麺 ── ラーメン
播州ラーメン
Banshu Ramen
はっきり甘い醤油スープ。織物工場で働く女性たちに好まれて定着したと伝わる。
- 発祥: 兵庫県西脇市
- 醤油
- 東京から西へ約440km
兵庫県西脇市
何でできているか
一口すすると、まず醤油だれの甘みが舌に乗る。鶏がらや豚骨、魚介などでとっただしに、はっきりと甘く仕立てた醤油スープを合わせるのが基本形だが、店によって甘みの出し方は様々で、魚介と鶏がらだけで深い甘みを出す店もあれば、野菜のエキスだけで甘さを引き出す店もある。麺は細めのちぢれ麺が基本で、天候によって麺の状態を調整する店もあるほど、店ごとに甘さの加減も色合いも違う一杯に仕上がっている。
どう作るのか
決まった配合表があるわけではなく、各店が甘みの出し方を工夫する。だしの取り方も醤油だれの甘さも店の裁量に委ねられており、天候に合わせて麺の太さやゆで加減を変える店もあるほど自由度が高い。同じ「播州ラーメン」という名前の下に、甘さも色合いも見た目も違う一杯が、市内の何十軒もの店にずらりと並ぶことになる。
なぜこの形になったのか
一説によると、昭和30年代、播州織が最盛期を迎えたこの町には、集団就職で西日本各地からおよそ2万人もの若い女性たちが工員として働きに来ていたという。彼女たちの口に合うよう、少し甘めの醤油スープに仕立てたのがこの甘さのルーツと伝わる。繊維の町という土地の産業が呼び込んだ人たちの舌が、この一杯の甘さを定着させたと読める。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ兵庫県
- 明石焼小麦粉とじん粉、卵とだし汁を混ぜた生地でタコを包んで焼き、だし汁につけて食べる明石市の郷土料理。見た目はたこ焼きに似るが、ソースではなくだし汁につける点が大きな違いとされる。
- 赤穂の塩江戸時代に完成した入浜式塩田による、専業製塩の先駆けとされる塩。水尾と防潮堤で海水を制御し干満に左右されず作業できる画期的な仕組みで、300年にわたり日本の主要な製塩法であり続けたとされる。
- 淡路ビーフ淡路島で育つ純血の但馬牛系統。1986年に生産者らが立ち上げた銘柄で、霜降りの量よりも赤身と脂の調和を重視して選ばれる、出荷頭数の少ない牛肉とされる。淡路牛と呼ばれる一般呼称とは区別される、希少な銘柄という。
- 播州手延べそうめん太子町の斑鳩寺に伝わる文書には応永25年(1418年)の条に「サウメン」の記述があり、兵庫県内で最も古いそうめんの記録とされる。江戸時代の安永年間には龍野藩の許可業種として奨励され、播州平野の小麦・揖保川の水・赤穂の塩が産地としての土台になった。
- ぼたん鍋白と赤の合わせみそでとっただしに、猪肉と季節の野菜をたっぷり入れて煮る丹波篠山の鍋。粉山椒を効かせて食べることが多く、切り分けた猪肉を牡丹の花びらのように盛り付ける店もあるという。
- ちょぼ汁とろりとしただし汁にささげ豆と里芋の茎、もち粉の団子を煮た淡路島の汁もの。甘くはないが汁粉に似た見た目で、産後の女性の体力回復や子どものお宮参りの祝いに作られてきたという。