ごはんもの
染飯
Someii
蒸したもち米をくちなしの実で黄色く染めてすりつぶし、小判形に薄くのばして干した携帯食。旧東海道瀬戸(現・藤枝市)の茶屋で戦国時代から売られ、足腰の疲れを取る食べ物として旅人に評判だったと伝わる。
- 発祥: 静岡県藤枝市
- 東京から南西へ約160km
静岡県藤枝市
系譜
染飯黄いないおこわ
何でできているか
染飯は、蒸したもち米をくちなしの実で黄色く染めてすりつぶし、小判形などに薄くのばして干した携帯食。旧東海道瀬戸(現在の藤枝市)の茶屋で、戦国時代から街道の名物として売られてきたと伝わる。くちなしの実には消炎や解熱、利尿などの薬効があるとされ、乾燥させて色付けと薬用を兼ねて用いられてきたという。黄色い色合いは道中でもよく目立ち、遠くからでも茶屋の存在がわかったと伝わる。
どう作るのか
くちなしの実の皮をむいて中身をつぶし、半日ほど水に浸けて黄色い染め液をつくる。とぎ置いたもち米を炊飯器に入れ、染め液を真水で薄めて加えて炊き上げ、炊き上がったら10〜15分ほど蒸らす。かつては薄くのばして干した携帯食だったが、現在はすぐに食べられるおにぎりの形に仕立て直されているという。染め液の濃さを加減することで、色の濃淡を調整することもできるとされる。
なぜこの形になったのか
瀬戸は旧東海道の宿場近くに位置し、街道を行き交う旅人に足腰の疲れを取る食べ物として評判だったと伝わる。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも登場するほど広く知られた名物だったとされるが、時代とともに限られた家庭だけで作られる料理になっていった。約60年前、藤枝市内の弁当業者が商工会議所と協力し、おにぎりの形に仕立て直して復活させたと伝わる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ静岡県
- 安倍川もちつきたての餅に砂糖入りのきな粉をまぶす。県内を流れる安倍川にちなむ名で、東海道を旅する人に安倍川の茶屋の名物として親しまれ、『東海道中膝栗毛』にも登場したと伝わる。
- ぼくめし蒸したウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのごはんに混ぜ込む。太すぎて売り物にならなかったウナギを養鰻場の「木杭(ぼっくい)」でまかない飯にしたのが名の由来と伝わる、大井川流域の混ぜごはん。
- フジキンカ静岡県が育成した系統豚「フジロック」に、中国浙江省原産の希少品種・金華豚を掛け合わせて作出した、静岡県だけの豚。金華豚のやわらかな肉質とフジロック譲りの霜降りを併せ持つとされる。
- 藤枝朝ラーメン朝からラーメンを食べる習慣。温かい一杯と冷たい一杯をセットで頼む型がある。
- 富士宮やきそば戦後、富士宮市内の駄菓子屋やお好み焼き店で子ども向けのおやつとして広まった。コシの強い蒸し麺、ラードを搾った後の「肉かす」、いわしの削り粉「だし粉」の3点が土地の型を作っている。
- がわ生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。