagani no Miso Shiruズワイガニのメス「親ガニ」と大根だけでつくる、鳥取の冬の定番みそ汁。オスの松葉ガニより手頃な価格で11月から12月の短い漁期にしか味わえず、うまみを生かすため具は少なめにするという。
- お嫁さん団子汁Oyomesan Dangojiru小麦粉の団子をあらかじめ茹でておき、根菜と白味噌の汁に合わせる田布施町の料理。出産をした「おごうさん(お嫁さん)」の母乳の出をよくする願いを込め、子の性別で団子の形を変える風習も伝わる。
- おざくOzaku里芋や大根、にんじんなどをだし汁と醤油、砂糖でざくざくと切って煮る汁物。結婚式や葬式など人が集まるとき、近所がそれぞれの畑の野菜を持ち寄ってつくった料理と伝わる。
- れんこんのすり流し汁Renkon Surinagashi-jiru水沼神社の池でとれる糸引きれんこんをすりおろし、油揚げと共に出汁と味噌でのばす新富町の汁物。江戸期に高鍋藩主が大和かられんこんを取り寄せたのが始まりと伝わり、真冬に泥田で掘り出す重労働の恵み。
- さばのじゃうSaba no Jauサバを三枚におろし、頭と骨でとっただしに身と白菜、春菊、焼き豆腐を入れてすき焼き風に煮る但馬地域の漁師めし。豊岡市竹野などサバの水揚げが多い港町で食べられてきたとされ、漁から戻った朝に食べることもあった。
- だぶDabu煮くずれしにくい具材を水多めで「ざぶざぶ」に仕立てることが名の由来とされる、冠婚葬祭のもてなし汁。福岡県にもまたがって伝わり、慶事と弔事で具材の切り方や味付けを変えるという。
- 呉汁Gojiru田んぼのあぜで育てた「たのくろ豆」をすりつぶし、里芋や大根と一緒に味噌汁で煮込んだ埼玉の日常食。秋の収穫期に作られ、冬に不足しがちなタンパク源として重宝された。
- 魚のじふSakana no Jifuサンマやサバなど背の青い旬の魚と季節の野菜、豆腐、糸こんにゃくを醤油だれで煮る東紀州の鍋料理。「魚のすき焼き」とも呼ばれ、大勢が集まっても分かち合える漁師町の定番として親しまれてきたという。
- 鮭の粕煮Sake no Kasuni塩鮭を酒粕でとろりと煮込む東信・上伊那地域の年取り料理。長野県では東側でサケ、西側でブリを歳取り魚とする地域差があり、大晦日に大鍋でつくって正月三が日食べ継ぐという。
- 三平汁Sampei Jiru塩漬けにしたサケやタラ、ニシンを大根やじゃがいもと一緒に煮て、魚の塩分だけで味を調える汁物。松前藩の藩主が漁師の家で食べた汁を気に入ったのが名の由来との言い伝えもある。
- さんまのすり身汁Sanma no Surimi Jiruおろしたさんまをすり鉢でよくすって味噌や卵で味付けし、団子にして大根やねぎ、豆腐と煮込む。本州一のさんま水揚げを誇る岩手の三陸沿岸で、漁獲が増えた約60年前から定番の家庭料理となった。
- サンマのすり身汁Sanma Surimijiru秋に水揚げされるサンマをたたいてすり身にし、団子状にして大根などの野菜と煮た汁物。石巻地域では松葉に見立てた大根の千切りを加え「松葉汁」とも呼ばれ、家庭や飲食店で日常的に食べられてきたと伝わる。
- さつまえび雑煮Satsuma Ebi Zoni椀からはみ出すほど大きな焼きエビをのせた正月の雑煮。出水沖で伝統漁法によって獲られたエビを炭火で焼き、島津家に献上していた名残と伝わり、薩摩地域では冬の風物詩として軒先に焼きエビが吊るされる。
- さつま汁Satsuma Jiru鶏肉やごぼう、里芋を煮こんだ具だくさんの味噌汁。薩摩武士が士風高揚のためおこなった闘鶏で、負けた鶏をその場でしめて野菜と煮たのが始まりと伝わり、鶏をよく食べる鹿児島の食文化を今に伝える。
