茶・飲料 ── 日本茶
宇治田原
Ujitawara
1738年、永谷宗円が青製煎茶製法を考案したと伝わる、宇治茶の産地内にある茶どころ。蒸して揉んで乾かすという現在の緑茶づくりの基礎を築いた地として「日本緑茶発祥の地」ともいわれる。
- 発祥: 京都府綴喜郡宇治田原町
- 産地
- 東京から西へ約370km
京都府綴喜郡宇治田原町
系譜
何でできているか
京都府南部、宇治田原町湯屋谷で、1738年に永谷宗円という茶農家が新しい製茶法を考案したと伝わる。それまでの茶と違い、新芽を蒸してから焙炉の上で手で揉み、乾燥させるという工程を経ることで、鮮やかな緑色と、まろやかな味わいの茶ができるようになったという。この製法は青製煎茶製法と呼ばれるとされる。永谷宗円生家は今も湯屋谷の山あいに残り、当時使われた焙炉の跡から、手揉みの工程を伝える場として語られてきたとされる。
どう作るのか
蒸す・揉む・乾かすという3つの工程を組み合わせたこの製法は、当時としては画期的だったと伝わる。永谷宗円はこの技術を江戸の茶商へ伝え、全国へと広まっていったとされる。今日の煎茶づくりの基本工程は、この宇治田原で生まれた製法をもとにしているといわれる。焙炉の上で茶葉を揉む作業はおよそ半日がかりとされ、力加減と温度の調整を同時に行う繊細な手仕事だったと伝わる。
なぜこの形になったのか
宇治という高級茶の産地の中にありながら、より手軽に量産できる緑茶を作る必要があったことが、新しい製法を生む土壌になったと伝わる。永谷宗円の生家は今も残り、日本緑茶発祥の地として語られているという。宇治田原は山に囲まれた谷あいの集落で、平地が乏しいぶん、量産に向く簡便な製法を編み出す必要があったとも語られる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ京都府
- ちりめん山椒ちりめんじゃこと実山椒を酒・醤油・みりんで甘辛く煮た京都の惣菜で、昭和半ばに宮川町の料理人が手土産として作り始めたと伝わる。山椒のぴりっとした香りが余韻に残る。
- えびいもと棒だらの炊いたんエビのような縞模様が特徴の京野菜「えびいも」と、北海道産のマダラを干した「棒だら」を炊き合わせる。棒だらのゼラチン質がえびいもの煮崩れを防ぎ、えびいものアクが棒だらを柔らかくする「であいもん」。
- 伏見の酒京都・伏見の酒。桃山丘陵から湧く地下水に恵まれた地で、灘の硬水に対して柔らかな水質から仕込まれるとされ、丸みのある口当たりと膨らみのある甘みを持つ、地理的表示「GI京都」の酒質と重なるという。
- がんもどき豆腐に野菜を混ぜて丸め揚げた一品。京都では「ひろうす」「飛龍頭」とも呼ばれ、肉を使わない精進料理の発想から、野菜を混ぜ込んで揚げる形に結びついたとみられる、京豆腐文化を代表する一皿である。
- はもの焼き物小骨の多いハモに熟練の「骨切り」を施し、醤油だれの照り焼きや塩焼きにする京料理。生きたまま京都まで運べる生命力の強さから内陸の京都に根づいたとされ、「はも祭り」とも呼ばれる祇園祭の行事食でもある。
- 賀茂なすの田楽直径10cmを超え「なすの女王」とも呼ばれる京野菜「賀茂なす」を輪切りにして油でじっくり焼き、酒・みりん・砂糖で煮詰めた田楽味噌をのせる。上賀茂の扇状地で古くから育てられてきたと伝わる。