土地
三重県
35件
●生まれた料理 27件(あらめ巻き、盆汁、茶粥 ほか)・●育てる食材 5件(伊賀牛、伊勢赤どり、伊勢うまし豚 ほか)・●仕込む 3件(あほだき、伊勢茶、魚の漬物(塩辛))・○本場 3件
この土地で生まれた27
- あらめ巻きArame Maki水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁Bon Jiruごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- 茶粥Chagayuほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- ちゃつChatsu大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- ふき俵Fuki Dawara大豆を炊き込んだご飯をふきの葉で米俵のかたちに包んだ伊賀地域の行事食。田植えの際、田の神に豊作を祈って供えるほか、農作業の合間の携帯食としても食べられてきたと伝わる。
- ガラガラおろしGaragara Oroshi竹製の鬼おろし器で粗くおろした大根に、油揚げやちくわ、煮干し、赤白の味噌、酢を合わせる料理。江戸時代には年貢の代わりに納めた地域もあったとされ、冠婚葬祭や正月の箸休めとして伝わる。
- いばら餅Ibara Mochi上新粉の生地であんを包み、丸くつるりとしたサルトリイバラの葉で包んで蒸した5月の節句菓子。津市では「いばら餅」、地域によって「がんだち餅」「どっかん餅」などと呼び名が変わると伝わる。
- 伊勢うどんIse Udon伊勢神宮の参拝客をもてなす茶店で提供されてきたうどん。極太で柔らかい麺に、たまり醤油ベースの黒く濃いたれをからめて食べる。
- いわしずしIwashi Zushi塩をしたイワシを木枠に詰めた酢飯にのせて押し固める寿司。イワシ漁が盛んな三重の秋祭りに欠かせない一品とされ、山側の伊賀・名張ではイワシがごちそうとして特に喜ばれてきたと伝わる。
- かきまぜKakimaze酢に漬けたマグロやサンマの身を、細かく刻んで煮た具材とともに酢飯に混ぜ込む東紀州南部の五目ずし。冠婚葬祭や人寄せの席でつくられ、具材は5種または7種の奇数で取り合わせると伝わる。
- 亀山ラーメンKameyama Ramen味噌三重県亀山市のご当地ラーメンで、牛骨だしに赤味噌・豆味噌・麦味噌の三種をブレンドする。県産小麦のニシノカオリを使った太麺と、地元産きのこ三種が添えられるとされる。
- こけらずしKokera-zushiしめサバや干し椎茸など奇数種の具を、木の香りの移る押し型で三、四段に層状に重ねる三重県東紀州の押し寿司。こけら葺きの屋根のように具をずらして盛ることが名の由来とされる。
- こうなごのくぎ煮Kounago no Kugini伊勢湾でとれる稚魚コウナゴ(イカナゴ)をザラメと醤油、清酒で煮詰めた佃煮。煮ると細長い身が折れ曲がり、錆びた釘のように見えることが名の由来とされ、春を告げる伊勢湾岸の味と伝わる。
- きゅうりの冷や汁Kyuri no Hiyajiruすりごまと味噌をすり合わせ、輪切りのきゅうりを加えて冷たいだし汁でのばした夏の汁物。盆地特有の蒸し暑さで食欲が落ちる伊賀地域で、夏バテを乗り切る知恵として食べられてきたと伝わる。
- まんぼう酢味噌あえManbo Sumiso Ae手で裂いたマンボウの身をさっとゆでて、酢味噌で和える東紀州の料理。長時間煮ると身が縮んでしまうため短時間でゆでるのがこつとされ、鶏のささみに似た歯ごたえが持ち味と伝わる。