- 石花汁Sekka Jiru米のとぎ汁や出汁に野菜や貝、油揚げなどを煮込み、熱く焼いた石を入れて保温する。今治市大島の石切り場で働く職人の賄いが始まりとされ、湯気が立つ様が花のように見えることが名の由来という。
- 船場汁Semba Jiru塩鯖のあらと大根を昆布出汁で煮て塩で味をととのえる潮汁。「船場煮」とも呼ばれ、奉公人を多く抱えた問屋街・船場の質素な商家料理として、魚の身をとった後のあらまで無駄なく使ったと伝わる。
- せんべい汁Senbei Jiru南部せんべいを鶏だし醤油の鍋に割り入れ、ごぼうや凍み豆腐と煮込む。冷害で米が実りにくかった八戸で保存食のせんべいを鍋に使ったのが始まりとされ、汁を吸ってもちもちした食感が特徴。
- 仙台雑煮Sendai Zoni焼いて干したハゼでとった出汁に、はらこ(いくら)や仙台せり、大根とごぼうの「おひきな」を加えた正月の雑煮。江戸時代末期から仙台の正月三が日に食べられてきたと伝わる。
- しじみ汁Shijimi Jiru琵琶湖の固有種セタシジミを昆布だしと合わせた味噌汁。他のシジミより殻が大きく身にコクがあるとされ、産卵前の春が特に美味とされる。近年は漁獲量の減少で貴重になってきているという。
- 具雑煮/島原具雑煮Guzoni丸餅に鶏肉や白菜、根菜、高野豆腐などを土鍋でだしとともに炊き、そのまま食べる具だくさんの雑煮。島原の乱で籠城した天草四郎の一党が兵糧と山海の幸を煮て食したのが始まりと伝わるという。
- しじみ汁Shijimi Jiru宍道湖でとれる大粒のヤマトシジミを、冬は味噌仕立て、夏はすまし仕立てで汁にする日常の一杯。「煮すぎるな」という出雲の言い伝えが残るほど手早く仕上げるのが良いとされる。滋賀県の「しじみ汁」(shijimi-jiru)と読みが同じため県名を冠したスラッグにした。
- 塩くじら汁Shio Kujira Jiru皮付きの鯨の脂身を塩漬けにした塩くじらと新じゃがいも、夏野菜を一緒に煮る内陸の暑気払い料理。動物性たんぱく源が乏しかった山間部で夏を乗り切るために生まれたとされ、村山地域では「いるか汁」とも呼ぶという。
- しょっから汁Shokkara Jiruムロアジをミンチにして塩で1か月ほど発酵させた「しょっから」に、アシタバやサトイモなど島の野菜を加えて煮る汁物。御蔵島を中心に伊豆諸島に伝わり、伊豆大島では「えんばい汁」と呼ばれるという。
- そば米雑炊Sobagome Zosuiそばの実を塩ゆでして殻をむき乾燥させた「そば米」を、鶏肉やこんにゃく、野菜のだしで煮込む雑炊。米が育ちにくい祖谷地方に逃れた平家の落人が、そばを栽培したことから生まれたと伝わる。
- どんこ汁Donko Jiru北海道から福島県浜通りの沿岸にすむ「どんこ」(正式名エゾイソアイナメ)を大根や白菜、人参と煮て味噌で仕立てる相馬の汁物。鮮度が落ちやすく刺身は現地でしか食べられないが、肝の入る秋冬が旬とされる。
- ソーキ汁Sooki Jiru骨から肉がほろりと外れるまでじっくり煮た豚のあばら肉を、すまし仕立てのお汁でシンプルに味わう。麺にのせた「ソーキそば」は県外でも人気だが、県内ではむしろこのソーキ汁のほうが日常の味として親しまれている。
- 酢のしゅいSu no Shuiおろした大根とイワシを酢と醤油で煮る宮崎県西地方の温かい汁物。「しゅい」は方言で汁のことを指し、体を温める冬の料理として餅つきの際にも食べられてきた、都城の在来大根を活かす一品。
