土地
兵庫県
37件
●生まれた料理 28件(明石焼、播州ラーメン、播州手延べそうめん ほか)・●育てる食材 5件(淡路ビーフ、神戸ビーフ、但馬ポーク ほか)・●仕込む 4件(赤穂の塩、灘の酒、丹波の酒 ほか)・○本場 5件
この土地で生まれた28
- 明石焼Akashiyaki小麦粉とじん粉、卵とだし汁を混ぜた生地でタコを包んで焼き、だし汁につけて食べる明石市の郷土料理。見た目はたこ焼きに似るが、ソースではなくだし汁につける点が大きな違いとされる。
- 播州ラーメンBanshu Ramen醤油はっきり甘い醤油スープ。織物工場で働く女性たちに好まれて定着したと伝わる。
- 播州手延べそうめんBanshu Tenobe Somen太子町の斑鳩寺に伝わる文書には応永25年(1418年)の条に「サウメン」の記述があり、兵庫県内で最も古いそうめんの記録とされる。江戸時代の安永年間には龍野藩の許可業種として奨励され、播州平野の小麦・揖保川の水・赤穂の塩が産地としての土台になった。
- ぼたん鍋Botan Nabe味噌仕立て白と赤の合わせみそでとっただしに、猪肉と季節の野菜をたっぷり入れて煮る丹波篠山の鍋。粉山椒を効かせて食べることが多く、切り分けた猪肉を牡丹の花びらのように盛り付ける店もあるという。
- ちょぼ汁Chobojiruとろりとしただし汁にささげ豆と里芋の茎、もち粉の団子を煮た淡路島の汁もの。甘くはないが汁粉に似た見た目で、産後の女性の体力回復や子どものお宮参りの祝いに作られてきたという。
- ハモすきHamo-suki醤油・寄せ鍋系骨切りしたハモと淡路島産タマネギを、だし汁で煮ながら食べる寄せ鍋。沼島近海の泥地で育つハモは皮が薄くやわらかいとされ、脂がのる初夏から秋にかけて、玉ねぎの甘みと合わせて味わう。
- はたはたの唐あげHatahata no Karaage頭と内臓を取ったハタハタを丸ごと油で揚げる但馬地域の料理。うろこがなく調理しやすい魚とされ、朝鮮半島から回遊してくるため抱卵しておらず身に脂がのるという但馬産の特徴を生かした一品。
- えきそばEkisoba醤油・味噌・塩・豚骨以外1949年に姫路駅で生まれたとされる立ち食い麺。戦後の小麦不足からそば粉とこんにゃく粉の麺で始まり、かんすい入りの中華麺に発展。和風だしに中華麺を合わせる型で、京都市では「キーシマ」とも呼ばれる。
- たこめしTako Meshi淡路島から東播磨にかけて水揚げされるマダコを米と一緒に炊き込むご飯。夏場に旬を迎え、明石海峡の潮流にもまれた身は歯ごたえと甘みが増すとされ、生ダコのほか煮ダコや干しダコを使う地域もある。
- いびつもちIbitsu Mochiあんを包んだ餅をサルトリイバラの葉で包み蒸す、端午の節句の菓子。柏の葉が自生しにくい兵庫県では代わりにこの葉を使ったとされ、淡路では「いびつもち」、神戸・丹波では「柏餅」と地域ごとに呼び名が異なる。
- イカナゴのくぎ煮Ikanago no Kugini春先にとれる稚魚のイカナゴを、醤油と砂糖、生姜だけでつやが出るまで煮詰めた瀬戸内の甘辛い佃煮。仕上がりが曲がった錆びくぎに似ることからこの名がついたと伝わり、炊きあがる香りに春を感じる家庭も多いという。
- 出石そばIzushi Soba兵庫県豊岡市出石町のそば。信州上田から国替えとなった藩主がそば職人を連れてきたのが始まりとされ、出石焼の小皿に五枚一組で盛って出す。
- じゃぶJabu鶏肉と豆腐、糸こんにゃく、季節の野菜を水を使わずに醤油とみりんで煮る新温泉町の料理。具材から出る水分で汁がじゃぶじゃぶと音を立てることが名前の由来とされ、祭りや冠婚葬祭で大鍋にして振る舞われてきた。
- 鍛冶屋鍋Kajiya Nabe醤油・寄せ鍋系だし汁に醤油とみりんで甘辛く味付けし、タコとナスを煮込む三木市の鍋。金物の町で働く鍛冶職人がほてった体を冷やすために食べたと伝わり、行商が運んできた明石沖のタコと夏野菜のナスを合わせている。
- 粕汁Kasujiru大根やニンジン、ゴボウなどを日本酒の酒粕でじっくり煮込んだ汁もの。灘の酒どころを抱える兵庫県では酒粕が身近だったとされ、正月明けの一月二十日に鮭や鰤の残り骨からだしをとって食べる風習が伝わる。
- かつめしKatsumeshi薄めに盛ったご飯に平たいビーフカツをのせ、デミグラスソースをかけてゆでキャベツを添えた加古川の洋食。箸で気軽に食べられるようにと戦後の食堂で考案されたと伝わり、店ごとにたれや具材の違いを楽しめる。
