鍋・汁もの
てっぽう汁
Teppo Jiru
カニを昆布だしでじっくり煮て味噌で仕立て、豆腐と長ねぎを加える汁物。箸でカニの脚をつついて身を出す仕草が、鉄砲に弾を込める動きに似ることが名の由来と伝わる、根室地方の漁師料理。
- 発祥: 北海道
- 東京から北東へ約990km
何でできているか
カニを昆布だしでじっくり煮て味噌で仕立て、豆腐と長ねぎを加える汁物。とりわけ根室地方でとれる花咲ガニが使われることで知られる。かご漁で獲られ、漁期は7月中旬から9月下旬とごく短い希少な蟹で、生きているうちは色の濃い茶褐色だが、茹でると鮮やかな朱色に染まるという。カニから出る出汁の旨みが汁全体に広がる、素材の力で勝負する一杯とされる。
どう作るのか
カニと好みの野菜を昆布だしでじっくり煮込み、味噌で味付けして、最後に豆腐と長ねぎを加えるだけのつくり方。花咲ガニのほか、毛ガニやタラバガニ、ズワイガニなど北海道でとれる別の蟹を使うこともある。野菜を入れずにカニ本来の出汁と旨みだけを味わう食べ方をする家庭もあるといい、手軽さと旨みの強さを両立させた家庭料理として根づいているという。
なぜこの形になったのか
根室地方の漁師料理として食べられてきたと伝わる。名前の由来は、箸でカニの脚をつついて身を取り出す仕草が、鉄砲に弾を込める動きに似ることからと伝わる。花咲ガニは根室半島の海域でのみ獲れる希少な蟹で、資源保護のためサイズ選別も行われているという。狭い漁場と短い漁期に支えられた希少な食材が、土地の名を冠した汁物として受け継がれてきたといえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
使われる
同じ北海道
- 旭川ラーメン魚介と豚骨を合わせた醤油スープに、ラードで蓋をして冷めにくくする。厳寒の地ならではの工夫とされる。
- 旭川ホルメン旭川の二大名物、醤油ラーメンとホルモン焼きを掛け合わせたご当地グルメ。醤油だれのスープに、下処理して臭みを抜いた豚ホルモンをのせる。2010年代に旭川で考案された。
- ガタタンラーメン芦別市の郷土料理ガタタンをラーメンにした一杯。片栗粉でとろみをつけた塩味のスープに、野菜・肉・魚介など具だくさんの具を合わせ、仕上げに溶き卵を流し入れる。満州からの引き揚げ者が伝えた中華料理が土台にある。
- 美唄のとりめし鶏肉とたまねぎを米と一緒に醤油、砂糖、酒で炊き込むごはん。明治の開拓期、小作人に養鶏を勧めた農場主が、米が実った後に鶏をつぶして客をもてなしたのが始まりと伝わる美唄市中村地区の郷土料理。
- 美唄やきとりモツを中心に、内臓から皮まで一羽分を一本の串に刺す。
- びらとり和牛日高地方・平取町で育つ黒毛和種。昭和37年に島根県から導入された繁殖牛を礎とし、冬の厳しい寒さの中でじっくりと肥育され、味の濃さに定評があるという。札幌をはじめ道内で広く親しまれる銘柄になったという。