土地
静岡県
36件
●生まれた料理 29件(安倍川もち、ぼくめし、藤枝朝ラーメン ほか)・●育てる食材 1件(フジキンカ)・●仕込む 6件(黒はんぺん、まご茶漬け、なると ほか)・○本場 10件
この土地で生まれた29
- 安倍川もちAbekawa Mochiつきたての餅に砂糖入りのきな粉をまぶす。県内を流れる安倍川にちなむ名で、東海道を旅する人に安倍川の茶屋の名物として親しまれ、『東海道中膝栗毛』にも登場したと伝わる。
- ぼくめしBokumeshi蒸したウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのごはんに混ぜ込む。太すぎて売り物にならなかったウナギを養鰻場の「木杭(ぼっくい)」でまかない飯にしたのが名の由来と伝わる、大井川流域の混ぜごはん。
- 藤枝朝ラーメンFujieda Asa Ramen醤油朝からラーメンを食べる習慣。温かい一杯と冷たい一杯をセットで頼む型がある。
- 富士宮やきそばFujinomiya Yakisoba戦後、富士宮市内の駄菓子屋やお好み焼き店で子ども向けのおやつとして広まった。コシの強い蒸し麺、ラードを搾った後の「肉かす」、いわしの削り粉「だし粉」の3点が土地の型を作っている。
- がわGawa生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。
- げんなり寿司Gennari Zushi甘く煮たにんじんを詰めた酢飯を型に押し、キンメダイの紅白のそぼろをのせる押し寿司。結婚式や七五三などの祝い事でつくられ、その大きさに食べるだけで「げんなり」してしまうことが名の由来と伝わる。
- へそもちHeso Mochi上新粉の団子を平たく丸め、中央をへこませて蒸す月見団子。富士川以西の中・西部地域特有で、十五夜や十三夜にその年の新米でつくり、新藁の束にのせて供える風習が伝わる。
- イルカの味噌煮Iruka no Misoni伊豆で追い込み漁により水揚げされたイルカの肉を、ごぼうとともに炒めてから酒・醤油・砂糖・味噌で煮る。伊豆地方で縄文期から続くとされるイルカ漁の記憶を伝える、家庭の日常食だったとされる。
- 金目の煮付けKinme no Nitsuke金目鯛を醤油、酒、砂糖のたれで、皮付きの生姜とともに強火で煮詰める。水揚げ日本一とされる下田港をはじめ伊豆半島の各漁港で揚がる金目鯛を使う、脂ののった一皿とされる。
- 切り干しいもKiriboshi Imo蒸したさつまいもを薄切りにして天日干しする。遭難した薩摩の船を助けたことがサツマイモ伝来のきっかけと伝わり、遠州の空っ風と長い日照時間が乾燥に適したことで根づいたとされる。
- 黒はんぺんフライKuro Hanpen Fry鯖や鰺、鰯を骨や皮ごとすり身にした灰色の練り物、黒はんぺんに小麦粉と溶き卵、パン粉をまとわせて揚げる。白いはんぺんより魚の香りが濃く、衣の香ばしさが加わって、子どもから大人まで日常のおかずとして親しまれてきたとされる。
- 御厨そばMikuriya Soba静岡県御殿場市の御厨地域に伝わる、鶏がらだしのつゆに手打ちそばを入れる料理という。水を使わず山芋でそばをつないだことが起源とされ、喉ごしのよさが持ち味とされる。
- なまり節と白玉葱のサラダNamaribushi to Shiro Tamanegi no Salad湯通ししてほぐしたなまり節(かつお節の一歩手前)を、愛知から伝わり品種改良を重ねた白たまねぎと合わせ、ドレッシングで和える。焼津港で水揚げされたカツオを釜ゆで、燻して仕立てる加工品を使う一皿とされる。
- 沖あがりOkiagari生の桜エビを豆腐やねぎとともに、すき焼き風に醤油と砂糖で煮る。国内で桜エビが揚がるのは駿河湾だけとされ、漁を終えた由比の漁師が船を下りてから反省がてら食べた酒の肴が始まりと伝わる。
