麺 ── ラーメン
志太系ラーメン
Shida-kei Ramen
藤枝から焼津にかけての志太地域に伝わる、脂を抑えた清湯豚骨に鰹だしを効かせた醤油ラーメン。大正時代創業とされる店を手本にする系列で、温かい一杯と冷たい一杯を合わせて頼む食べ方が特徴とされる。
- 発祥: 静岡県藤枝市
- 醤油
- 東京から南西へ約160km
静岡県藤枝市
何でできているか
脂を極限まで取り除いたすっきりとした鰹だしが、醤油の香りとともに立ちのぼる。豚骨を使いながらも清湯に仕立てるため、見た目は澄んでいて軽やかだが、すすってみると鰹の旨みがじわりと奥から追いかけてくる。温かい一杯と冷たい一杯をセットで頼む食べ方も、この系統ならではとされる。重さを感じさせない仕立てが、この系統に共通する印象を残す。
どう作るのか
豚骨を清湯に炊き上げ、鰹だしと醤油だれを合わせて仕立てる。志太地域では大正時代創業とされる店を手本にする店が多く、その店を基準にする系列であることから「志太系」と呼ばれてきたという。温かいラーメンと冷やしラーメンを一緒に出す組み合わせ方も、手本となった店の流儀を受け継いだものとされ、注文の仕方そのものが系統の証にもなっている。
なぜこの形になったのか
藤枝から焼津にかけての志太地域は茶どころとして知られ、茶摘みの最盛期には夜明け前から働く生産者や商人が早朝の食事を必要としたと伝わる。軽く食べられる清湯のラーメンが根づいた背景には、早朝でも重すぎずに腹を満たせる一杯を求めた茶産業の暮らしのリズムがあったと考えられる。茶畑の仕事の速さが、そのまま麺をすする速さにも重なっているのかもしれない。土地の産業が一杯の重さそのものを決めてきたとも言える。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ静岡県
- 安倍川もちつきたての餅に砂糖入りのきな粉をまぶす。県内を流れる安倍川にちなむ名で、東海道を旅する人に安倍川の茶屋の名物として親しまれ、『東海道中膝栗毛』にも登場したと伝わる。
- ぼくめし蒸したウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのごはんに混ぜ込む。太すぎて売り物にならなかったウナギを養鰻場の「木杭(ぼっくい)」でまかない飯にしたのが名の由来と伝わる、大井川流域の混ぜごはん。
- フジキンカ静岡県が育成した系統豚「フジロック」に、中国浙江省原産の希少品種・金華豚を掛け合わせて作出した、静岡県だけの豚。金華豚のやわらかな肉質とフジロック譲りの霜降りを併せ持つとされる。
- 富士宮やきそば戦後、富士宮市内の駄菓子屋やお好み焼き店で子ども向けのおやつとして広まった。コシの強い蒸し麺、ラードを搾った後の「肉かす」、いわしの削り粉「だし粉」の3点が土地の型を作っている。
- がわ生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。