酒 ── 日本酒
丹波の酒
Tanba no Sake
兵庫県丹波篠山市周辺を発祥とする丹波杜氏の土地。灘の蔵元たちが育て上げた杜氏集団とされ、天保年間には灘の蔵の多くが丹波杜氏で占められるまでになったと伝わる、水ではなく人の技術で語られる酒どころ。
- 発祥: 兵庫県丹波篠山市
- 東京から西へ約420km
兵庫県丹波篠山市
系譜
丹波の酒灘の酒
何でできているか
丹波の酒どころとしての性格は、酒そのものの水質よりも、丹波杜氏という人の技術集団に強く結びついているとされる。兵庫県丹波篠山市周辺を出身地とし、灘の蔵元たちが自ら育て上げた杜氏集団と伝わり、かつては大きな勢力を持っていたといい、丹波篠山周辺の農村がその供給源になっていたと伝わり、水よりも人の技が語られる産地とされる。
どう作るのか
丹波の農民が農閑期に灘へ酒造りの出稼ぎに出て腕を磨き、蔵元のもとで杜氏として育てられていく形で技術が受け継がれてきたとされる。天保年間(1830年代から40年代)には、灘の蔵元のほとんどが丹波杜氏で占められるようになったと伝わり、灘の酒質を支える存在になっていったといい、蔵元と杜氏という師弟に近い関係が技術継承を支えたとされる。
なぜこの形になったのか
丹波は山がちで農地が乏しく、冬の農閑期に近隣の酒どころへ技術者を送り出す土壌があったとされる。水運と大消費地への近さで大量生産の体制を整えた灘と、腕のある働き手を送り出す丹波という、土地の条件が異なる二つの地域が結びついたことで、この分業の形が生まれたと伝わり、水の土地と人の土地が支え合う関係として今日も語られているといい、灘の歴史を語る上で欠かせない存在とされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ兵庫県
- 明石焼小麦粉とじん粉、卵とだし汁を混ぜた生地でタコを包んで焼き、だし汁につけて食べる明石市の郷土料理。見た目はたこ焼きに似るが、ソースではなくだし汁につける点が大きな違いとされる。
- 赤穂の塩江戸時代に完成した入浜式塩田による、専業製塩の先駆けとされる塩。水尾と防潮堤で海水を制御し干満に左右されず作業できる画期的な仕組みで、300年にわたり日本の主要な製塩法であり続けたとされる。
- 淡路ビーフ淡路島で育つ純血の但馬牛系統。1986年に生産者らが立ち上げた銘柄で、霜降りの量よりも赤身と脂の調和を重視して選ばれる、出荷頭数の少ない牛肉とされる。淡路牛と呼ばれる一般呼称とは区別される、希少な銘柄という。
- 播州ラーメンはっきり甘い醤油スープ。織物工場で働く女性たちに好まれて定着したと伝わる。
- 播州手延べそうめん太子町の斑鳩寺に伝わる文書には応永25年(1418年)の条に「サウメン」の記述があり、兵庫県内で最も古いそうめんの記録とされる。江戸時代の安永年間には龍野藩の許可業種として奨励され、播州平野の小麦・揖保川の水・赤穂の塩が産地としての土台になった。
- ぼたん鍋白と赤の合わせみそでとっただしに、猪肉と季節の野菜をたっぷり入れて煮る丹波篠山の鍋。粉山椒を効かせて食べることが多く、切り分けた猪肉を牡丹の花びらのように盛り付ける店もあるという。