- すまし雑煮Sumashi Zoni醤油仕立てのすまし汁に丸餅を入れた島根全域の雑煮。東部は岩のりとカツオ節、西部は干しアユ出汁と、出汁や具は地域によって異なるという。県内全域の伝承のため県庁所在地を代表点とした。
- すったて汁Suttate Jiru茹でた大豆をすり鉢でつぶし、醤油や味噌でのばして仕上げる白川村の汁物。豆腐づくりの過程から生まれたとされ、報恩講など人が集まる仏事のもてなしに供されてきたという。近年は飛騨牛を加えた鍋にも展開している。
- たちの味噌汁Tachi no Miso Shiruマダラやスケソウダラの白子を丸ごと昆布だしに入れ、味噌を溶いただけのシンプルな汁物。北海道では白子を「たち」と呼び、真鱈のものは「真だち」と区別して珍重されると伝わる、冬の家庭料理。
- たかきび団子汁Takakibi Dango Jiru中国大陸由来の雑穀たかきびを粉にして団子にし、ごぼうや大根、しいたけと一緒に醤油だしで煮た汁。手間のかかるあく抜きを経てつくられ、豊作と無病息災を願って食べるという。総社市・井原市・高梁市・新見市にまたがる広域のため総社市を代表点とした。
- 竹の子汁Takenoko Jiru初夏だけとれる姫たけのことサバ缶を具にした上越地方の味噌汁。旬が短く貴重な山菜を贅沢に使った一杯とされ、地域によっては身欠きニシンを入れる家庭もあったと伝わる。
- たまごふわふわTamago Fuwafuwa卵とだし汁だけでつくる、ふわりと泡立てた食感のすまし汁。江戸時代の紀行文「仙台下向日記」に、袋井宿の本陣で宿泊客の朝食に出されたという記述が残ると伝わり、観光協会が再現・復活させたとされる。
- 鱈汁Tara Jiru真鱈を身からあら、肝、白子まで丸ごと使い、ねぎと味噌で仕立てた冬の汁物。にかほ市金浦山神社の鱈祭り「掛魚祭り」で振る舞われる、300年以上続く行事とともに伝わる秋田の冬の定番料理。
- たら汁Tarajiruスケソウダラを頭や肝、白子ごとぶつ切りにして味噌で煮込む。漁に出た男たちを迎えようと漁師の女房たちが浜で大鍋を沸かしたのが始まりとされ、国道沿いは「たら汁街道」とも呼ばれる。
- てっぽう汁Teppo Jiruカニを昆布だしでじっくり煮て味噌で仕立て、豆腐と長ねぎを加える汁物。箸でカニの脚をつついて身を出す仕草が、鉄砲に弾を込める動きに似ることが名の由来と伝わる、根室地方の漁師料理。
- とうがん汁Togan Jiru皮をむいたとうがんを、とり肉や干ししいたけとともに出汁で煮て、片栗粉でとろみをつける。全国有数のとうがん出荷量を誇る愛知県で、水分が多く淡白な味わいが夏の食欲減退期に重宝されてきたとされる。
- 白味噌雑煮Shiromiso Zoni煮干しと昆布のだしで大根や里芋を煮て、餅やかまぼこ、青菜を加え、白味噌を溶き入れる正月の雑煮。祖谷の「うちがえ雑煮」など徳島には個性豊かな雑煮が並ぶ中、広く食べられている型だという。
- 鶏雑炊Toridose鶏肉とささがきごぼうをだしで煮て、味噌で味を付けたところに炊いたご飯を加えて仕上げる雑炊。正月や冠婚葬祭など人が集まるハレの日に食べられ、たたいた鶏の骨を団子に混ぜ込んで無駄なく使う工夫も伝わる。
- とろろ汁Tororo Jiruすりおろした自然薯をだし汁と味噌でのばし、麦飯にかけて食べる。東海道の宿場町だった丸子(現・静岡市駿河区)の名物で、十返舎一九や松尾芭蕉の作にも登場するほど古くから旅人に親しまれてきたとされる。
- 遠山かぶの粕汁Toyama Kabu no Kasujiru煮崩れしにくい米沢の伝統野菜「遠山かぶ」と、大豆を木づちで打って平たくした「打ち豆」を味噌汁仕立てにし、仕上げに酒粕を加えてまろやかにする冬の汁。上杉鷹山の産業振興策で栽培が広まったと伝わる。