- 味噌だれ餃子Miso-dare Gyoza酢醤油ではなく味噌ベースのたれにつけて食べる神戸の焼き餃子。戦前の満州で味噌をつけて餃子を食べていた人々が引き揚げ後に神戸で店を開いたことから広まったとされ、市内のラーメン店にも味噌だれが常備されている。
- そばめしSobameshi神戸市長田区のお好み焼き店で生まれたとされる一皿。ソース焼きそばとご飯を細かく刻みながら一緒に炒め合わせる。工場で働く客が持ち込んだ冷や飯を焼きそばと温めてほしいと頼んだのが始まりと伝わる。
- 高野豆腐粉と野菜の煮物Koya-dofu-ko to Yasai no Nimono高野豆腐を作る過程で出る粉を、鶏肉やニンジン、ゴボウ、干しシイタケと一緒にだし汁で煮て仕上げる多可町の家庭料理。町内に一軒残る製造業者から手に入る「とふ粉」を使い、家庭の味として受け継がれている。
- にくてんNikuten兵庫県高砂市で「にくてん」と呼ばれるお好み焼きの一種。すじ肉やこんにゃく、じゃがいも、天かすを甘辛く味付けして生地にのせ、半分に折りたたんで食べる、おでんの残りにも似た一皿とされる。
- さばのじゃうSaba no Jauサバを三枚におろし、頭と骨でとっただしに身と白菜、春菊、焼き豆腐を入れてすき焼き風に煮る但馬地域の漁師めし。豊岡市竹野などサバの水揚げが多い港町で食べられてきたとされ、漁から戻った朝に食べることもあった。
- 山椒の佃煮Sansho no Tsukudani養父市朝倉の朝倉山椒や神戸市有馬の有馬山椒を、醤油とみりんで汁気がなくなるまで煮詰めた佃煮。とげのない木になる朝倉山椒は献上品にもされたと伝わり、炊きたてのご飯や冷や奴の薬味として食べられている。
- 丹波黒豆ごはんTanba Kuromame Gohan丹波篠山特産の丹波黒大豆を米と一緒に炊き込むと、豆の色素が溶け出してほんのり紫がかったご飯になる。かつては田植え前の祈願行事で神棚や田にも供えられていたという、粒の大きく甘みの強い黒豆を生かした一品。
- 黒豆煮Kuromame Ni丹波篠山特産の丹波黒大豆を、醤油と砂糖でしわが寄らないようじっくり甘く煮た正月料理。皮が破れにくく大粒で糖度が高いとされ、近年はポリフェノールが注目され通年食べる家庭も増えているという。
- とふめしTofumeshiゆでてつぶした豆腐に鯖の水煮缶やゴボウ、ニンジンを甘辛く炒め、炊きたてのご飯に混ぜ込む丹波篠山・大山地区の混ぜご飯。寄り合いの支度を簡単にしようと、長老の発案で生まれたと伝わる。
- とろろご飯Tororo Gohanすりおろした山の芋をだし汁でのばし、ご飯にかけて食べる丹波篠山の一品。消化を助けるとされ、正月料理で疲れた胃を休めるため一月二日に食べる習わしが伝わる。そばのつなぎやお好み焼きに使うこともある。
- 焼きアナゴYaki Anago開いたアナゴを串に刺し、醤油とみりん、砂糖のたれを塗りながら焼く播磨地区の一品。栄養豊富な播磨灘で育つマアナゴは身が柔らかく脂がのるとされ、そのまま食べるほか巻き寿司やちらし寿司の具にもなる。
- ゆで松葉ガニYude Matsuba-gani山陰で松葉ガニと呼ばれるズワイガニを、海水よりやや薄い塩水でまるごと茹でる但馬地域の冬の味覚。冷めても身にほんのりとした甘みが残るとされ、二杯酢につけて食べるほか雑炊やコロッケにも使われる。
この土地が育てる5
- 淡路ビーフAwaji Beef淡路島で育つ純血の但馬牛系統。1986年に生産者らが立ち上げた銘柄で、霜降りの量よりも赤身と脂の調和を重視して選ばれる、出荷頭数の少ない牛肉とされる。淡路牛と呼ばれる一般呼称とは区別される、希少な銘柄という。
- 神戸ビーフKobe Beef但馬牛のうち、霜降りなどの厳格な基準を満たした肉だけが名乗れる称号。
- 但馬ポークTajima Pork兵庫県北部の但馬地域で生産される豚肉で、繁殖から出荷までの記録管理などの基準を満たしたものとして、安全・安心を掲げる兵庫県認証食品に位置づけられているとされる。
- 但馬牛Tajima Ushi神戸ビーフをはじめ多くの銘柄の素となる系統。谷ごとに血統が守られてきた。
- 丹波地どりTanba Jidori京都・兵庫にまたがる丹波地域で飼育される地鶏で、フランス由来の種鶏をもとに改良されたとされる。地鶏JAS規格に沿い、通常のブロイラーの約1.5倍の期間をかけて育てられるという。
この土地が仕込む4
