土地
愛知県
46件
●生まれた料理 34件(ふな味噌、五平餅、箱ずし ほか)・●育てる食材 4件(愛とん、三河牛、名古屋コーチン ほか)・●仕込む 8件(八丁味噌、粕酢、三河みりん ほか)・○本場 3件
この土地で生まれた34
- ふな味噌Funa Misoフナを大豆とともに弱火で5時間ほど煮こんでから、豆味噌と砂糖のたれで仕上げる。木曽三川下流域の川魚料理で、12月後半から1月にとれる寒ブナが脂がのって美味とされ、骨まで柔らかくなるまで煮こむとされる。
- 五平餅Gohei Mochi炊きたてのうるち米を潰して串に刺し、味噌だれをつけて焼き上げる。中部地方の山間部発祑とされ、山仕事の安全を祈る祭りの前夜につくられてきたと伝わる、奥三河をはじめ中部山間部一帯の料理とされる。
- 箱ずしAichi Hakozushi木枠に酢飯を詰め、エビやアナゴ、干ししいたけ、錦糸卵などを斜めに配置して押しかためる。皆が平等にさまざまな味を楽しめるよう具材を斜めに置くのが尾張・西三河地域の特徴とされ、祝い事でつくられてきたとされる。
- へぼ飯Hebo Meshi地蜂(クロスズメバチ)の成虫と幼虫を甘辛く煮つけ、炊きたてのごはんに混ぜ込む。信州から奥三河の山間部にかけて貴重なタンパク源とされてきたと伝わり、現在はごちそうとして客人にふるまわれるとされる。
- いがまんじゅうIga Manju米粉の生地で粒あんを包み、表面に着色したもち米をつける。もち米の粒が栗の「いが」に似ることが名の由来の一説とされ、西三河地域では桃の節句にお雛様へ供える風習が伝わる。
- 味噌おでんAichi Miso Odenおでん土鍋の中央に味噌だれの壺を置き、大根や豆腐などをだしで煮てから壺の味噌につけて食べる。江戸で醤油だしの「関東煮」が広まる一方、愛知では豆味噌(八丁味噌)をつけて食べる方法が根づいたと伝わる。
- もろこずしMoroko Zushiモロコという小さなコイ科の川魚を甘辛く煮て、木枠のすし飯の上に斜めに並べて押す。尾張地域の水郷地帯に伝わる箱ずしの一種とされ、漁獲量の減少で高級魚となったモロコの代わりにハヤを使うこともあるとされる。
- 雑煮Aichi Zoni角餅と尾張の伝統野菜、餅菜をすまし汁でいただく、非常にシンプルな正月の雑煮。日常的に豆味噌を使うからこそハレの場ではすまし汁を選ぶのではないかと推察されており、味噌を用いないのが愛知の特徴とされる。
- あんかけスパゲッティAnkake Supagetti1961年、名古屋市東区に開業した「そーれ」が発祥とされる。当時スパゲッティもミートソースもまだ馴染みの薄かった名古屋の舌に合わせ、具を漉してこしょうを効かせ、麺に絡むよう粘度をつけたソースを考案。麺は2.2mmの極太麺を使う。
- あらめと落花生の煮付Arame to Rakkasei no Nitsuke戻したアラメ(昆布の一種)と落花生をやわらかくゆで、砂糖と醤油、みりんで煮つめる。砂地で落花生を、伊勢湾沿岸でアラメをともに産する渥美半島ならではの常備菜で、東三河地域で親しまれてきたとされる。
- ベトコンラーメンBetokon Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外愛知県一宮市で生まれたとされる、にんにくと唐辛子を効かせたスタミナラーメン。満州からの引き揚げ者の記憶をもとに考案されたと伝わり、客の呼び方がそのまま名前になったとされる。
- ふきの煮付けFuki no Nitsukeアク抜きしたふきをだし汁で煮る。愛知の伝統野菜「愛知早生ふき」は現在の東海市で発見され、茎が太く香りが良いことから知多半島を中心に広まったと伝わり、シャキシャキとした食感が特徴とされる。