- あいまぜAimaze干ししいたけやれんこん、ごぼう、凍りこんにゃくなどをそれぞれ別々に煮て味付けし、合わせ酢で和える料理。法事用の煮しめの残りを刻んで活用したのが始まりとされ、地域で呼び名が変わると伝わる。
- 豆腐でんがくTofu Dengaku水切りした豆腐に串を打って焼き、田楽味噌を塗って炙る伊賀地域の料理。魚介の乏しい盆地で貴重なたんぱく源だった豆腐を使い、大晦日や正月、山の口講のもてなしに供されてきたと伝わる。
- 雑煮Zoni正月に食べる餅入りの汁物で、三重は東西文化の境目にあたることから角餅と丸餅、すまし汁と味噌汁が地域ごとに入り混じって伝わる。県立博物館の調査では県内で9つの分布ブロックに分かれるとされる。
- ないしょ餅Naisho Mochi蒸したもち米とうるち米を鍋の中で半づきにし、よもぎとあんを混ぜて仕上げる大台町の餅菓子。臼と杵を使う音が近所に響くのを避け、内緒でつくったことが名の由来とされ、「なべ餅」とも呼ばれる。
- のっぺいNoppei里芋を必ず具に使い、人参や大根、こんにゃくなど根菜を油で炒めずに煮込む冬の料理。海に面さない伊賀地域では魚料理に恵まれなかったため、竹輪やかまぼこなど加工品も貴重なごちそうだったと伝わる。
- 落花生の煮豆Rakkasei no Nimame日照時間が長く落花生の栽培に適した東紀州南部や中南勢地域で、殻をむいた落花生をだし汁と砂糖、醤油で柔らかく煮た料理。正月の黒豆の代わりに「まめに暮らせるように」との願いを込めてつくられると伝わる。
- 魚のじふSakana no Jifuサンマやサバなど背の青い旬の魚と季節の野菜、豆腐、糸こんにゃくを醤油だれで煮る東紀州の鍋料理。「魚のすき焼き」とも呼ばれ、大勢が集まっても分かち合える漁師町の定番として親しまれてきたという。
- 魚のたたきSakana no Tataki小アジやイサギなどの小型魚を骨や皮ごと包丁でたたき、薬味の大葉とともに仕上げる熊野灘沿岸の料理。とれたての魚をより美味しく食べる工夫から生まれたとされ、志摩地域の一部では「なめろう」とも呼ばれると伝わる。
- さめなますSame Namasuそぎ切りにしたサメの身をさっと湯通しし、志摩地域独特の発酵の効いた塩辛いみそだれで和える料理。サメは「鮫」の字に交わるを含むためおめでたい席にふさわしいとされ、婚礼などの祝いの一品に供されてきたと伝わる。
- さんまずしSanma-zushi三重県熊野市に伝わる、サンマを背開きにして柑橘酢でしめる棒状の押し寿司。産田神社の子どもの成長を願う神事に由来するとされ、紀伊半島の海沿いの家々で広く作られてきた。
- たこ飯Tako Meshi生ダコを調味液とともに米に炊き込む鳥羽市答志島畔蛸の料理。伊勢湾口の速い潮流で身が締まったタコは「潮騒タコ」とも呼ばれ、伊勢神宮の神饌にも用いられるなど古くから身近な食材だったと伝わる。
- てこねずしTekone-zushi醤油だれに漬けたカツオの刺身を酢飯に混ぜ込む、三重県志摩・熊野灘の漁師料理。船上で獲れた魚をその場でさばいて手で混ぜたことが名の由来とされる、型に押さない素朴なちらしずし。
この土地が育てる5
- 伊賀牛Iga Gyu三重県伊賀地域で12か月以上肥育される未経産の黒毛和種雌牛。盆地特有の寒暖差が大きい気候が肥育に向くとされ、干し肉が戦国期の兵糧になったとも伝わる土地柄。「肉の横綱」とも称される鮮やかな肉色が特徴という。
- 伊勢赤どりIse Akadoriフランス産の赤鶏「レッドブロー」を導入して開発されたとされる銘柄鶏で、開放鶏舎で運動させながら通常より長い70〜75日ほど飼育するという。地域団体商標にも登録されている。