- 赤穂の塩Ako salt江戸時代に完成した入浜式塩田による、専業製塩の先駆けとされる塩。水尾と防潮堤で海水を制御し干満に左右されず作業できる画期的な仕組みで、300年にわたり日本の主要な製塩法であり続けたとされる。
- 灘の酒Nada no Sake兵庫県の灘五郷で仕込まれる酒。ミネラル分が多く鉄分が少ない中硬水「宮水」を使い、発酵が力強く進むことから、辛口で骨太な「灘の男酒」と呼び習わされてきたとされる。
- 丹波の酒Tanba no Sake兵庫県丹波篠山市周辺を発祥とする丹波杜氏の土地。灘の蔵元たちが育て上げた杜氏集団とされ、天保年間には灘の蔵の多くが丹波杜氏で占められるまでになったと伝わる、水ではなく人の技術で語られる酒どころ。
- 淡口醤油Usukuchi shoyu兵庫県たつの市(旧龍野)で寛文年間に考案されたと伝わる、色の淡い醤油。揖保川の軟水と播州平野の大豆・小麦、赤穂の塩に恵まれ、素材の色や出汁の風味を活かす関西の食文化とともに発達したとされる。
この土地が本場10
- マダイMadai白身祝いの席に欠かせない紅い魚で、淡白な白身は刺身・鯛めし・塩焼きと幅広く使われる。速い潮流にもまれて身が締まる天然物と、穏やかな湾で育てる養殖物とで、産地ごとに食感の評価が分かれる。明石海峡の速い潮流にもまれて身が締まる「明石鯛」は、天然物の高級ブランドとして知られる。
- 山田錦Yamada Nishiki名産地「酒米の王様」と呼ばれる最高峰の酒米とされる。粒の中心にある心白が大きく、高精米にも耐えるため吟醸酒や大吟醸によく使われる酒米の代表格という。1936年に兵庫県で品種登録されたとされ、今も酒米生産量で最大を占めるという。兵庫県が最大の産地とされ、特に特A地区の吉川町周辺が知られる。
- ハモHamoほかの系統小骨が多く骨切りの技術を要する魚で、梅雨の水を飲んで美味くなるとされる。京都の祇園祭に欠かせない夏の味とされ、京へ運びやすい近海の産地ほど需要が集まり、骨切りの技が磨かれてきた。明石海峡と紀伊水道に挟まれ、京都・大阪への漁獲量供給地として「ハモの本場」の一つに数えられる。
- ハタハタHatahata白身名産地雷が鳴る初冬に沿岸へ押し寄せる魚で、秋田の県魚。しょっつる鍋やから揚げ、飯寿司で食べられ、産卵のため接岸する回遊の習性が「鰰」の字の由来ともなり、県を代表する冬の味覚として根付いている。
- マナガツオManagatsuo白身名産地菱形に近い平たい体を持つ白身魚で、関西では祝い魚として西京焼きや正月料理に使われる。骨が少なく脂も上品なため扱いやすく、瀬戸内海に面した産地では古くから縁起物の魚として重宝されてきた。
- ヤリイカYari Ikaイカ・タコ名産地細長い胴と槍先のような姿からこの名がついたイカ。スルメイカより身が薄く柔らかで、上品な甘みととろけるような食感が刺身で好まれる。冬から春にかけてが旬とされ、火を通しても硬くなりにくい。潮流の速い明石海峡周辺も漁場の一つとされる。
- マダコMadakoイカ・タコ国内で最も一般的に食べられるタコ。速い潮流にもまれて育つほど脚が太くしまるとされ、茹でると弾力のある歯ごたえと凝縮した旨みが際立つ。酢だこや煮ダコ、たこ焼きの具材まで幅広く使われる。明石海峡は潮流が速く餌となるカニやエビが豊富で、流されまいと踏ん張る分、足が太く短く締まったタコに育つとされる。
- おでんOdenおでん大根やこんにゃく、練り物、卵などをだしでじっくり煮込む鍋料理。同じ「おでん」でも、だしの色や具、食べ方は土地ごとに大きく違うとされる。売られてきた場所の違いも背景にあるという。「姫路おでん」は生姜醤油をつけて、またはかけて食べるのが特徴で、昭和初期に浜手地域で甘辛い関東炊きの味を生姜醤油で調整したのが始まりではないかと伝わる。2006年に地域の団体が正式に「姫路おでん」と名付けたという。
- 日本酒Nihonshu米・米麹・水を主な原料として醸す、日本の伝統的な醸造酒。精米歩合や酒母の造り方、火入れの有無といった技法によって多様な型に分かれ、水質や気候の違いが土地ごとの酒質を分けてきたとされる。ミネラル分が多く鉄分が少ない中硬水「宮水」が酵母の働きを助けて発酵を早め、力強く辛口の「灘の生一本」と呼ばれる酒質を生むとされる。
- 岩のりIwanori名産地岩場に自生する天然の海苔で、養殖海苔より肉厚で磯の香りが強いとされる。十六島海苔や城崎海苔など地域ごとに呼び名の異なる型が伝わっている、希少価値の高い海藻という。城崎海苔は城崎温泉の土産物として江戸時代から知られてきたとされる岩のりの産地という。