- 折戸なすの田楽Orido Nasu Dengaku静岡市三保の在来種、折戸なすを両面焼き、赤みそに酒・砂糖・みりんを練り合わせたたれをのせる。徳川家康が好んだ「一富士、二鷹、三茄子」の茄子と伝わり、濃厚な味わいが味噌料理と相性が良いとされる。
- おざくOzaku里芋や大根、にんじんなどをだし汁と醤油、砂糖でざくざくと切って煮る汁物。結婚式や葬式など人が集まるとき、近所がそれぞれの畑の野菜を持ち寄ってつくった料理と伝わる。
- 落花生なますRakkasei Namasu千切りにした大根と人参を、すりつぶした炒り落花生入りの合わせ酢で和える。落花生が特産の富士宮市や富士市周辺では、酢の酸味を落花生のこくが和らげる紅白なますとして正月に定着してきたとされる。
- 鯖の箱寿司Saba no Hakozushiほぐしたサバのそぼろやにんじん、しいたけの煮物を酢飯にのせ、木箱に詰めて押しかためる。日蓮上人を匿った漁師が井桁の重箱で食事を運んだ故事に由来すると伝わる、伊豆地域のハレの日の押し寿司とされる。
- サクラエビのかき揚げSakura Ebi no Kakiage生の桜エビを小麦粉と水で溶いた衣にまとめ、油で揚げる。国内で桜エビが揚がるのは駿河湾のみとされ、由比港などの漁港周辺に限らず県内全域の家庭や飲食店でよくつくられる一皿とされる。
- 志太系ラーメンShida-kei Ramen醤油藤枝から焼津にかけての志太地域に伝わる、脂を抑えた清湯豚骨に鰹だしを効かせた醤油ラーメン。大正時代創業とされる店を手本にする系列で、温かい一杯と冷たい一杯を合わせて頼む食べ方が特徴とされる。
- 清水もつカレーラーメンShimizu Motsu Curry Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外静岡市清水区で生まれたとされるもつカレーを、ラーメンにのせた一杯。満州仕込みのカレーの知識と、どて煮を思わせる煮込み方が重なったとされ、店ごとに具材やカレーの色合いが異なる。
- 静岡おでんShizuoka Odenおでん牛すじや黒はんぺん、練り物、大根、卵を串に刺し、色の黒いだし汁で煮込んで青のりとだし粉をかける。戦後、捨てられていた牛すじや豚モツを具にしたことで人気が高まったと伝わる、静岡市の郷土おでん。
- 染飯Someii蒸したもち米をくちなしの実で黄色く染めてすりつぶし、小判形に薄くのばして干した携帯食。旧東海道瀬戸(現・藤枝市)の茶屋で戦国時代から売られ、足腰の疲れを取る食べ物として旅人に評判だったと伝わる。
- 筍のアラメ煮Takenoko no Arame Niタケノコと切り干し大根、アラメ(昆布の一種)をそれぞれ戻してから合わせて煮る。かつて中部地域の海岸に打ち上げられたアラメを拾って料理したのが始まりとされ、今も春を告げる一品とされる。
- たまごふわふわTamago Fuwafuwa卵とだし汁だけでつくる、ふわりと泡立てた食感のすまし汁。江戸時代の紀行文「仙台下向日記」に、袋井宿の本陣で宿泊客の朝食に出されたという記述が残ると伝わり、観光協会が再現・復活させたとされる。
- 溶き味噌ラーメンTokimiso Ramen味噌静岡市清水区に伝わる、あっさりとした塩スープに自家製味噌を溶き入れて食べるラーメン。一杯の中で味が二度変わる食べ方が持ち味で、削り節を足すとさらに表情が変わるとされる。
- ところてんTokoroten天草を水と酢で煮て型に流し固め、突き器で細長く押し出す。天草の日本一の産地とされる伊豆半島では、家庭でつくるほか駄菓子屋でも売られ、子どものおやつとして根づいてきたとされる。
