鍋・汁もの
ヒージャー汁
Hiijaa Jiru
ヤギの肉や内臓を大鍋でじっくり煮こみ、香りの強いよもぎや苦菜を加えて塩味で仕上げる。独特の風味は好みが分かれるとされるが、棟上げや新築祝いなど大勢が集まる祝いの席で振る舞われてきた料理である。
- 発祥: 沖縄県
- 東京から南西へ約1560km
何でできているか
山羊の肉や骨付き肉、内臓を大鍋でじっくり煮込み、よもぎや苦菜を加えて塩味で仕上げた汁物とされる。独特の強い香りとこくが特徴で、好みが分かれる料理だが、体を温める滋養食として親しまれてきたと伝わる。沖縄県では“ヒージャーグスイ(ヤギ薬)”として珍重されてきた栄養価の高い食べ物といい、山羊肉はさばいたらなるべく早く食べるのが美味とされ人が集まる機会につくられることが多いという。
どう作るのか
骨付きの山羊肉をぶつ切りにし、水から煮立ててアクを取りながら弱火で3時間ほど煮こむ。途中でよもぎを加え、肉がやわらかくなるまでさらに煮る。丼に盛り、おろししょうがと塩を添えて好みの味に調えながらいただく。汁が足りなくなったらかつおだしを加えるとよく、よもぎは葉先のみを摘み取り水でしっかりもみ洗いしてから加えると香りが良いという。
なぜこの形になったのか
さばいたらなるべく早く食べるのがおいしいとされる山羊肉は、人が大勢集まる祝い事や棟上げなどで振る舞われてきたと伝わる。体を温める効果や病気やけがをした際の回復薬として親しまれてきたが、現在は医学の発達にともないその側面は薄れ、伝統的な食文化として愛されているという。激励会や新築完成のお祝いなどでも食されるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 泡盛タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- 花酒日本最西端の与那国島でのみ製造される、アルコール分60度前後の蒸留酒。原料や製法は泡盛と同じだが、度数が泡盛の上限を超えるため酒税法上は「スピリッツ」として区別されているという。