鍋・汁もの
けの汁
Keno Jiru
大根やごぼう、わらびなど根菜と山菜をさいの目に刻み、すりつぶした大豆とともに焼き干し出汁で煮込む。小正月に大鍋で仕込み、数日かけて温め直しながら食べる津軽地方の保存食である。
- 発祥: 青森県
- 東京から北へ約550km
何でできているか
大根や人参、ごぼう、わらび、ふき、油揚げ、凍み豆腐、大豆など多種の具材を5mm角ほどに細かく刻み、焼き干しと焼き昆布のだしで煮込んだ味噌仕立ての精進汁とされる。細かく刻まれた根菜と山菜が口の中でほろりとほどけ、豆をすりつぶした「ずんだ」がとろみとコクを加える。何度も温め直すほど具材のエキスが汁に溶け出し、日を追うごとに味わいが深まっていくという。
どう作るのか
大根、人参、ごぼう、山菜、油揚げ、凍み豆腐、大豆などをすべて細かい賽の目に刻むところから調理が始まる。昔は木桶や飼料桶に山盛りに刻んだと伝わる。大鍋に焼き干しと焼き昆布のだしをとり、刻んだ具材と水を加えて煮上げ、味噌で味をととのえる。大鍋でまとめてつくり、数日かけて小鍋に分けては温め直しながら少しずつ食べ継ぐのがならわしとされる。
なぜこの形になったのか
津軽地方では米が貴重だった時代、刻んだ具材を米粒に見立てて食べたと伝わる。もともとは小正月の料理で、正月に家族の世話や来客対応に追われた女性が里帰りする際、家に残る男衆のためにつくりおいた保存食ともいわれる。細かく刻んで大量に仕込む手間のかかる調理は、栄養を蓄えつつ長く保存して何日も食べつなぐ、寒冷な稲作地帯ならではの知恵から生まれたと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ青森県
- べこもちもち米粉とうるち米粉の生地を色付けし、棒状に組んで蒸すと切り口に模様が現れる。米が貴重だった下北地方で端午の節句のハレ食として食べられ、大間町を中心に柄が発展した。
- かっけそば粉を薄くのばして三角形に切り、大根や豆腐とだしで煮てにんにく味噌をつけて食べる。南部藩がそば切りを禁じたため、切れ端を三角に整えて食べたのが始まりと伝わる南部地方の料理。
- くじら汁塩漬けにしたクジラの脂身を湯通しして脂を落とし、大根や人参、じゃがいもとともに大鍋で煮込む。捕鯨基地があった八戸周辺に伝わる正月料理で、日を経るごとに味がなじむとされる。
- 豆しとぎ煮て潰した青大豆に米粉と砂糖を混ぜてこね、かまぼこ形に成形して切り分ける。米の代わりに大豆でかさ増しした南部地方の生菓子で、山の神や農神への年取りの供え物として作られてきた。
- 青森シャモロックシャモと横斑プリマスロックを掛け合わせ、青森県畜産試験場が約20年の研究の末に開発したとされる。雄で約100日、雌で約120日と、一般的なブロイラーより50〜60日長く育てられるという。