鍋・汁もの
がん汁
Gan-jiru
生きたモクズガニ(ツガニ)を殻ごとすりつぶし、こして塩や醤油で仕立てる宇佐市の汁物。加熱するとタンパク質がふわふわと固まり、高菜を入れて旨味を集める食べ方が伝わる、川の恵みを丸ごと使う一椀。
- 発祥: 大分県宇佐市
- 東京から西へ約810km
大分県宇佐市
何でできているか
宇佐市域に伝わる「がん汁」は、川に生息する大型のカニ「ツガニ」をすりつぶしてつくる、しょうゆ風味の汁物。すりつぶす過程でたんぱく質がふわふわとしたかたまりになって浮かび上がり、汁は澄んでくるという。そのままでは食べづらいツガニを余さず味わうために考えられた料理と伝わる。毛の生えたハサミが特徴のツガニは、藻屑ガニとも呼ばれる川がにの一種という。
どう作るのか
生きたツガニを殻ごとすりつぶし、殻をこしとって塩を加え煮立てる。汁が濁りはじめたところへ高菜を加えると、カニのたんぱく質が高菜に寄り集まる(“とまる”という)ため、高菜を入れる家庭が多いという。最後に塩か醤油で味をととのえるだけのシンプルな調理法だが、そのぶんカニの旨味をしっかり味わえる。香りが気になる場合はしょうがを加えることもある。
なぜこの形になったのか
駅館川流域はツガニ漁で知られ、産卵期にあたる秋から冬にかけて身体に栄養を蓄えたツガニが美味とされてきたとされる。8月中旬の川カニ漁解禁後、家庭でつくられ、季節のごちそうとして近隣に振る舞われることもあったと伝わる。カニ汁が訛って「ガニ汁」、さらに「がん汁」へと呼び名が変化していったといわれている。つがにの生息数が減ってきたこともあり、いまでは一部の地域を除いて家庭でつくる機会が少なくなっているという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
対比
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- あじの丸ずし梅酢でしめたアジを丸ごと開き、酢飯を包んで赤しそで巻いた佐伯市の祝いずし。骨や内臓を丁寧に取り除く手間のかかる仕事で、豊後水道の脂ののったアジが手に入る土地ならではの一品とされる。
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- だんご汁小麦粉をこねて薄い帯状に伸ばした「だんご」を、根菜やしいたけと共に麦味噌仕立ての汁で煮込む大分の日常食。米づくりに適さない台地が多く粉食文化が根づいた大分ならではの一椀で、うどんより強いコシが持ち味。