土地
京都府
48件
●生まれた料理 37件(ちりめん山椒、えびいもと棒だらの炊いたん、がんもどき ほか)・●育てる食材 3件(京地どり、京都肉、京都ぽーく)・●仕込む 8件(伏見の酒、京番茶、西京味噌 ほか)・○本場 8件
この土地で生まれた37
- ちりめん山椒Chirimen Sanshoちりめんじゃこと実山椒を酒・醤油・みりんで甘辛く煮た京都の惣菜で、昭和半ばに宮川町の料理人が手土産として作り始めたと伝わる。山椒のぴりっとした香りが余韻に残る。
- えびいもと棒だらの炊いたんEbiimo to Bodara no Taitanエビのような縞模様が特徴の京野菜「えびいも」と、北海道産のマダラを干した「棒だら」を炊き合わせる。棒だらのゼラチン質がえびいもの煮崩れを防ぎ、えびいものアクが棒だらを柔らかくする「であいもん」。
- がんもどきGanmodoki豆腐に野菜を混ぜて丸め揚げた一品。京都では「ひろうす」「飛龍頭」とも呼ばれ、肉を使わない精進料理の発想から、野菜を混ぜ込んで揚げる形に結びついたとみられる、京豆腐文化を代表する一皿である。
- はもの焼き物Hamo no Yakimono小骨の多いハモに熟練の「骨切り」を施し、醤油だれの照り焼きや塩焼きにする京料理。生きたまま京都まで運べる生命力の強さから内陸の京都に根づいたとされ、「はも祭り」とも呼ばれる祇園祭の行事食でもある。
- 賀茂なすの田楽Kamonasu Dengaku直径10cmを超え「なすの女王」とも呼ばれる京野菜「賀茂なす」を輪切りにして油でじっくり焼き、酒・みりん・砂糖で煮詰めた田楽味噌をのせる。上賀茂の扇状地で古くから育てられてきたと伝わる。
- きび餅・あわ餅・とち餅Kibi Mochi, Awa Mochi, Tochi Mochi米が十分にとれない丹波の山間部で、きびやあわ、とちの実ともち米をついてつくってきた雑穀餅。かつては主食代わりだったが、いまは素朴な風味が見直され、年末年始の餅として和菓子店でも売られている。
- きごしょうKigosho辛みのない京野菜「伏見とうがらし」の若葉と小さな実を、醤油や酒で炒め煮にする常備菜。ほのかな唐辛子の風味と独特の苦みがあり、ごはんのお供や酒の肴として夏に親しまれているという。
- 木の葉丼Konoha-don細切りのかまぼこと甘辛いしいたけ、青ねぎを卵でとじた丼。京都をはじめ関西一円で長く親しまれ、卵の中に散った具材を木の葉に見立てた名づけと伝わる肉を使わない一杯である。
- 古老柿なますKorogaki Namasu宇治田原町特産の干し柿「古老柿」を細かく割いて、塩もみした大根と人参を酢で和える正月料理。棚に並べて干す独特の製法から名がついたとされ、素朴な甘みが縁起物として神棚にも供えられるという。
- 栗ごはんKuri Gohan大粒で甘みの強い「丹波くり」を米と塩少々で炊き込む秋のごはん。栗は劣化が早いため落下後すぐの調理が肝心とされ、平安時代から貴族に献上されてきたと伝わる丹波の名産を存分に味わう一品。
- 黒豆煮Kuromame Ni丹波地域でとれる大粒の黒大豆を、砂糖と醤油でふっくらと煮る。艶やかな黒光りは長寿と健康の願いを込めた正月おせちの定番で、栽培に半年かかることから「苦労豆」とも呼ばれてきたという。
- 京風ラーメンKyofu Ramen醤油京料理のイメージを重ねた京都のラーメン系統。1976年開業の「京都あかさたな」を端緒に、和風だしで細麺、薄味の醤油スープというスタイルが広まったが、濃厚志向の京都ラーメンとは別物とされる。
- 京都ラーメンKyoto Ramen醤油薄味の京料理の印象とは逆に、こってりした醤油スープの店が多い。鶏ガラを強く炊く型と背脂を効かせる型がある。
- ふろふき大根Furofuki Daikon煮崩れしにくく甘みの強い京野菜「聖護院だいこん」を、昆布出汁でとろりと柔らかく煮る冬の一皿。白味噌や柚子味噌をつけて食べ、旬の12月には府内各地の寺院で無病息災を祈る「大根焚き」もおこなわれる。
- 白味噌の雑煮Kyoto Shiromiso Zoni丸餅と頭芋、大根を、平安京発祥ともいわれる白味噌でのばした汁で仕立てる正月の雑煮。丸餅は円満、頭芋は立身出世、大根は円満長寿を願う具材とされ、金時人参を添える家庭もあるという。