- ふろふき大根Furofuki Daikon面取りした大根をだし汁で煮て、豆味噌(赤味噌)を使った甘い練り味噌をのせる。大根の名産地として知られる愛知県らしく、豆味噌の濃厚なコクと渋みが、だしで甘みを増した大根によく合うとされる。
- はぜ佃煮Haze Tsukudaniハゼをたまり醤油で濃く煮詰める。三河湾沿岸では古くから獲れた魚を佃煮にする風習があり、ハゼの顔が翁に似ることから長寿を意味するとされ、正月のおせち料理に欠かせない一品とされる。
- たこ飯Himakajima Takomeshi生ダコをぶつ切りにし、米と一緒に炊きこむ。全国的には煮たタコを混ぜることが多いが、愛知では生のまま炊きこみ、きれいな桜色に染まることから「桜飯」とも呼ばれる、「タコの島」日間賀島の漁師めしとされる。
- じょじょきりJojokiri小麦粉を練って薄くのばし、細く切った麺をゆでて小豆と砂糖の汁で仕立てる。麺の形がドジョウに似ることが名の由来とされ、農作業の合間のおやつとして渥美半島の農家に伝わってきたとされる。
- 十六ささげのごま味噌和えJuroku Sasage no Gomamiso Aeゆでた十六ささげを、赤味噌とすりごま、みりんのたれで和える。さやに16個の豆が入ることが名の由来とされ、愛西市など尾張西部でつくられる夏野菜を使った、お盆の供えにも欠かせない一品とされる。
- かきまわしKakimawashiとりの脂で炒めたとり肉やごぼう、人参を、炊き上げたごはんとしっかりかき混ぜてつくる混ぜごはん。愛知県では「とりめし」とも呼ばれ、卵を産まなくなった成鶏を美味しく食べる工夫から生まれたと伝わる。
- かしわのひきずりKashiwa no Hikizuri割下・すき焼き系とり肉と野菜を鍋で焼き、砂糖と醤油で味付けして溶き卵につけて食べる、とり肉のすき焼き。明治初期に名古屋コーチンが生まれるなど愛知は養鶏が盛んで、全国的にも珍しいとり肉のすき焼きとして伝わってきたとされる。
- 黄いないおこわKiinai Okowaもち米をくちなしの実とともに浸してから黒豆と炊きこみ、黄色く染まったおこわに仕立てる。端午の節句に、高価な赤飯の代わりに身近なくちなしで色付けたのが始まりと伝わり、大分の「おうはん」と並ぶ料理とされる。
- きしめんKishimen江戸時代の史料に「江戸のひもかわを尾張ではきしめんという」と記された、幅の広い平打ち麺。名古屋を中心とした愛知県で広く食べられている。
- 好来系ラーメンKorai-kei Ramen醤油名古屋市千種区で創業したとされる一軒から広がったラーメンの系列。鶏がらと魚介だしを長時間煮込んだ白濁スープはあっさりとした味わいで、枝分かれした店々に受け継がれているとされる。
- 串あさりKushi Asari生きたアサリの水管に串を通し、丸1日天日干しにする。全国有数のアサリ漁獲量を誇る三河湾沿岸に伝わり、江戸時代には幕府への献上品にもなったとされる、半田市亀崎の祭りに欠かせない保存食とされる。
- 味噌田楽Miso Dengaku串に刺した豆腐を焼き、味噌だれをつけて食べる。田植えの太鼓に合わせて踊る「田楽舞い」の田楽法師の姿に似ることが名の由来とされ、三河地域の菜飯田楽、尾張地域の麩田楽など地域ごとに個性があるとされる。
- 味噌煮込みうどんMiso Nikomi Udon明治初期に一宮市の飲食店で提供され始めたとされる愛知県の郷土料理。豆味噌仕立ての汁でコシの強い麺を煮込み、土鍋のまま供する。
- 煮味噌Nimiso大根や人参、里芋などの根菜を、家にある食材で豆味噌煮こんでいく。まとめてつくって翌日また煮返すうちに味噌の味が染みてコクが増すとされ、家庭ごとに具材や仕立てが大きく異なるとされる。
- 鬼まんじゅうOni Manju角切りのさつまいもを、小麦粉と砂糖を混ぜた生地に入れて蒸す。戦中戦後の食糧難の時代、米の代わりの主食として広まり、角切りの芋が鬼の角のように見えることが名の由来と伝わる。
