鍋・汁もの
えびみそ汁
Ebi Miso Jiru
殻ごとすりつぶした小エビを米のとぎ汁でのばし、白味噌と豆腐を加えて煮る汁物。三豊市豊中町の宇賀神社で約300年続くどぶろく祭りに、神事の振る舞い料理として添えられてきたという。
- 発祥: 香川県三豊市豊中町
- 東京から西へ約580km
香川県三豊市豊中町
系譜
えびみそ汁あんもち雑煮
何でできているか
瀬戸内海でとれる体長10cmほどのシバエビを、頭も殻もむかずにすりつぶして仕立てた白みそ仕立ての汁物。エビの殻や頭から出る濃厚な風味とみその甘みが溶け合い、豆腐のやさしい食感が加わる。すりつぶした殻の食感がとろみとなって汁にほどよいコクを添えるのも特徴とされる。三豊市豊中町の宇賀神社で秋に開かれる「どぶろく祭り」で、ごはんやなますとともに振る舞われてきた郷土料理とされる。
どう作るのか
米のとぎ汁を用意し、頭と尾を取ったエビを殻ごと塩水で洗ってボウルに入れ、とぎ汁を加えてミキサーにかける。残りのとぎ汁を鍋に入れて火にかけ、すりつぶしたエビを加えて混ぜながら煮立たせる。白みそを溶き入れて弱火で20分ほど煮たら、さいの目に切った豆腐を加えてさらに煮込み、焦げないよう混ぜながら仕上げる。器に盛り、仕上げにねぎを散らす。
なぜこの形になったのか
豊中町の宇賀神社では、五穀豊穣への感謝を込めた秋祭りが古くから続けられてきたとされ、その際に神前に供えた後、参加者にどぶろくとともにえびみそ汁が振る舞われてきたという。瀬戸内海で身近にとれる小エビを、殻ごとすりつぶして無駄なく使う調理法が、祭りのごちそうとして定着した理由のひとつと考えられる。とぎ汁を活用する点も、身近にある材料を無駄にしない暮らしの知恵の表れといえそうだ。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ香川県
- アジの三杯焦げ目をつけて焼いたアジを、唐辛子や刻みしょうがを効かせた三杯酢に漬ける。酢が骨をやわらげ丸ごと食べられるようにする工夫で、小アジが出回る瀬戸内の夏祭りの酒肴として親しまれてきたという。
- はげ団子収穫したての小麦粉でつくった団子を、小豆であんをまぶした素朴な菓子。梅雨明けの節目にあたる半夏生(7月2日ごろ)に農作業をねぎらってつくり、神仏に供えて家族で食べる。
- いかなご醤油イカナゴを塩とともに半年以上発酵させて造る魚醤で、香川県高松市庵治町が主産地とされる。一時は姿を消したが1998年頃に地元有志の手で復活したと伝わり、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- いもたこ瀬戸内海でとれるタコと里芋を、だしと調味料でともに煮付けたシンプルな一品。かつては正月や婚礼などのハレの日のごちそうだったが、今は日常の惣菜としてよくつくられるという。
- いりこ飯いりこ(煮干し)の頭でとった出汁で、身と人参、大根、里芋などを米と炊き込む。いりこの名産地・伊吹島を抱える西讃地域を中心に、季節を問わずつくられる日常食だという。