鍋・汁もの
あんもち雑煮
Anmochi Zoni
煮干し出汁に大根と金時人参、あん入りの丸餅を煮て、最後に白味噌を溶き入れる正月の雑煮。江戸期に貴重だった砂糖を使い切る一年一度のごちそうとして始まったと伝わる。
- 発祥: 香川県
- 東京から西へ約540km
系譜
何でできているか
白みそ仕立ての汁に、あんこ入りの丸餅と輪切りの大根、金時にんじんなどを入れた雑煮。白みその甘みとコクに、餅の中からとろりと出るあんの甘さが重なり、ほかの地域の雑煮とは一線を画す濃厚な甘みが特徴とされる。白みそは大豆を控えめに米麹を多く使い、塩分を抑えて仕込んだ甘口のみそで、12月ごろに仕込んで正月に合わせて1カ月ほど熟成させるという。仕上げに青のりを振りかけ、彩りよく盛り付ける。
どう作るのか
煮干しでとっただし汁に、丸く輪切りにした大根と金時にんじんを入れて柔らかく煮る。あん入りの丸餅を加えて柔らかくなったら豆腐を入れ、ひと煮立ちさせてから煮汁で溶いた白みそを加える。椀の底に大根を敷いて餅がくっつかないようにし、その上に餅、さらに大根とにんじんを彩りよく盛り付け、青のりを振って仕上げる。里芋や白ねぎを加える家庭もあるという。
なぜこの形になったのか
温暖で雨の少ない香川ではかつてさとうきび栽培が奨励され、讃岐地方の白砂糖は特産品の一つになったとされる。砂糖が貴重だった時代、年に一度、正月にとっておきの砂糖を使ってあん餅を作り雑煮に入れたことが始まりと伝わる。一方の白みそは、保元の乱で讃岐に流された崇徳上皇のもとへ京都から伝わったとされ、冬場の調味料として重宝されてきたという。二つの貴重な甘味と旨みが正月という特別な日に組み合わさったことが、この雑煮の形につながったと考えられる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
兄弟
同じ香川県
- アジの三杯焦げ目をつけて焼いたアジを、唐辛子や刻みしょうがを効かせた三杯酢に漬ける。酢が骨をやわらげ丸ごと食べられるようにする工夫で、小アジが出回る瀬戸内の夏祭りの酒肴として親しまれてきたという。
- はげ団子収穫したての小麦粉でつくった団子を、小豆であんをまぶした素朴な菓子。梅雨明けの節目にあたる半夏生(7月2日ごろ)に農作業をねぎらってつくり、神仏に供えて家族で食べる。
- いかなご醤油イカナゴを塩とともに半年以上発酵させて造る魚醤で、香川県高松市庵治町が主産地とされる。一時は姿を消したが1998年頃に地元有志の手で復活したと伝わり、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- いもたこ瀬戸内海でとれるタコと里芋を、だしと調味料でともに煮付けたシンプルな一品。かつては正月や婚礼などのハレの日のごちそうだったが、今は日常の惣菜としてよくつくられるという。
- いりこ飯いりこ(煮干し)の頭でとった出汁で、身と人参、大根、里芋などを米と炊き込む。いりこの名産地・伊吹島を抱える西讃地域を中心に、季節を問わずつくられる日常食だという。