鍋・汁もの
雑煮
Zoni
正月に食べる餅入りの汁物で、三重は東西文化の境目にあたることから角餅と丸餅、すまし汁と味噌汁が地域ごとに入り混じって伝わる。県立博物館の調査では県内で9つの分布ブロックに分かれるとされる。
- 発祥: 三重県
- 東京から西へ約320km
何でできているか
餅や里芋、大根、小松菜などを煮た正月の雑煮。餅の形は地域によって異なり、丸餅と角餅の両方が三重県内に混在しているとされる。東西の文化が行き交う地形にあるためと伝わり、湯で炊く地域、水から炊く地域、焼いてから汁に入れる地域があるなど、同じ雑煮でも土地ごとに食べ方が大きく異なる珍しい県だといわれている。
どう作るのか
湯炊きの地区では、具材が煮えてだし汁が沸いてから餅を入れる。焼き餅の地区では、椀に両面を焼いた餅を先に入れ、そこへ汁と具材を注いで食べるという。汁は澄まし仕立ての地域とみそ仕立ての地域があり、具材も北勢地域は正月菜、中南勢地域は里芋と大根、伊賀地域は豆腐を加えるなど土地ごとに違うとされ、家ごとの味も残っている。
なぜこの形になったのか
三重県は東西の文化が入り交じる地帯とされ、山並みに阻まれて東の角餅文化と西の丸餅文化がともに県内へ流れ込み、混ざり合ったまま定着したと伝わる。伊勢神宮とのつながりが深い志摩国や伊勢湾の離島には古い文化も残るという。この複雑な歴史的背景が、同じ三重県内でも地域ごとに全く異なる雑煮の姿を生んだと考えられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ三重県
- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- あらめ巻き水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁ごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- 茶粥ほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- ちゃつ大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- ふき俵大豆を炊き込んだご飯をふきの葉で米俵のかたちに包んだ伊賀地域の行事食。田植えの際、田の神に豊作を祈って供えるほか、農作業の合間の携帯食としても食べられてきたと伝わる。