- とろろ汁Tororo Jiruすりおろした自然薯をだし汁と味噌でのばし、麦飯にかけて食べる。東海道の宿場町だった丸子(現・静岡市駿河区)の名物で、十返舎一九や松尾芭蕉の作にも登場するほど古くから旅人に親しまれてきたとされる。
- つけナポリタンTsuke Naporitan2008年9月、テレビ番組のまちおこし企画と富士市吉原商店街の共同開発で誕生した。トマトベースのスープに鶏ガラなどを合わせたダブルスープに、太めの麺をつけ麺のようにひたして食べるのが特徴で、その後吉原地区のまちづくり組織が普及に取り組んだ。
この土地が育てる1
この土地が仕込む6
- 黒はんぺんKuro Hanpenサバやイワシのすり身を骨や皮ごと使い、半月形に仕立てた静岡の練り物。青灰色の見た目と魚そのものの風味が持ち味で、おでんの具としても定番とされる。そのまま食べる以外に、焼いたりフライにしたりと調理の幅も広いという。
- まご茶漬けMago Chazukeたたいた新鮮なアジをごはんにのせ、熱いお茶や湯をそそいで醤油とわさびで食べる。漁の合間に「まごまごしないで早く食え」の意から名がついたと伝わる、伊豆半島全域の漁師めしとされる。
- なるとNarutomaki白と赤の二色のすり身を渦巻き状に巻いた円筒形の練り物。断面の「の」の字が特徴で、消費量の9割ほどが静岡県焼津市で作られるとされる。断面の渦をきれいに見せるため、巻き方に細かな工夫があるとされる。
- 静岡茶Shizuoka-cha産地牧之原台地の広大な平坦地から、川根や本山のような山あいの茶園まで、性格の異なる産地が県内に混在する茶どころ。全国有数の生産量を持つ産地として知られてきたとされる。
- 金山寺味噌Shizuoka Kinzanji Miso米麹と豆麹で冬瓜やなす、生姜、しその実などの夏野菜を漬け込んで発酵させる、そのまま食べる「なめ味噌」。もとは寺で夏野菜を冬に食べるための保存食で、県内各地のほか和歌山や千葉でも食されると伝わる。
- わさび漬けWasabi-zukeわさびの茎や根を刻んで酒粕と練り合わせる粕漬け。徳川家康が門外不出とした有東木の栽培地から広まったとされ、明治22年の静岡駅構内での販売が定番土産の始まりという。
この土地が本場15
- マグロMaguro名産地今日の寿司の主役。江戸前では漬けにして使われた。大間・那智勝浦・三崎・焼津が水揚げで名高い。
- カツオKatsuo赤身名産地黒潮に乗って北上する回遊魚で、初夏の初鰹はあっさりと脂が少なく、秋に南下する戻り鰹は脂がのって濃厚になる。藁の香ばしさをまとわせた「たたき」や刺身で食べられ、黒潮に近い港ほど鮮度と旨みが際立つとされる。
- アジAji青魚名産地一年中出回る青魚で、刺身・たたき・フライと家庭料理の定番。回遊せず一つの海域に居着いた個体は速い潮流にもまれて身が締まり脂もよくのるため、そうした漁場では高級ブランドとして一本釣りされる。
- ウナギUnagi川魚蒲焼として夏の土用の丑の日に食べられる魚で、関東は背開きで蒸してから焼き、関西は腹開きで直焼きにする。シラスウナギが豊富に獲れた汽水湖のほとりでは、養鰻業が発達し名物として定着した。汽水湖の浜名湖でシラスウナギが豊富に獲れたことから養鰻業が発達し、蒲焼の名産地となった。
- ニジマスNijimasu川魚北米原産で明治期に移入された川魚で、養殖が全国に広がった。湧水を使う養殖場では水温が安定するため一年を通して身が締まりやすく、塩焼きやフライのほか刺身でも食べられる。富士山からの湧水を利用した養鱒が明治時代に始まった地とされ、「ニジマス発祥の地」を掲げる。
