茶・飲料 ── 日本茶
煎茶
Sencha
茶畑を覆わずに育てた新芽を蒸し、揉んで乾かす、日本茶の最も基本的な製法で作られる緑茶。全国の生産量の大半を占めるとされ、爽やかな香りとほどよい渋みのバランスが特徴という。
- 緑茶
系譜
何でできているか
チャノキの新芽を、覆いをかけずに日光を浴びたまま育てて摘む。蒸して発酵を止め、揉みながら乾かすという工程は日本茶の基本形とされ、渋みのもとになるカテキンと、旨みのもとになるアミノ酸のバランスが、被覆栽培の玉露などと違う爽やかな味わいを生むという。全国の茶生産量の大半を占めるとされ、日本茶といえばまず煎茶を指すことが多いという。淹れた際の水色は明るい黄緑色になりやすいとされ、鼻に抜ける青々しい香りと、飲み込んだ後にすっと消える渋みの軽さが持ち味とされる。
どう作るのか
摘んだ生葉をまず蒸気で蒸して発酵(酸化)を止め、その後何度も揉みながら熱で乾かして針のような形に整える。蒸す時間の長さで味が変わるとされ、通常より長く蒸す深蒸し煎茶という派生も生まれたという。仕上げ加工では大きさや部位でふるい分けられ、茎や粉、芽先はそれぞれ別のお茶として扱われるという。蒸し時間はおよそ30〜40秒が目安とされ、この長さより短いと浅蒸し、長いと深蒸しに近づくといわれる。
なぜこの形になったのか
覆いをかけずに育てる無被覆栽培は、玉露や碾茶のような手間のかかる被覆栽培に比べて扱いやすく、江戸期以降各地に広まったと伝わる。宇治田原で考案されたとされる青製煎茶製法が今日の緑茶づくりの基礎になったと伝わり、量産に向くこの製法が、日常に飲む茶としての煎茶の地位を築いたとされる。淹れる際は70〜80度程度の湯を目安に短時間で注ぐと渋みと旨みのバランスが取りやすいとされ、この扱いやすさも日常茶としての広がりを後押ししたという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
本場
- 京都府 宇治市 本場
覆下栽培という独自の被覆技術を育てた地で、宇治茶として煎茶・玉露・抹茶いずれの産地としても知られてきたとされる。
- 静岡県 本場
牧之原台地の大茶園から川根の山間の霧深い茶園まで産地が幅広く、全国有数の生産量を持つ茶所とされる。
- 福岡県 八女市 本場
稲わらを使う伝統的な被覆栽培を続け、全国茶品評会で長年上位の評価を得てきた高級茶の産地として知られるという。
対比
- 羊羹餡を寒天で固め、切り分けて食べる菓子。中国から茶とともに伝わった羊肉入りの汁物「羹」が起源とされ、肉食を避ける精進料理として餡を用いる形に変わり、寒天の発見によって練り羊羹として完成したと伝わる。
- 番茶一番茶を摘んだあとの遅い時期の葉や、大きく育った硬めの葉を使って作る、日常的に飲まれてきた緑茶。若い葉を使う煎茶に比べて渋みや苦みが少なく、価格も手頃な茶として親しまれてきたとされる。
- 麦茶大麦を焙煎して煮出す、チャノキの葉を使わない飲み物。江戸時代には焙煎した挽き割り大麦を煮出す「麦湯」として庶民に親しまれ、昭和以降は冷やして飲む夏の定番として広まったとされる。
- かぶせ茶摘み取り前の約1週間、茶畑にわらや寒冷紗を直接かぶせて遮光する、玉露と煎茶の中間にあたる茶。玉露ほど長く覆わないため、玉露の旨みと煎茶の爽やかな渋みを併せ持つ味わいになるとされる。
- 玉緑茶(グリ茶)仕上げの工程で茶葉をまっすぐ伸ばす作業を省き、勾玉のように丸まった形に仕上げる緑茶。「グリ茶」とも呼ばれ、蒸気で蒸す蒸し製と、鉄釜で炒る釜炒り製の2種類があるとされる。
- 静岡茶牧之原台地の広大な平坦地から、川根や本山のような山あいの茶園まで、性格の異なる産地が県内に混在する茶どころ。全国有数の生産量を持つ産地として知られてきたとされる。