- 雑煮Zoni県東部では出世魚フクラギなど魚介と野菜を具だくさんに、西部の砺波地方では根つきの白ネギと昆布巻きかまぼこだけとシンプルに仕立てるなど、正月の雑煮も地域で大きく違うとされる。
- つぼ汁Tsubojiruもめん豆腐やごぼう、干ししいたけ、こんにゃくを細かく切り、醤油や塩、砂糖でシンプルに味付けした精進汁。西海市雪浦地区に伝わり、法事の席で出されてきたとされる。盛る椀を坪に見立てて名がついたという。
- つぼん汁Tsubonjiru鶏肉やかまぼこ、里芋やごぼうなど根菜を小さく刻み、いりこ出汁と醤油で仕立てた汁もの。人吉球磨地域の秋祭りの会席膳が起源とされ、具材は7種や9種など奇数で揃えるならわしがあるという。
- つぼ煮Tsuboni干して保存した山菜くごみを戻し、にんじんや里芋、油揚げとともに醤油だしで煮る。立山信仰の宿坊で振る舞われた精進料理が発祥とされ、蓋付きの朱塗りの椀「つぼ椀」に盛ったことが名の由来という。
- つがに汁Tsugani Jiru四万十川などに棲むモクズガニ「ツガニ」を生きたまま甲羅ごと粉砕し、その出汁でなすやりゅうきゅうを煮る高知の秋の汁物。産卵で川を下る秋が旬とされ、資源保護のため禁漁期間が設けられている。
- つぎ汁Tsugi Jiruから煎りした唐辛子と干椎茸のだしに、角切りの地豆腐を加えて醤油と砂糖で仕上げる郡上市明宝寒水地区のお吸い物。汁をつぎ回す専用の容器から「つぎ汁」と呼ばれ、報恩講や婚礼など人が集まる日に振る舞われるという。
- つけけんちんTsuke Kenchin里芋や大根、こんにゃくを煮込んだ温かいけんちん汁に、太めのそばを別皿でつけて食べる料理。江戸時代後期から水戸藩を中心に広がったとされ、新そばが出る秋から冬によく食べられる。
- つみっこTsumikko小麦粉の生地をちぎって鍋に入れる、埼玉版のすいとん。「つみとる」という本庄地方の方言が名の由来とされ、養蚕や機織りの合間、忙しい農家の日常食として重宝されてきた。
- つみれ煮Tsumire Ni沖ギスやアジ、アゴなどをすり身にし、ごぼうや人参と煮たつみれ煮。長い海岸線を持つ島根の多様な漁でとれる白身魚を無駄なく生かす日常のおかずとされる。出雲・石見・隠岐にまたがる広域のため県庁所在地を代表点とした。
- つんきーだご汁Tsunki Dago Jiru小麦粉をこねただんごを手でちぎって野菜と煮込み、味噌や醤油で仕立てる汁物。武雄弁で「ちぎる」を意味する「つんきー」が名の由来とされ、米が乏しかった頃は主食代わりだったという。
- つゆ煮しめTsuyu Nishimeわらで包んで保存性を高めた「つと豆腐」と身欠きにしん、里芋、昆布をだしで煮て醤油と砂糖で仕立てる南会津の料理。冠婚葬祭や祭りの酒の肴として供され、今もイベントで振る舞われているという。
- うちがえ雑煮Uchigae Zoniいりこだしのつゆに里芋を煮て、餅の代わりに硬く水気を絞った岩豆腐を重ねてのせる祖谷地方の雑煮。豆腐が重なる様子が武士の「打ち違え」に似ることから名がついたとされる正月のごちそう。
- 打ち込み汁Uchikomi Jiru塩を使わず小麦粉と水だけでこねた生地を切って、別ゆでせずそのまま大根や人参の出汁に入れて煮込む冬の汁物。うどんが身近な小麦どころ香川らしい、手早くつくれる農村の日常食だという。
- 打ち豆汁Uchimame Jiru蒸した大豆を木づちで一粒ずつ潰して乾燥させた打ち豆を、かぶや里芋とともに味噌汁に仕立てた湖北地域の料理。雪深い冬の貴重なたんぱく源とされ、報恩講のお講汁としても振る舞われると伝わる。
