麺 ── ラーメン
清水もつカレーラーメン
Shimizu Motsu Curry Ramen
静岡市清水区で生まれたとされるもつカレーを、ラーメンにのせた一杯。満州仕込みのカレーの知識と、どて煮を思わせる煮込み方が重なったとされ、店ごとに具材やカレーの色合いが異なる。
- 発祥: 静岡県静岡市清水区
- 醤油・味噌・塩・豚骨以外
- 東京から南西へ約140km
静岡県静岡市清水区
系譜
清水もつカレーラーメン溶き味噌ラーメン
何でできているか
とろみのあるカレーの香りの中に、よく煮込まれたもつの食感が沈んでいる。ラーメンの上に汁ごとのせることで、カレーの重さと麺の軽さが釣り合っている。大腸だけを使う店もあれば小腸や胃袋を合わせる店もあり、ごぼうやこんにゃくを加える店もあるなど、同じ名前でも丼ごとに表情が違う。カレーの色も黒っぽいものから白っぽいものまで幅があるとされ、香辛料の配合が店の個性をそのまま映し出している。
どう作るのか
内臓肉を下ごしらえしてから時間をかけて煮込み、カレー粉で香りづけをして仕立てる。もとは酒のつまみとして考え出された煮込み料理で、それをラーメンの上にのせることで、つまみと一杯の食事の境目をまたぐ一品になっている。店ごとに配合や具材を変えながら独自の味に育ててきたとされ、煮込み系や鍋系など仕立て方にも幅があるという。
なぜこの形になったのか
清水駅前の店の初代が、満州で覚えたカレーの知識と、名古屋のどて煮を思わせる煮込み方を組み合わせて考え出したと伝わる。戦後の復興期に酒場のつまみとして少しずつ広まり、清水という港町の食堂文化の中で定番の一品として根づいていったと考えられる。異なる土地の記憶が重なり合って一つの料理に落ち着いた例と言えるだろう。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ静岡県
- 安倍川もちつきたての餅に砂糖入りのきな粉をまぶす。県内を流れる安倍川にちなむ名で、東海道を旅する人に安倍川の茶屋の名物として親しまれ、『東海道中膝栗毛』にも登場したと伝わる。
- ぼくめし蒸したウナギとささがきごぼうを煮て、炊きたてのごはんに混ぜ込む。太すぎて売り物にならなかったウナギを養鰻場の「木杭(ぼっくい)」でまかない飯にしたのが名の由来と伝わる、大井川流域の混ぜごはん。
- フジキンカ静岡県が育成した系統豚「フジロック」に、中国浙江省原産の希少品種・金華豚を掛け合わせて作出した、静岡県だけの豚。金華豚のやわらかな肉質とフジロック譲りの霜降りを併せ持つとされる。
- 藤枝朝ラーメン朝からラーメンを食べる習慣。温かい一杯と冷たい一杯をセットで頼む型がある。
- 富士宮やきそば戦後、富士宮市内の駄菓子屋やお好み焼き店で子ども向けのおやつとして広まった。コシの強い蒸し麺、ラードを搾った後の「肉かす」、いわしの削り粉「だし粉」の3点が土地の型を作っている。
- がわ生のカツオをたたき、きゅうりや梅干し、青しそとともに味噌で溶いた冷たい汁。カツオ漁に出た漁師が船上で氷水に味噌を溶くとき「ガワガワ」と音がしたことが名の由来と伝わる、夏の漁師めしだったとされる。