鍋・汁もの
どんこ汁
Donko Jiru
石巻港や気仙沼港で水揚げされるドンコを大根や豆腐とともに味噌で仕立てた冬の汁物。口が大きく尻がすぼまる姿から金運の縁起魚とされ、えびす講に神棚へ供える風習も伝わる。
- 発祥: 宮城県気仙沼市
- 東京から北東へ約390km
宮城県気仙沼市
何でできているか
三陸沿岸でよく獲れる「どんこ」(エゾイソアイナメ)を、大根や人参、じゃがいも、豆腐とともに味噌で仕立てた汁物とされる。冬になると身が締まり肝にも脂が乗るとされ、クセのない白身と濃厚な肝の両方を味わえる。白身の淡泊な味は産後の肥立ちによいとされ、体力回復の料理として食されてきたといい、たたきやなます、田楽など他の調理法も伝わる。
どう作るのか
大根、人参、じゃがいもを大きめに切って煮た後、ぶつ切りにしたどんこの切り身と肝臓を入れて静かに煮込み、豆腐を入れ味噌で調味し最後にねぎを加える。肝を丁寧に扱うことで濃厚な旨みが汁に加わるとされる。季節になるとスーパーや鮮魚店に、鍋や汁物用にさばいたものが並ぶといい、居酒屋などで提供する店もあるという。
なぜこの形になったのか
「大きな口からたくさん入って小さな尻から出ていきにくい」として、どんこはお金が貯まる縁起魚とされ、陰暦10月20日の恵比寿講に尾頭付きのどんこ汁を神前に供え豊漁を祈願する習わしが気仙地方に伝わる。秋仕舞い(庭仕舞い)の際に食べる地域もあり、海の恵みに感謝する行事と結びついて受け継がれてきたと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ宮城県
- 油麩丼棒状にして揚げた油麩を、かつ丼のように甘辛い出汁で煮て卵でとじ、ご飯にのせた登米市の丼。豆腐店が保存の利く麩を考案したのが始まりで、地元旅館の女将が丼に仕立てたと伝わる。
- あざら長く漬け込んで酸味の増した白菜の古漬けと、メヌケのあらを酒粕でじっくり煮込む気仙沼の料理。冷めても、翌日煮返してもうまみが増すと伝わる、庶民に親しまれてきた一皿。
- ばっけ味噌春先に摘んだふきのとう(方言で「ばっけ」)を茹でて刻み、くるみや味噌と練り合わせた常備菜。冬にたまった体の毒を出すとして好まれ、温かいご飯や焼き魚に添えて食べると伝わる。
- エビ餅田んぼの用水路や沼で獲れる沼エビを醤油と酒で調味し、つきたての餅に姿のまま絡めた栗原の餅料理。紅白の彩りが美しく、正月に来客をもてなす一皿として代々受け継がれてきたと伝わる。
- ふすべ餅素焼きにして囲炉裏でいぶしたドジョウを粉状にし、大根やごぼうと炒め煮にして醤油と唐辛子で仕上げた餡を、つきたての餅に絡める。海から遠い栗原の内陸ならではの餅料理と伝わる。
- がんづき小麦粉と黒砂糖、重曹に酢を加えて練り、蒸し上げる素朴な蒸しパン。ふんわりしつつ食べ応えがあり、姿が雁の肉に似ることが名の由来と伝わる、宮城で古くから親しまれてきた日常のおやつ。