生食
古老柿なます
Korogaki Namasu
宇治田原町特産の干し柿「古老柿」を細かく割いて、塩もみした大根と人参を酢で和える正月料理。棚に並べて干す独特の製法から名がついたとされ、素朴な甘みが縁起物として神棚にも供えられるという。
- 発祥: 京都府宇治田原町
- 東京から西へ約370km
京都府宇治田原町
系譜
古老柿なます黒豆煮
何でできているか
宇治田原町特産の干し柿である古老柿を、大根や人参と和えたなますとされる。柿の素朴な甘みと酢のさっぱりとした酸味が調和し、干し柿ならではのねっとりとした食感が持ち味とされる。正月のおせち料理に彩りを添える一品として、冬の味覚のひとつに数えられているという。古老柿は茶菓子の元祖ともいわれ、その自然な甘みが和菓子の甘みの基準になっているとされる。
どう作るのか
千切りにした大根と人参を塩でもんでおき、種を取り除いて細かく割いた古老柿と混ぜ合わせる。水気を切った大根、人参に古老柿を加え、酢、みりん、砂糖を入れて味をなじませてから食べる。種を取り除いた古老柿にバターを挟み、あたたかい宇治茶とともに食べる楽しみ方もあると伝わっている。古老柿は11月中旬ごろから寒風にさらして乾燥させることから、冬の味覚として親しまれているとされる。
なぜこの形になったのか
古老柿は柿屋と呼ばれる何層もの棚がある干し場に並べて乾燥させたのち、むしろの上で転がしながら仕上げる独特の製法でつくられるとされ、これが名の由来という説もある。観音の化身となった娘が製法を伝えたという言い伝えから縁起物として扱われ、神棚に供える風習が残るという。この縁起のよさから、正月のおせち料理に取り入れられるようになったと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ京都府
- ちりめん山椒ちりめんじゃこと実山椒を酒・醤油・みりんで甘辛く煮た京都の惣菜で、昭和半ばに宮川町の料理人が手土産として作り始めたと伝わる。山椒のぴりっとした香りが余韻に残る。
- えびいもと棒だらの炊いたんエビのような縞模様が特徴の京野菜「えびいも」と、北海道産のマダラを干した「棒だら」を炊き合わせる。棒だらのゼラチン質がえびいもの煮崩れを防ぎ、えびいものアクが棒だらを柔らかくする「であいもん」。
- 伏見の酒京都・伏見の酒。桃山丘陵から湧く地下水に恵まれた地で、灘の硬水に対して柔らかな水質から仕込まれるとされ、丸みのある口当たりと膨らみのある甘みを持つ、地理的表示「GI京都」の酒質と重なるという。
- がんもどき豆腐に野菜を混ぜて丸め揚げた一品。京都では「ひろうす」「飛龍頭」とも呼ばれ、肉を使わない精進料理の発想から、野菜を混ぜ込んで揚げる形に結びついたとみられる、京豆腐文化を代表する一皿である。
- はもの焼き物小骨の多いハモに熟練の「骨切り」を施し、醤油だれの照り焼きや塩焼きにする京料理。生きたまま京都まで運べる生命力の強さから内陸の京都に根づいたとされ、「はも祭り」とも呼ばれる祇園祭の行事食でもある。
- 賀茂なすの田楽直径10cmを超え「なすの女王」とも呼ばれる京野菜「賀茂なす」を輪切りにして油でじっくり焼き、酒・みりん・砂糖で煮詰めた田楽味噌をのせる。上賀茂の扇状地で古くから育てられてきたと伝わる。