- おしもんOshimon米粉を熱湯で練って型に押し込み、取り出したものに色粉をつける。桃の節句にお雛様へ供える郷土菓子で、名古屋地域では「おしもん」、周辺地域では「おこしもん」と呼ばれ、西三河のいがまんじゅうとともに供えられるとされる。
- れんこんの煮物Renkon no Nimono食べやすく切ったれんこんを、だし汁と醤油、みりんで煮こむ。海抜0m地帯で水害に悩んだ愛西市が稲作に代わる作物として広めたと伝わり、穴から先を見通す縁起物として正月にも食べられるとされる。
- 酢味噌そうめんSumiso Somen味噌と酢、砂糖でつくる酢味噌を、ゆでたそうめんにかけて食べる。豆味噌文化が根づく愛知で、酢が加わることでさっぱりと食べられる夏の一皿とされ、半田市周辺の粕酢の伝統とも重なると伝わる。
- 台湾まぜそばTaiwan Mazesoba台湾ラーメンの具「台湾ミンチ」を、スープではなく茹でた麺に直接からめて食べる汁なし麺。2008年に名古屋の一軒の店が、失敗作を廃棄する寸前にひらめいたことから生まれたと伝わる。
- 台湾ラーメンTaiwan Ramen醤油唐辛子とにんにくを効かせた醤油スープに台湾ミンチ。名古屋で生まれ、台湾には無い。
- 玉子とじラーメンTamagotoji Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外名古屋市中村区の屋台発祥とされるラーメンで、スープの熱だけで半熟に仕立てた溶き卵をのせる。三河鶏がらや豚骨を長時間煮込んだだしに、とろみとまろやかさが加わるとされる。
- とうがん汁Togan Jiru皮をむいたとうがんを、とり肉や干ししいたけとともに出汁で煮て、片栗粉でとろみをつける。全国有数のとうがん出荷量を誇る愛知県で、水分が多く淡白な味わいが夏の食欲減退期に重宝されてきたとされる。
この土地が育てる4
- 愛とんAiton愛知県が独自に改良した3系統の種豚をもとにした豚。県内ではこれを素材に、みかわポークなど複数の地域銘柄豚が作られているとされ、県産豚肉全体の土台を担う存在とされる。
- 三河牛Mikawa Gyu愛知県三河地方で育つ黒毛和種。江戸時代に新城で飼われ「杉平牛」として四国へ移出された歴史を持つ土地柄で、戦後の食肉需要の高まりとともに銘柄化されたという。現在は県全域に広がる銘柄として流通している。
- 名古屋コーチンNagoya Cochin明治期に旧尾張藩士の兄弟が在来種を改良して作出し、日本で最初に実用品種として認定されたとされる地鶏。一般的なブロイラーの倍以上、120〜150日ほどかけて丁寧に育てられるという。
- 岡崎おうはんOkazaki Ouhan肉質のよい横斑プリマスロックと産卵性のよいロードアイランドレッドを掛け合わせ、国の家畜改良センター岡崎牧場が開発したとされる純国産の卵肉兼用種。ひなから120日ほどかけて育てられるという。
この土地が仕込む8
- 八丁味噌Hatcho miso岡崎城から西へ八丁(約870メートル)の地区で造られてきたことに名が由来する豆味噌。大豆と塩水のみを原料に木桶と重石で2年以上熟成させ、黒に近い色と渋みを伴う濃厚な旨味を持つとされる。
- 粕酢Kasu-zu酒粕を原料に造る赤みを帯びた酢で、愛知県半田市の酒造家が江戸時代に生み出したとされる。当時高価だった米酢より安価に旨味の強い酢を供給できたことから、江戸の握りずし文化の広がりを支えたとされる。
- 三河みりんMikawa mirin醸造に適した気候と海運の便に恵まれた愛知県碧南市を中心に、江戸時代から続くみりんの産地。余った酒粕を蒸留した粕取り焼酎で仕込み、江戸へ運ばれて広まったのが始まりとされる。
- 守口漬けMoriguchi-zuke1メートルを超える細長い守口大根を丸ごと酒粕に漬け込む名古屋名物。愛知の伝統野菜かりもりと同じ、知多半島の醸造がさかんな土地の酒粕文化から生まれたとされる粕漬けの一つである。