- 伊勢うまし豚Ise Umashi Buta三重県内の生産者が2002年に一つにまとめた「みえ豚」の飼料をさらに改良し、2016年に生まれた統一ブランド。特産の柑橘「新姫」の果皮や亜麻仁油を加えた飼料で育てられているとされる。
- 熊野地鶏Kumano Jidori三重県原産のシャモ「八木戸」と銘柄鶏「伊勢赤どり」に名古屋コーチンを掛け合わせて作られたとされ、現在も熊野市周辺でのみ飼養されるという。平均115日ほど、低密度で育てられる。
- 松阪牛Matsusaka Ushi未経産の雌牛だけを長期肥育する。霜降りの代名詞として「肉の芸術品」と呼ばれる。
この土地が仕込む3
- あほだきAhodaki味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- 伊勢茶Ise-cha産地茶の栽培面積・生産量ともに全国有数とされる三重県の茶どころ。なかでも北勢地域を中心に作られるかぶせ茶の生産が盛んで、うまみと甘みの豊かな味わいが特徴という。
- 魚の漬物(塩辛)Sakana no Shiokaraイワシやサンマ、サバ、カツオなどを一匹丸ごと塩で漬け込み、秋から冬に仕込んで春に食べる保存食。冷蔵庫のない時代、熊野灘の好漁場で大量にとれた魚を余さず活かす知恵として伝わってきたという。
この土地が本場6
- 伊勢海老Ise Ebiエビ・カニ名産地太く長い触角と赤い殻を持つ大型のエビ。身は締まって甘みが強く、刺身では歯切れのよい食感が際立つ。姿の華やかさから正月や婚礼など祝い膳の主役になることが多く、鬼殻焼きや味噌汁にも使われる。リアス式海岸に囲まれた海域が主な漁場とされる。
- サザエSazae貝名産地殻にトゲ状の突起を持つ巻貝。殻の入り口を蓋でぴたりと閉じて身を守る。壺焼きにすると殻の中で身が蒸し焼きになり、磯の香りとコリコリした強い歯ごたえが際立つ。刺身でも食べられ、春から夏が旬とされる。海女漁の盛んな志摩の岩礁域が主な漁場の一つとされる。
- ハマグリHamaguri貝対になる殻としか合わないことから夫婦和合の象徴とされ、婚礼料理の吸い物に使われる二枚貝。焼きハマグリにすると殻が開いた瞬間に濃厚な出汁が溢れ、ふっくらとした身と強い旨みが楽しめる。春が旬とされる。木曽三川が注ぎ込む伊勢湾の汽水域で育ち、殻が薄く身がふっくらするとされ、江戸期から「その手は桑名の焼き蛤」の洒落で知られてきた。
- ヒジキHijiki名産地岩場に生える褐藻類で、採取直後は褐色だが乾燥・加工すると黒く小さな粒や枝状になる。煮物にすると独特の磯の香りとミネラル分を感じるコリッとした食感が楽しめ、大豆や人参と炊き合わせるのが定番とされる。伊勢志摩の岩礁域は古くからヒジキ漁が行われてきた海域とされる。
- すき焼きSukiyaki割下・すき焼き系薄切りの牛肉を鉄鍋で焼き、割り下や砂糖醤油で煮ながら溶き卵につけて食べる鍋料理。関東は割り下で煮る、関西は肉を先に焼いて味付けするなど、作り方の型が東西で分かれるとされる。松阪牛は未経産の雌牛だけを長期肥育した銘柄牛で、松阪市観光協会は明治期創業の老舗牛肉店を複数紹介している。脂の質を活かす調理として、すき焼きを看板料理とする店が多いとされる。
- たくあんTakuan干した大根を米ぬかと塩で漬け込む、糠漬けの代表格とされる漬物。江戸初期の僧沢庵宗彭が考案または好んで食べたとの説が広く知られ、土地ごとの大根の性質に合わせた型が各地に残っている。日照量の多い中南勢地域で育つ御薗大根を漬け込むことから「伊勢たくあん」の名で呼ばれている