鍋・汁もの
だご汁
Dagojiru
小麦粉の生地を手で延ばしちぎった団子を、里芋やごぼうなど季節の野菜と味噌や醤油で煮込んだ汁もの。「だご」は熊本弁でだんごの意味で、農作業の合間の食事として親しまれてきたという。
- 発祥: 熊本県
- 東京から西へ約890km
何でできているか
小麦粉を水で練って寝かせ、手で延ばしちぎった団子を、里芋やごぼうなど季節の野菜とともに味噌や醤油仕立ての汁に入れた料理となっている。手軽に作れて腹持ちがよく、農作業の合間に食べられてきたという。地域によってはさつまいもを団子に練り込むものもあり、九州全般で食されるなかでも熊本はこの傾向が強いとされる。もちもちとした団子と根菜の食感が、汁のなかで層になって楽しめるという。
どう作るのか
小麦粉を水で練ってしばらく寝かせ、手で薄く延ばしてちぎり、団子にする。干ししいたけや煮干しで出汁をとり、里芋、ごぼう、人参、大根などの野菜とともに団子を煮て、味噌や醤油で味を調える。地域によっては生地にさつまいもを練り込んだり、うどん状に切って入れたりするという。団子の厚みで食感が変わるため、好みに応じて延ばし加減を調整するとされる。
なぜこの形になったのか
手軽に作れて栄養価も高く腹持ちがよいことから、古くから農作業の合間に食べられ親しまれてきたと伝わる。米が貴重だった時代に小麦粉で団子を作り、季節の野菜を無駄なく入れて汁にする形が定着し、地域ごとにさつまいもを使うなどの工夫が加わって今に伝わっているとみられる。里芋やごぼうが出回る秋冬には、季節を感じる料理として食卓や飲食店のメニューに登場するという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。