- 万願寺とうがらしとじゃこの炊いたんManganji Togarashi to Jako no Taitan肉厚で辛みのない京野菜「万願寺とうがらし」を、じゃこと出汁・醤油でじっくり炊く夏のおばんざい。舞鶴市万願寺地区で伏見とうがらしとカリフォルニア・ワンダーが自然交雑して生まれたと伝わる。
- 松茸ごはんMatsutake Gohan香り高い「丹波マツタケ」を薄く切り、米と昆布出汁で炊き込むごはん。松林の荒廃で戦前より生産量が大きく減り、いまは高級食材として料亭や割烹で秋の一皿として供されることが多いという。
- 壬生菜のからし和えMibuna no Karashi-ae京都市壬生地区発祥の京野菜「壬生菜」を茹でて刻み、すりごまと練り辛子で和える。みず菜と同じ仲間だがぴりっとした辛みと苦味があり、千枚漬けのそえ物としても知られているという。
- 水無月Minazuki白いういろうに小豆をのせ、三角形に切り分ける京都の郷土菓子。6月30日の神事「夏越しの祓」で無病息災を願って食べられ、三角は暑気払いの氷を、小豆の赤は邪気払いを表すと伝わる。
- みたらし団子Mitarashi Dango餅・団子焼き目をつけた団子に、醤油と砂糖の甘辛いたれをからめた串団子。下鴨神社の御手洗池に湧く水泡を模して作られたのが始まりと伝わり、境内の祭礼で厄除けとして食べられていたという。
- 生八ツ橋Nama Yatsuhashiほかの系統八ツ橋の生地を焼かずに蒸したまま仕立てた、もちもちとした半生菓子。餡を包んで三角形に折るものが定着し、昭和35年の茶会で供されたことが京菓子として広まる契機になったと伝わる。
- 納豆餅Natto Mochi納豆を餅につき込むか、餅で包んできなこをまぶして食べる京北地区の正月料理。常照皇寺で献上された煮豆が糸を引いたのが始まりと伝わり、戊辰戦争を戦った山国隊の携行食にもなったという。
- 肉豆腐Nikudofu牛肉と木綿豆腐を割り下で煮て、京の伝統野菜「九条ねぎ」を加えるすき焼き風の一皿。九条ねぎは伏見稲荷神社建立の際に植えられたのが発祥とも伝わり、軟水でつくる京都の豆腐と好相性とされる。
- にしん茄子Nishin Nasu北前船で北海道から運ばれた干物「身欠きニシン」を、脂の染みやすいなすと炊き合わせる京都の「であいもん」。米のとぎ汁で戻してから数時間かけて煮含める手間を要し、鯛蕪などと並ぶ代表例とされる。
- おはぎOhagiつぶ状に残した蒸しもち米を丸め、小豆あんやきなこで包む彼岸のお供え菓子。京都は「丹波大納言小豆」の名産地で、大粒で皮が破れにくいこの小豆を使ったおはぎが和菓子店でも供されているという。
- 鯖寿司Saba-zushi若狭の鯖を京へ運んだ「鯖街道」の終点で育った棒寿司。海から遠い都の、魚への渇望が生んだ。
- 山椒の葉の佃煮Sansho no Ha no Tsukudani京都の山あいに自生する山椒の若葉と花を、ちりめんじゃこと酒・薄口醤油で水分が飛ぶまで炒め煮る。熱湯をまわしかけて色を鮮やかにし、おにぎりやお茶漬け、うどんの薬味など幅広く使われるという。
- 三色団子Sanshoku Dango餅・団子桃色・白・緑の三色を一串に並べた団子。安土桃山時代、京都の醍醐寺で催された花見の席で、豊臣秀吉が女性も楽しめる彩りの団子を考案させたのが始まりという説が伝わる型とされる。
- 州浜Suhama干菓子大豆などの粉に水飴を加えて練り上げた干菓子。切り口の模様が海辺の州浜紋に似ていることから名がついたと伝わり、鎌倉時代の京都で考案されたという説があるほろほろとした食感の型とされる。
- 鯛蕪Taikabura国内最大級の京野菜「聖護院かぶ」とタイのあらを出汁で炊き合わせる冬の京料理。旬の食材同士を組み合わせる「であいもん」の代表格で、天保年間に千枚漬けが知れ渡ってから聖護院かぶの栽培が広まったと伝わる。
- たけのことふき・生節の炊いたんTakenoko to Fuki, Namabushi no Taitanたけのことふきを、一度だけ燻したカツオの加工品「生節」と一緒に出汁で炊く、海から遠い京都ならではのおばんざい。たけのこの旬と生節の流通時期が重なることから、春の家庭料理として親しまれているという。
