鍋・汁もの
鮭の粕煮
Sake no Kasuni
塩鮭を酒粕でとろりと煮込む東信・上伊那地域の年取り料理。長野県では東側でサケ、西側でブリを歳取り魚とする地域差があり、大晦日に大鍋でつくって正月三が日食べ継ぐという。
- 発祥: 長野県
- 東京から北西へ約160km
何でできているか
塩鮭を酒粕でとろりと煮込む、大晦日のごちそうとされる料理という。酒粕のコクとほのかな甘みが塩鮭の身にしみ込み、体の芯から温まる濃厚な味わいが持ち味とされる。長野県では東側でサケ、西側でブリを歳取り魚とする地域差があり、東信・上伊那地域では鮭の粕煮が新年を迎える一皿になっているという。野菜を加えると彩りとともに汁にも旨みが増すとされる。
どう作るのか
塩鮭をぶつ切りにし、酒粕を溶いた汁でじっくり煮込む。シンプルに鮭と酒粕だけで仕上げる家庭もあれば、野菜を加えて具だくさんにする家庭もあるとされる。大晦日に大鍋でたくさんつくり、元旦には残りに餅を加えて雑煮に仕立てることもあるという。家族や親戚が食卓を囲みながら、年越しのごちそうとして味わってきたとされる。
なぜこの形になったのか
大晦日に歳神様を迎える準備として、縁起の良い魚をごちそうにする「歳取り」の風習が伝わる。サケが特産品として水揚げされた北信地域を含む東側では、サケが歳取り魚として定着したとされる。海から遠い山国で、年に一度のご馳走として大切に扱われてきた魚を、体が温まる粕煮に仕立てて食べ継ぐ知恵が形になったとみられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ長野県
- 安養寺ラーメン信州味噌のルーツとされる安養寺味噌を主役に据えた、佐久の味噌ラーメン。
- 具だくさん味噌汁大根や人参、ごぼうなど旬の根菜をたっぷり入れて煮る長野の日常の汁物。具だくさんにすることで味噌の使用量を抑えられるとされ、小麦粉の生地を落とす「すいとん」を加えて主食代わりにすることもあるという。
- 半ごろしすりこぎで半つぶしにした「半ごろし」のもち米に、あんやきなこをまぶす東信地域のぼたもち・おはぎ。春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と呼び分けるが同じもので、農作業の合間の手間のかからない祝い菓子という。
- ひたし豆青大豆を歯ごたえが残る程度にゆで、薄味のだし汁に浸す北信・東信地域の一品。馬の鞍のような模様をもつ「鞍掛豆」でもつくられ、数の子と合わせておせち料理にもなるという。
- 干しかぼちゃのえごま和え短冊切りにしたかぼちゃをからからになるまで天日に干し、水で戻してすったえごまで和える鬼無里地域の保存食。冬に腐りやすいかぼちゃを保存用に干す知恵から生まれ、煮物やおやきの具にも使われるという。
- ほう葉巻き熱湯でこねた米粉の生地であんを包み、朴の葉に包んで蒸す木曽地域の祝い餅。柏の木がない山あいでは代わりに朴の葉を使うようになったと伝わり、翌日の方が葉の香りが移って美味しいという。