惣菜
たけのこの木の芽和え
Takenoko no Kinome-ae
京都式軟化栽培でえぐみを抑えたたけのこを、山椒の若葉「木の芽」をすり込んだ白味噌だれで和える。春の訪れを告げる一品として、木の芽和えといえばたけのこが浮かぶほど親しまれているという。
- 発祥: 京都府
- 東京から西へ約370km
系譜
たけのこの木の芽和え賀茂なすの田楽
何でできているか
たけのこと山椒の若葉である木の芽を白味噌で和えた、春を告げる一皿とされる。西山地域の水はけのよい酸性土壌で育つ京たけのこは、えぐみが少なく白くやわらかいことで知られる。すりおろした木の芽の香りと白味噌の甘み、卵黄のコクが層になり、口に含むと春らしい若々しい香りが鼻に抜けるとされる。木の芽和えといえばたけのこを思い浮かべるほど、京都では広く知られた組み合わせだという。
どう作るのか
木の芽とゆでたほうれん草をすり鉢でよくすり、白味噌、砂糖、卵黄を加えてなめらかな衣に仕上げる。あく抜きしてやわらかくゆでたたけのこに、この衣をたっぷりからめて和える。卵黄を加えることで味噌に艶とコクが生まれるとされ、酢味噌に替えて和えることもあるという。日持ちがしない衣であるため、余った分は冷蔵庫でしっかり保存し早めに食べきるとよいとされている。
なぜこの形になったのか
京都式軟化栽培という独特の手法で育てられる京たけのこは、芯止めや敷きわら、土入れといった丁寧な作業の積み重ねによって白くやわらかく仕上がるとされる。同じ春に旬を迎える木の芽と組み合わせることで、季節の恵みを一皿に凝縮した料理になったと考えられる。とれたてのたけのこが手に入れば刺身にすることもあるほど、京都ではたけのこを多様な形で味わう風習が受け継がれているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ京都府
- ちりめん山椒ちりめんじゃこと実山椒を酒・醤油・みりんで甘辛く煮た京都の惣菜で、昭和半ばに宮川町の料理人が手土産として作り始めたと伝わる。山椒のぴりっとした香りが余韻に残る。
- えびいもと棒だらの炊いたんエビのような縞模様が特徴の京野菜「えびいも」と、北海道産のマダラを干した「棒だら」を炊き合わせる。棒だらのゼラチン質がえびいもの煮崩れを防ぎ、えびいものアクが棒だらを柔らかくする「であいもん」。
- 伏見の酒京都・伏見の酒。桃山丘陵から湧く地下水に恵まれた地で、灘の硬水に対して柔らかな水質から仕込まれるとされ、丸みのある口当たりと膨らみのある甘みを持つ、地理的表示「GI京都」の酒質と重なるという。
- がんもどき豆腐に野菜を混ぜて丸め揚げた一品。京都では「ひろうす」「飛龍頭」とも呼ばれ、肉を使わない精進料理の発想から、野菜を混ぜ込んで揚げる形に結びついたとみられる、京豆腐文化を代表する一皿である。
- はもの焼き物小骨の多いハモに熟練の「骨切り」を施し、醤油だれの照り焼きや塩焼きにする京料理。生きたまま京都まで運べる生命力の強さから内陸の京都に根づいたとされ、「はも祭り」とも呼ばれる祇園祭の行事食でもある。