- たけのこの木の芽和えTakenoko no Kinome-ae京都式軟化栽培でえぐみを抑えたたけのこを、山椒の若葉「木の芽」をすり込んだ白味噌だれで和える。春の訪れを告げる一品として、木の芽和えといえばたけのこが浮かぶほど親しまれているという。
- 丹後ばらずしTango Barazushi焼いてほぐしたサバのおぼろを木箱「まつぶた」に敷いたすし飯に散らし、錦糸卵や紅しょうがを彩りよくのせる丹後半島の押し寿司。地元では「ばらずし」と呼ばれ、祭りや祝いの席の定番になっているという。
- 宇治金時Uji Kintokiかき氷に小倉あんと宇治抹茶のシロップをかけた夏の甘味。宇治茶は栄西禅師が伝えた茶の種から栽培が始まったとされ、江戸中期に確立した「宇治製法」で全国に知られる高級茶になったという。
- 八ツ橋Yatsuhashi干菓子米粉に砂糖とシナモンを合わせて薄く焼き、反らせて固めた干菓子。箏の名手・八橋検校にちなみ、琴の形を模して作られたのが始まりと伝わり、聖護院の門前で売られたのが起こりとされる。
- 湯豆腐Yudofu水炊き・ちり系昆布を敷いた土鍋で豆腐をそっと温めて食べる鍋。南禅寺の精進料理に始まり、門前の茶店で出されたのが最初とされる。京都の軟水が、煮ても柔らかい豆腐を支えている。豆腐と水、昆布だけの簡素な鍋で、味は材料と水に左右される。
- ずいきの炊いたんZuiki no Taitan里芋の葉柄「ずいき」を下ゆでし、醤油だれで煮て水溶き片栗粉でとろみをつける夏のおばんざい。北野天満宮の秋祭り「ずいき祭り」でも神輿の屋根に使われ、出産後の食養生の一品としても伝わる。
この土地が育てる3
- 京地どりKyo Jidori横斑プリマスロックと軍鶏を掛け合わせ、京都府が畜産技術センターと共同開発したとされる比較的新しい地鶏。JAS規格の在来種50%基準を上回る在来種100%にこだわるという。
- 京都肉Kyoto Niku京都府内で最も長く飼養された黒毛和種。1310年の書物『国牛十図』に丹波牛として記されるほど古い歴史を持つ土地柄で、格付け上位のものだけが名乗れる。京都市中央卸売市場第二市場での加工が条件とされる。
- 京都ぽーくKyoto Pokuランドレースと大ヨークシャーの交雑種にデュロックを掛けた三元豚。大麦やパン粉を加えた飼料で60日以上肥育し、京都市中央卸売市場での格付けを満たしたものだけが名乗れる。
この土地が仕込む8
- 伏見の酒Fushimi no Sake京都・伏見の酒。桃山丘陵から湧く地下水に恵まれた地で、灘の硬水に対して柔らかな水質から仕込まれるとされ、丸みのある口当たりと膨らみのある甘みを持つ、地理的表示「GI京都」の酒質と重なるという。
- 京番茶Kyo-bancha発酵茶・番茶玉露や碾茶用に摘み取った後に残る大きな葉や茎を、蒸してから天日で干し、強い火で焙じて作る京都独自の番茶。焚き火のような煙たさとほのかな甘みを持ち、大きな薬缶で沸かして飲まれてきたとされる。
- 西京味噌Saikyo miso京都所司代の依頼で宮中料理用に献上されたのが始まりと伝わる、塩分5%前後の低塩・甘口の白味噌。京都府味噌工業協同組合が原料や産地を定めて認定する呼称で、西京焼きなど京料理に欠かせない。
- 千枚漬けSenmai-zuke聖護院かぶを薄切りにし、昆布と酢で漬ける京都を代表する漬物の一つとされる。長期保存を目的とせず繊細に仕上げるのが特徴で、江戸時代に御所の料理人が考案し漬物商として広めたと伝わる。
- しば漬けShiba-zukeなすときゅうりを赤しそとともに塩漬けにする、京都を代表する漬物の一つとされる。大原の赤しそがしみ出す紫色と酸味が特徴で、建礼門院に献上された逸話から「紫葉漬け」の名が転じたと伝わる。
- すぐき漬けSuguki-zukeかぶらの一種すぐきを塩だけで漬け、独特の酸味を発酵させる京都を代表する漬物の一つとされる。上賀茂神社の社家が栽培を始めたと伝わり、江戸時代には他村への持ち出しも禁じられた、かつては御所へ献上される品だったという。
- 宇治茶Uji-cha産地鎌倉時代に茶が伝わって以来の歴史を持つとされる京都の茶産地。16世紀末に覆下栽培という独自の被覆技法が生まれ、玉露や抹茶の原料となる碾茶を育てる産地として知られてきたという。
