土地
奈良県
36件
●生まれた料理 32件(あまごの甘露煮、飛鳥鍋、鮎寿司 ほか)・●育てる食材 2件(大和牛、大和肉鶏)・●仕込む 2件(奈良和え、奈良漬け)
この土地で生まれた32
- あまごの甘露煮Amago no Kanroni渓流の女王とも呼ばれるアマゴを素焼きにし、ほうじ茶で煮てから醤油とみりんで甘辛く煮含める吉野郡・宇陀郡の料理。クセのない川魚とされ、古くから家庭で作られてきたおふくろの味という。
- 飛鳥鍋Asuka Nabe水炊き・ちり系鶏肉と季節の野菜を牛乳とだし汁で煮込む明日香村の鍋。飛鳥時代に唐からもたらされた乳製品が宮中に伝わり、後に飼っていた鶏の肉を牛乳で煮た精進料理が起源とされ、昭和初期に今の形になったという。
- 鮎寿司Ayu Zushi吉野川流域で作られる、アユを姿のまま酢飯にのせて押した寿司。川の石の藻を食べて育つアユは「香魚」と呼ばれ、歌舞伎の演目に登場する鮨屋が奈良に実在したことから知られるようになったとされる。
- でんがらDengara餡を包んだ餅を朴の葉でくるんで蒸す東吉野村・川上村の菓子。男の子の立身出世や無事な成長を願う端午の節句に作られ、一本の枝から出た葉ひとつひとつに餅を包むため、房のような形になるという。
- エイの煮こごりEi no Nikogori赤エイを醤油と砂糖で甘辛く煮つけた奈良の料理。ゼラチン質が煮汁に溶け出し、冷めるとゼリー状に固まることから「煮こごり」と呼ばれる。春日大社若宮のおん祭では、のっぺいと共に食べられてきたとされる。
- 半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅Hangesho Mochi夏至から十一日目の「半夏生」の頃、つぶし小麦ともち米をついて作る奈良盆地の餅。小麦の収穫と田植えが一段落する節目に作られ、田の神を送る早苗饗の行事に合わせて食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。
- いもぼたImobotaうるち米に里芋を炊き込んでつぶし、小豆あんで包んだ奈良のぼた餅。もち米が貴重だった頃、里芋の粘りでもち米のような食感を出したとされ、収穫を終えた十一月の亥の日に仏壇へ供える地域が多い。
- 色ご飯Iro Gohanニンジンやゴボウ、薄揚げなどをだし汁と醤油で炊き込んだ、奈良で「色ご飯」と呼ばれる混ぜご飯。米が貴重だった頃、具を混ぜてかさを増やしたことが始まりとされ、村の行事や日々の食卓に登場してきた。
- いたどりの煮ものItadori no Nimonoアクと酸味の強い山菜、いたどりの皮をむいて水にさらしてから炒め煮にする吉野山間部の料理。「痛取り」の名は傷にすりこむと痛みが和らぐという言い伝えに由来するとされ、塩漬けにして長く保存もできる。
- かき氷Kakigori削った氷にシロップをかけて食べる奈良の夏の菓子。奈良市の氷室神社では約七十年にわたり氷を宮中へ献上したと伝わり、清少納言も削り氷に甘葛をかけて食べたと枕草子に記しているとされる。
- 柿の葉寿司Kakinoha-zushi塩でしめたサバの薄切りを酢飯にのせ、渋柿の葉できっちり包んで一晩なじませる奈良吉野の押し寿司。柿の葉のタンニンと香りが防腐と風味づけを兼ねるとされ、祭礼のもてなしに欠かせない。
- かしわのすき焼きKashiwa no Sukiyaki割下・すき焼き系関西で食用鶏を指す「かしわ」の名がついた奈良のすき焼き。牛が天神さんの守護神とされることから、天満宮の秋祭りでは牛の代わりに鶏のすき焼きが食べられてきたとされ、割り下で白菜や焼き豆腐と煮る。
- まなめはりMana Mehari下北山村だけで栽培される大和の伝統野菜、下北春まなの塩漬けでご飯を包んだおにぎり。高菜を使う十津川地域のめはりずしと作り方は同じだが、辛みが少なくやや小ぶりとされ、山仕事の弁当として親しまれてきた。
- 三輪素麺Miwa Somen大神神社の社伝によれば、宮司の子が三輪の地と三輪山の清流が小麦栽培に適することを見出し、小麦粉から素麺を作らせたのが始まりとされる。江戸時代、伊勢参りの旅人によって播州・小豆島・島原へと製法が広まったと伝わる。
- 生節とねぎの煮ものNamabushi to Negi no Nimonoカツオ節の製造途中で燻し上げた生節を、結崎ネブカなど地元のねぎと一緒に濃いめの醤油だしで煮る奈良の料理。海に面さない奈良では日持ちする生節が重宝され、ねぎとの組み合わせがよく食べられてきたとされる。