- 西尾の抹茶Nishio no Matcha産地全国生産の約2割を占めるとされる、愛知県西尾市の抹茶。碾茶の生産は明治以降に本格化したと伝わり、2009年には「西尾の抹茶」が抹茶に限定した地域ブランドとして知られるという。
- 白醤油Shiro shoyu小麦を主原料に大豆をわずかしか使わず仕込む、琥珀色に近い薄い色と強い甘みが特徴の醤油。愛知県碧南市が発祥の地とされ、白だしなど色を淡く仕上げたい料理の下味に使われる。
- 溜醤油Tamari shoyu大豆を主原料に小麦をほとんど使わずに仕込む、とろみと濃厚な旨味が特徴の醤油。愛知・三重・岐阜の東海3県、なかでも知多半島の半田周辺が主産地とされ、豆味噌文化と地続きの醸造技術から生まれたとされる。
- 豊橋ちくわToyohashi Chikuwa太平洋と三河湾に挟まれた豊橋で、江戸時代後期から作られてきたちくわ。東海道の宿場町として物流に恵まれ、190年を超えて同じ製法が続くとされる。190年を超え、焼き加減の見極めは今も職人の経験に頼るという。
この土地が本場8
- ワタリガニWatariganiエビ・カニ名産地後ろ脚がヒレ状で泳ぎが得意なことからこの名がついたカニ。甲羅いっぱいに詰まった濃厚なミソと、殻ごと煮込むことで出る出汁の旨みが持ち味で、味噌汁やパスタにも使われる。産卵期の秋から冬が旬とされる。三河湾は古くからワタリガニ漁が盛んな海域とされる。
- アサリAsari貝名産地潮干狩りの定番として親しまれる小型の二枚貝。砂抜きしてから酒蒸しや味噌汁にすると濃い出汁がよく出て、ぷりっとした身の食感を楽しめる。春の産卵期前が身入りよく旬とされる。三河湾も潮干狩りとアサリ漁で知られる海域とされる。
- アオサAosa名産地河口付近の汽水域に多く生育する緑藻類。乾燥させると濃い緑色になり、磯の香りを移す薬味として汁物や天ぷら、お好み焼きの仕上げに使われる。生のままだと苦みが強く、乾燥品として流通するのが一般的とされる。一色港周辺の三河湾は国内有数のアオサ産地とされる。
- うなぎの蒲焼Unagi no Kabayaki開いたウナギを串に刺し、甘辛いタレを塗り重ねながら焼き上げる料理。関東は蒸してから焼き、関西は蒸さずに直火で焼くなど、開き方も焼き方も土地で分かれるとされている。蒲焼を刻んでご飯に混ぜ、そのまま・薬味を添えて・だし茶漬けにしてと三通りで食べる「ひつまぶし」が名物とされる。名古屋観光コンベンションビューローの公式サイトでも、なごやめしを代表する一品としてひつまぶしが位置づけられている。
- ちくわChikuwa魚のすり身を棒に巻いて焼き上げた筒形の練り物。断面が竹を切った跡に似ることが名の由来とされ、板付きのかまぼこより先にあった形と伝わる。焼き加減や太さで地域ごとに弾力の出方が変わるとされる。太平洋と三河湾に挟まれ通年で魚介が入る漁場と、東海道の宿場町として物流を担ってきた立地が結びつき、江戸時代後期から竹輪づくりが続くとされる。
- 粕漬けKasuzuke名産地塩漬けした野菜を熟成させた酒粕に繰り返し漬け替える漬物の総称。酒粕の糖分とうまみが染み込みあめ色に仕上がるとされ、酒蔵が多く酒粕を得やすい土地で古くから根づいてきたという。
- エビフライEbi Furaiフライ名産地海老に衣をつけて揚げた洋食。カツレツの揚げ方を海老に応用したのが始まりとする説が有力とされ、名古屋名物として広まったのは戦後とされる。タルタルソースを添えるのが定番という。
- 抹茶Matcha抹茶・粉茶覆いをかけて育てた新芽を蒸してそのまま乾かした碾茶を、茶臼で微粉末にした茶。茶葉ごと飲むため栄養や旨みを丸ごと摂れるとされ、茶の湯の点前で使われる格式高い茶としても知られる。碾茶の生産量で愛知県内の8割以上を占め、抹茶に限定した地域ブランドとして知られる産地とされる。