- 宇治田原Ujitawara産地1738年、永谷宗円が青製煎茶製法を考案したと伝わる、宇治茶の産地内にある茶どころ。蒸して揉んで乾かすという現在の緑茶づくりの基礎を築いた地として「日本緑茶発祥の地」ともいわれる。
この土地が本場10
- 祝Iwai名産地京都府で育成されたが一時栽培が途絶えたとされる酒米。1990年代に地元蔵元の求めで復活栽培が進み、京の酒造りを象徴する米として扱われているという。1930年代に育成されたとされ、一時は栽培記録が途絶えかけたと伝えられる。京都府内の蔵元向けに栽培が復活したとされる。
- ハモHamoほかの系統小骨が多く骨切りの技術を要する魚で、梅雨の水を飲んで美味くなるとされる。京都の祇園祭に欠かせない夏の味とされ、京へ運びやすい近海の産地ほど需要が集まり、骨切りの技が磨かれてきた。祇園祭が「鱧祭」とも呼ばれるほど夏の京料理と結びつき、骨切りの技術が磨かれてきた土地とされる。
- ズワイガニZuwaiganiエビ・カニ冬の日本海側を代表するカニ。身は繊細な甘みでほぐれやすく、茹でても焼いても濃厚なカニミソが楽しめる。同じ種でも水揚げ港ごとに黄・青・緑のタグで呼び名が変わり、産地の違いがそのままブランドの違いになる。5隻ほどの小型底引き網船が日帰り操業する間人漁港に水揚げされ、船上で活〆することで鮮度の高さが際立つ。
- 日本酒Nihonshu米・米麹・水を主な原料として醸す、日本の伝統的な醸造酒。精米歩合や酒母の造り方、火入れの有無といった技法によって多様な型に分かれ、水質や気候の違いが土地ごとの酒質を分けてきたとされる。伏見は桃山丘陵からの地下水に恵まれた地で、丸みのある柔らかな口当たりと膨らみのある味わいが特徴とされ、地理的表示「GI京都」にも認定されている。
- 団子Dango餅・団子米粉を練って丸め、蒸すか茹でるかして作る素朴な菓子。団子の原型は縄文時代までさかのぼるとされ、木の実の粉を水で練って丸めたものが始まりという説がある。行事や祭礼の供え物として各地に根づいてきたと伝わる。下鴨神社の御手洗池に湧く水泡を模して団子を作ったのが始まりと伝わり、串に刺した団子に厄除けの意味を込める文化が今も祭礼で続いている。
- 羊羹Yokan羊羹・寒天餡を寒天で固め、切り分けて食べる菓子。中国から茶とともに伝わった羊肉入りの汁物「羹」が起源とされ、肉食を避ける精進料理として餡を用いる形に変わり、寒天の発見によって練り羊羹として完成したと伝わる。江戸期に寒天の製法が広まったのを受けて練り羊羹が生まれた地と伝わり、以来、茶席に添える菓子として練り上げる技術が磨かれてきたとされる。
- 煎茶Sencha緑茶茶畑を覆わずに育てた新芽を蒸し、揉んで乾かす、日本茶の最も基本的な製法で作られる緑茶。全国の生産量の大半を占めるとされ、爽やかな香りとほどよい渋みのバランスが特徴という。覆下栽培という独自の被覆技術を育てた地で、宇治茶として煎茶・玉露・抹茶いずれの産地としても知られてきたとされる。
- 抹茶Matcha抹茶・粉茶覆いをかけて育てた新芽を蒸してそのまま乾かした碾茶を、茶臼で微粉末にした茶。茶葉ごと飲むため栄養や旨みを丸ごと摂れるとされ、茶の湯の点前で使われる格式高い茶としても知られる。覆下栽培から玉露や碾茶が育てられ、幕末以降その碾茶を挽く抹茶の産地としても知られるようになったと伝わる。
- えきそばEkisoba醤油・味噌・塩・豚骨以外名産地1949年に姫路駅で生まれたとされる立ち食い麺。戦後の小麦不足からそば粉とこんにゃく粉の麺で始まり、かんすい入りの中華麺に発展。和風だしに中華麺を合わせる型で、京都市では「キーシマ」とも呼ばれる。同じ系統の麺が「キーシマ」という別名で親しまれている
- しゃぶしゃぶShabu-shabuしゃぶしゃぶ系薄切りの牛肉を沸いた出汁にくぐらせ、ごまだれやポン酢で食べる鍋。北京の羊肉鍋「涮羊肉」にヒントを得たとされ、大阪と京都にそれぞれ、考案をめぐる店の伝承がある。名は湯の中で肉を泳がせる音にちなむ。祇園の十二段家は、中国の火鍋子の話を聞いた二代目が、牛肉が身近な京都の土地柄を踏まえて牛肉の水炊きを考案し、これがしゃぶしゃぶの発祥だと説明している。京都は古くから牛を育てた土地でもある。