- 七色お和えNanairo Oaeなす、かぼちゃ、ごぼう、ずいきなど旬の七種の野菜を、すりごまと味噌、砂糖の和え衣で和える真言宗のお盆の供え料理。食糧が乏しかった時代、七種もの野菜をそろえるのは贅沢なことだったという。
- 柿なますNara Kaki Namasu大根とニンジンの紅白なますに干し柿を加えた奈良の正月料理。砂糖が高価だった時代、干し柿の甘みで酸味をやわらげたとされ、白と赤の色は水引を意味し平安を願う縁起物として受け継がれている。
- 奈良のっぺいNara Noppei里芋や大根、ニンジンを昆布と干しシイタケのだしで煮込み、里芋の煮くずれで自然にとろみをつけた奈良の精進煮もの。春日大社のおん祭に先立つ大宿所祭で、大和士や参拝者にふるまわれてきたとされる。
- にゅうめんNyumen三輪素麺の産地、桜井市三輪に伝わる温かい素麺料理。大神神社での祈願に由来すると伝わる素麺づくりの技を受け継ぎ、夏は冷やし素麺、冬はにゅうめんとして一年を通して食べられている。
- しきしきShikishiki小麦粉を水と砂糖で溶いて薄く焼く、戦前からある奈良のおやつ。えんどう豆のあんを挟んで折りたたむのが定番で、小麦栽培が盛んだった奈良では三輪素麺や半夏生餅と並ぶ小麦文化の一つとされている。
- 蛸もみうりTako Momiuri小口切りのきゅうりを塩でもみ、ゆでたこと酢で和える奈良の料理。田植えを終えて田の神に感謝する早苗饗に、大地にしっかり吸い付くタコにあやかり苗がよくつくよう願って作られてきたとされる。
- 竜田揚げTatsuta-age醤油で下味をつけた鶏肉に片栗粉をまとわせて揚げた一品。揚げ色と片栗粉の白いむらが、紅葉の名所として知られる奈良の竜田川に見立てられて名づけられたとされる、から揚げとは違う軽い食感の揚げ物である。
- 天理ラーメンTenri Ramen醤油白菜をたっぷり炒め、にんにくとピリ辛を効かせた醤油スープ。
- さんま寿司Totsukawa Sanma Zushi十津川村に伝わるサンマの寿司で、北部は塩と飯を漬け込んで長期発酵させるなれずし、南部は合わせ酢で締めて酢飯にのせる押し寿司と、村内でも作り方が分かれる。熊野灘を南下する脂の少ないサンマを使うという。
- 蕨餅Warabi Mochi蕨粉に水と砂糖を加えて練り、冷やし固めた奈良の和菓子。若草山焼きのあと山肌に群生したワラビが蕨粉の産地となったと伝わり、江戸期の紀行文にも山焼き後の茶屋で扱われていたことが記されているという。
- 茶粥Chagayu煮出したほうじ茶に冷やご飯を入れてさらりと炊いた奈良の日常食。東大寺のお水取りの献立にも茶粥の原型が記されているとされ、「大和の朝は茶粥で明ける」と言われるほど朝食に根付いている。
- 奈良茶飯Yamato Chameshi米と炒った大豆をほうじ茶で炊き込んだ奈良発祥の飯。東大寺の僧坊で食べられていたものが旅人によって江戸に伝わり、浅草の店で評判になったとされるが、当の奈良では明治以降に改めて広まったという。
- ふき俵Fuki Dawara炒った大豆とご飯を塩味で炊き、ふきの葉で包んだ大和高原地域のおにぎり。田植えの始まりを祝う「さびらき」に、苗とともに畦に供えてから食べるとされ、俵の形に似せて作ることからこの名がついた。
- 大和の雑煮Yamato Zoni丸餅と祝だいこん、里芋、豆腐を白味噌仕立てのだしで煮た奈良の雑煮。餅を取り出して砂糖入りのきな粉につけて食べる家庭が多く、豆腐は白壁の蔵、里芋は子孫繁栄を願う具材とされている。
- 大和まなと薄揚げの煮ものYamato-na to Usuage no Nimonoアブラナ科の伝統野菜、大和まなを薄揚げと炒め煮にする奈良の家庭料理。「古事記」に記される菘(すずな)を祖先とするツケナの一種とされ、霜にあたる冬に甘みが増すが、品種改良で今は通年出回っている。
- 葛餅Yoshino Kuzumochi吉野本葛を水と砂糖で溶き、透明になるまで練り上げた奈良の餅菓子。厳冬期の地下水にさらして精製する吉野晒しの製法で作られ、きなこや黒蜜をかけて、冷やしても作りたてのほんのり温かさが残っていても味わえる。
- ずいきの煮ものZuiki no Nimono里芋の葉柄であるずいきを薄揚げと一緒にだし汁で煮る奈良の家庭料理。皮をむいてゆでアクを抜いてから使い、乾燥させた「芋がら」として保存することもある。お盆には七色お和えと合わせて仏壇に供える地域もある。