- キスKisu白身名産地砂地の浅瀬に棲む白身魚で、天ぷらのネタとして知られる。淡白でクセがなく身が薄いため揚げても火が通りやすく、遠浅の内湾に面した産地では投げ釣りの対象魚としても親しまれてきた。
- キンメダイKinmedai白身深海に棲む鮮やかな赤い魚で、脂の乗りが良く煮付けや刺身にされる。急に深くなる海底が漁場となる沿岸では一本釣りが伝わり、船から港までの距離が近いほど鮮度を保ったまま高値で出荷できるとされる。相模灘の急深な海底が漁場となり、一本釣りで漁獲される「地金目」として稲取・下田で知られる。
- シラスShirasu青魚イワシなどの稚魚を指し、釜揚げや天日干しのしらす干しとして、ご飯や大根おろしと合わせて食べられる。海底の地形が湧昇流を生む湾に面した漁港ほど群れが集まりやすく、水揚げの中心地となっている。駿河湾の深い海底地形が湧昇流を生み、由比・用宗の漁港でシラス漁が盛んな土地として知られる。
- 桜海老Sakura Ebiエビ・カニ体長4cmほどの小型のエビ。透き通った赤い体が桜色に見えることが名の由来で、殻ごとかき揚げや釜揚げにして香ばしさと歯ざわりを楽しむ。国内で商業採捕が許可されているのは駿河湾のみとされる希少な食材。急深な駿河湾特有の海洋条件から資源量の変動が大きく、由比港・大井川港の2港に限って春秋2回、期間を区切った操業が行われている。
- 餃子Gyoza小麦の皮で餡を包み、鉄鍋で焼き目をつける中華由来の点心。日本では焼き餃子が主流で、皮の薄さ・野菜の配合・タレの調合に土地ごとの個性が出るとされる。街ぐるみで名物化した土地もある。浜松餃子は円形に焼き並べ、中心にゆでもやしを添えるのが特徴とされる。野菜の比率を高めたあっさりとした餡で、浜松商工会議所など地域の複数団体が連携して名物として発信している。
- おでんOdenおでん大根やこんにゃく、練り物、卵などをだしでじっくり煮込む鍋料理。同じ「おでん」でも、だしの色や具、食べ方は土地ごとに大きく違うとされる。売られてきた場所の違いも背景にあるという。静岡おでんは黒いだしと黒はんぺんが目印で、串に刺して青のりとだし粉をかけて食べる。かつては居酒屋よりも子どもの集まる駄菓子屋で売られることが多かったとされ、この庶民的な売り場が具や食べ方の気軽さにつながったという。
- うなぎの蒲焼Unagi no Kabayaki開いたウナギを串に刺し、甘辛いタレを塗り重ねながら焼き上げる料理。関東は蒸してから焼き、関西は蒸さずに直火で焼くなど、開き方も焼き方も土地で分かれるとされている。汽水湖の浜名湖でシラスウナギが豊富に獲れたことから養鰻業が発達し、蒲焼の名産地として知られる。市の観光ポータルでも「浜名湖育ちのうなぎは格別」と紹介され、夏のスタミナ食として市を挙げて発信されている。
- しらす丼Shirasu-don生のしらすを飯にのせ、卵黄や薬味を添えて食べる丼。相模湾の湘南地域と駿河湾の静岡がともに主要な産地とされ、冷蔵技術の発展とともに生のまま食べる形が根づいたとされる。駿河湾は大量のプランクトンが発生する日本有数の漁場とされ、水揚げから食卓までの近さが生しらすを丼で食べる文化を支えているとされる。
- 鰹節Katsuobushi名産地鰹を煮て燻し乾燥させた加工品で、削り節やおかかとしてご飯や料理に使われる。荒節・裸節・枯節と段階を経るごとに旨味が凝縮されていくとされ、和食のだし文化を支えてきた食材という。遠洋鰹漁の基地を持つ港町で、現在の鰹節生産の主要な集積地のひとつとされる。
- 煎茶Sencha緑茶茶畑を覆わずに育てた新芽を蒸し、揉んで乾かす、日本茶の最も基本的な製法で作られる緑茶。全国の生産量の大半を占めるとされ、爽やかな香りとほどよい渋みのバランスが特徴という。牧之原台地の大茶園から川根の山間の霧深い茶園まで産地が幅広く、全国有数の生産量を持つ茶所とされる。