鍋・汁もの
けいらん
Keiran
もち米粉の生地でこしあんを包み、卵形に整えてしいたけと昆布の澄まし汁に浮かべる。形が鶏卵に似ることから名がついたと伝わり、稲刈り後の「秋仕舞い」のもてなし料理として下北地方に受け継がれている。
- 発祥: 青森県
- 東京から北へ約640km
何でできているか
もち米粉の生地でこしあんを包み、卵形にととのえて茹でるか蒸し、しいたけと昆布のだしを効かせた醤油味の澄まし汁に浮かべた椀物とされる。表面はつるりと艶やかで、噛むと餅のもっちりとした弾力の中からこしあんの上品な甘みがにじみ、澄まし汁のやさしい塩気と三つ葉の香りが後味を締める。白い団子が鶏卵に似ることから名がついたと伝わる。
どう作るのか
もち米粉を湯でこね、耳たぶほどの硬さにまとめてこしあんを包み、卵形にととのえて茹でる。ゆで上がりは熱いうちに手で水をかけながら形をととのえると、表面に艶が出て卵らしい丸みに仕上がるという。椀には2個を盛り、しいたけと昆布のだしに醤油を合わせた汁を注ぎ、三つ葉を添える。慶事には紅白、弔事には小ぶりで青や緑に色づける家庭もあると伝わる。
なぜこの形になったのか
稲刈りを終えた11月、隣近所や親戚を招いて一年の農作業を労う「秋仕舞い」のもてなし料理として下北地方に受け継がれてきたとされる。米づくりを終えた喜びを分かち合う席にふさわしい、卵形の上品な椀物が選ばれたと考えられる。上方の料理が旧南部藩に伝わったともいわれ、後に冠婚葬祭にも欠かせない一品として定着していったという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ青森県
- べこもちもち米粉とうるち米粉の生地を色付けし、棒状に組んで蒸すと切り口に模様が現れる。米が貴重だった下北地方で端午の節句のハレ食として食べられ、大間町を中心に柄が発展した。
- ひっつみこねた小麦粉の生地を手でちぎって鶏だし醤油の汁に入れ、人参やごぼうとともに煮込む。旧南部藩領だった青森県南東部から岩手県北中部にかけて伝わり、米が不作の年の主食代わりとされた。
- かっけそば粉を薄くのばして三角形に切り、大根や豆腐とだしで煮てにんにく味噌をつけて食べる。南部藩がそば切りを禁じたため、切れ端を三角に整えて食べたのが始まりと伝わる南部地方の料理。
- くじら汁塩漬けにしたクジラの脂身を湯通しして脂を落とし、大根や人参、じゃがいもとともに大鍋で煮込む。捕鯨基地があった八戸周辺に伝わる正月料理で、日を経るごとに味がなじむとされる。
- 豆しとぎ煮て潰した青大豆に米粉と砂糖を混ぜてこね、かまぼこ形に成形して切り分ける。米の代わりに大豆でかさ増しした南部地方の生菓子で、山の神や農神への年取りの供え物として作られてきた。
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