- 牛汁Ushi Jiru豚肉文化の沖縄では珍しい牛肉の汁物で、冬に出回る島にんじんのチデークニを合わせてつくる。風邪予防や滋養強壮のための料理とされ、名護市安和の「牛御願」など一部地域の伝統行事にも供え物として登場する。
- わらすぼのみそ汁Warasubo no Miso Jiru有明海だけに生息するワラスボを味噌汁に仕立てる。目が退化し鋭い歯をむき出した独特の姿から地元でも恐れられる魚だが、干潟の泥に育つ分だけ旨みが強いとされ、味噌汁のほか煮つけにもするという。
- いとこ煮Itoko Ni甘く煮た小豆と白玉だんごを合わせる山口の行事食で、地域差が大きい。日本海側の「萩風いとこ煮」は昆布だしの澄んだ冷たい汁仕立てで、白玉は祝儀に紅、不祝儀に白と染め分けられると伝わる。
- みみMimi小麦粉の生地を正方形に切り、二つの角をつまんで三角にした「耳」を野菜と味噌で煮こむ富士川町十谷地域の一品。農具の箕に似た形が「福をすくう」に通じるとされ、正月元旦に歳神様へ供えると伝わる。
- 大和の雑煮Yamato Zoni丸餅と祝だいこん、里芋、豆腐を白味噌仕立てのだしで煮た奈良の雑煮。餅を取り出して砂糖入りのきな粉につけて食べる家庭が多く、豆腐は白壁の蔵、里芋は子孫繁栄を願う具材とされている。
- 柳ばっとYanagi Battoそば粉をこねて柳の葉形に整え、大根やにんじん、きのこを入れた醤油味やみそ味の汁で煮る。南部藩が細切りそばを禁じた時代に「これはそばではない」と言い抜けて食べたのが名の由来とされる県北の料理。
- 夕顔のみそ汁Yugao no Miso Shiruひょうたんに似た長い形の「ながゆうがお」を薄切りにし、煮干しだしと味噌で仕立てる富士北麓地域の夏の汁。かんぴょうの原料とは別種で、淡泊な味わいがとろりとした食感とともに好まれると伝わる。
- ゆきのつゆYukino Tsuyu鬼おろしで粗くおろした大根と、香ばしく焼いた餅を味噌汁に落とす。有田焼の窯元が一晩がかりの窯焚きの合間に食べた夜食とされ、今は大晦日の「有田碗灯」で振る舞われているという。
- ざぶ汁Zabu-jiru人参、ごぼう、じゃがいも、大根、かぼちゃなどを炒めていりこと昆布の出汁で煮る都農町の汁物。野菜を「ざぶざぶ」煮ることが名の由来とされ、手に入りやすい根菜でつくる宮崎の日常の家庭料理。
- ざくざくZakuzaku里芋やにんじん、ごぼう、こんにゃくなどをざくざくと角切りにし、煮干しなどのだしで煮て醤油で調える二本松の料理。江戸期の文献に「菜を細かく切ったもの」と記され、冠婚葬祭や祭りに供されてきたという。
チェーンの味の元になった料理
全国チェーンの味は、特定の土地の料理がもとになっているとされます。チェーン名から元の料理を見られます。
しゃぶ葉のしゃぶしゃぶブッフェは、牛肉をすき焼きや牛鍋と同じ鍋料理の系統として気軽に楽しめる形にしたものとされる。
木曽路のしゃぶしゃぶ・すき焼きは、和牛を用いた鍋料理を家庭より少し特別な形で提供する、名古屋発の系統とされる。
しゃぶしゃぶ温野菜は、しゃぶしゃぶをより気軽な価格帯で楽しめる業態にしたチェーンで、すき焼き・牛鍋と並ぶ牛肉鍋料理の系統にあたる。
しゃぶしゃぶ但馬屋大阪府の地域限定
しゃぶしゃぶ但馬屋は、肉屋直営でしゃぶしゃぶ・すき焼き・焼肉を食べ放題にした形態で、関西の食べ放題焼肉・鍋文化に連なるとされる。
かに道楽はカニ料理専門店で、ズワイガニ・タラバガニなど各地のカニを鍋や焼き物として提供する系統にあたる。
博多もつ鍋やまやは、牛の小腸・大腸を使った博多のもつ鍋を専門にするチェーンで、牛の内臓を活かす食文化の系統にあたる。