鍋・汁もの
とろろ汁
Tororo Jiru
すりおろした自然薯をだし汁と味噌でのばし、麦飯にかけて食べる。東海道の宿場町だった丸子(現・静岡市駿河区)の名物で、十返舎一九や松尾芭蕉の作にも登場するほど古くから旅人に親しまれてきたとされる。
- 発祥: 静岡県静岡市
- 東京から南西へ約150km
静岡県静岡市
系譜
とろろ汁安倍川もち
何でできているか
とろろ汁は、すりおろした自然薯をだし汁と味噌、醤油でのばし、麦飯にかけて食べる料理。自然薯は「やまのいも」とも呼ばれる長さ1.5メートル、直径3センチほどの山いもで、県内では中部地域を中心に、西部地域や東部地域でも収穫されるとされる。すりおろした自然薯をすり鉢でさらにすり、だし汁を少しずつ加えてのばすと、とろりとした強い粘りが生まれるという。
どう作るのか
自然薯をおろし金ですりおろし、すり鉢でよくすったあと、だし汁と味噌、醤油を合わせた汁を少しずつ加えてのばしていく。できあがったら麦飯にかけ、刻んだ海苔をちらして食べる。地域によっては、すり鉢でする際に卵を加えたり、味噌を使わず醤油だけでのばしたりと、家庭ごとに作り方に違いがあるとされる。すりおろす手を止めずに一定の力で回し続けることが、なめらかな仕上がりのこつだという。
なぜこの形になったのか
丸子は東海道五十三次の20番目の宿場町にあたり、スタミナがつく料理として旅人に親しまれてきたとされる。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』や松尾芭蕉の句にも詠まれるほど、街道を行き交う人々に知られた名物だったと伝わる。自然薯の粘りが疲れた足腰を癒やすとされたことも、旅の道中食として定着した理由のひとつとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ静岡県
- ぼくめし蒸したウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのごはんに混ぜ込む。太すぎて売り物にならなかったウナギを養鰻場の「木杭(ぼっくい)」でまかない飯にしたのが名の由来と伝わる、大井川流域の混ぜごはん。
- フジキンカ静岡県が育成した系統豚「フジロック」に、中国浙江省原産の希少品種・金華豚を掛け合わせて作出した、静岡県だけの豚。金華豚のやわらかな肉質とフジロック譲りの霜降りを併せ持つとされる。
- 藤枝朝ラーメン朝からラーメンを食べる習慣。温かい一杯と冷たい一杯をセットで頼む型がある。
- 富士宮やきそば戦後、富士宮市内の駄菓子屋やお好み焼き店で子ども向けのおやつとして広まった。コシの強い蒸し麺、ラードを搾った後の「肉かす」、いわしの削り粉「だし粉」の3点が土地の型を作っている。
- がわ生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。