土地
千葉県
35件
●生まれた料理 30件(アリランラーメン、ばらっぱまんじゅう、落花生味噌 ほか)・●仕込む 5件(いわしの卯の花漬け、銚子醤油、金山寺みそ ほか)・○本場 3件
この土地で生まれた30
- アリランラーメンArirang Ramen醤油千葉県長柄町の峠にある一軒から始まったと伝わるラーメン。朝鮮半島の伝説の峠にちなんで名づけられたといい、たっぷりの玉ねぎと豚肉の甘みが溶け込んだ醤油スープに、自家製ラー油とすりおろしニンニクでコクと辛みを重ねる。
- ばらっぱまんじゅうBarappa Manju収穫したばかりの小麦を挽いた生地にあんを包み、サルトリイバラ(ばらっぱ)の葉を下に敷いて蒸す北総地域の饅頭。夏祭りやお盆に人が集まると材料を持ち寄ってつくられてきたと伝わる。
- 落花生味噌Rakkasei Miso市場に出回らない規格外の落花生を、味噌や砂糖と合わせて炒りつける常備菜。今ほど食料が豊かでなかった時代、農家が余った落花生を無駄にしない工夫から生まれたと伝わる。
- すみつかれSumitsukare鬼おろしで粗くおろした大根と人参を、節分の豆や酒かすと一緒に煮た料理。栃木県から伝わったとされ、2月最初の午の日にお稲荷様へ供えてから食べる。茨城や埼玉にも同じ名の郷土料理が伝わっている。
- ゆで落花生Yude Rakkasei掘りたての生の落花生をさやごと塩水でゆでる、千葉の産地ならではの季節の味。生の落花生は収穫後すぐに硬くなり出すため、掘りたてをすぐゆでないとおいしくならないという。
- チッコ豆腐Chikko Toufu出産直後の牛から搾れる初乳を温め、酢を加えて分離させた素朴な豆腐状の一品。8代将軍徳川吉宗が嶺岡牧で白牛を飼育させたことが日本の酪農の始まりとされ、酪農家の間で食べ継がれてきたという。
- 船橋ソースラーメンFunabashi Sauce Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外船橋市の商店街にあった中華料理店で生まれたと伝わる、ウスターソースを土台にしたラーメン。黒っぽいスープは酸味と甘みとしょっぱさのバランスで仕立てられ、青のりや紅しょうがが焼きそばの記憶を漂わせる。
- 太巻ずしFutomaki Zushi酢飯に卵焼きや干瓢、青菜、桜でんぶを組み合わせ、巻いて切ると華やかな絵柄が現れる太巻き。房総の農家で祭りや節句のたびにつくられ、断面の図柄を見せ合う楽しみが受け継がれてきたと伝わる。
- ふうかしFuukashiあさりを蒸し、その蒸し汁に味噌を少し溶いた汁物。冷蔵設備のない時代、輸送のためにあさりを蒸かした汁を漁師が賄いとして飲んだのが始まりと伝わる、東京湾の漁師町らしい一椀。
- ごんじゅうGonjuu甘辛く煮た豚バラ肉と油揚げをかつお節とともにご飯に混ぜ、おにぎりにした館山市の郷土料理。秋祭り「やわたんまち」で神輿を担ぐ若衆に振る舞われ、十分に火を通した具が食中毒予防にもなっていたという。
- はば雑煮Haba Zoni房州でとれる「はばのり」を干して刻み、焼いた餅にかけて汁を注ぐ千葉の正月雑煮。年明けにはばのりを食べると一年中「幅を利かせられる」と縁起を担ぐ地域の言い伝えがある。
- いわしのだんご汁Iwashi no Dango Jiru3枚におろしたイワシを味噌と長芋、卵と合わせてすり、大根や里芋の汁にだんごにして落とした冬の汁物。「海の米」と呼ばれるほど水揚げの多い九十九里のイワシを生かした家庭の定番料理と伝わる。
- 重箱入りぼたもちJuubako-iri Botamochiもち米ご飯とあんこを一つひとつ丸めず重箱に敷き詰め、好きな分だけ取り分けて食べるぼたもち。子どもが生まれて三日目に配る祝いの風習で食べられ、産後の母親に栄養をという願いが込められていると伝わる。
- かいそうKaisou岩場に生えるコトジツノマタという海藻を煮溶かし、型に流して固めた寒天状の一品。年末に銚子の商人が正月用に売り歩いたことからお節に加わり、味の濃いお節の箸休めとして食べられてきたという。
- かき餅Kaki Mochi里芋やごま、のりを混ぜたもち米を蒸してつき、薄く切って陰干しした保存菓子。旧暦の正月に餅と一緒についたのが始まりとされ、低温の油でからりと揚げたり、炭火で焼いたりして食べる。
- からなますKara Namasu空煎りしたおからに酢でしめたイワシ、人参ときゅうり、油揚げを合わせ、味噌と酢、ピーナッツパウダーで和えたなます。館山市の疱瘡祭など人が集まる行事の定番で、祝いの席では俵型に握って供されると伝わる。
- 勝浦タンタンメンKatsuura Tantanmen醤油・味噌・塩・豚骨以外醤油スープにラー油を効かせ、玉ねぎと挽肉を乗せる。海女の冷えた体を温めた一杯。
- もばらーめんMobara-men醤油・味噌・塩・豚骨以外「もりもりのバラ肉ラーメン」を略したという茂原市のご当地ラーメン。豚バラ肉をたっぷりのせるのが共通点で、スープの系統や具材は店ごとに異なり、茂原・長生地域で採れた野菜を使う申し合わせだけが揃っている。
- なめろうNamerou揺れる船の上で獲れたてのアジをさばき、味噌とねぎ、しょうがとともに粘りが出るまで叩いた漁師料理。醤油だとこぼれるため味噌を使ったといい、皿までなめたくなる旨さが名の由来と伝わる。
- 小見川カレー焼きそばOmigawa Curry Yakisoba千葉県香取市小見川で親しまれる一皿。名前は焼きそばだが、中身はソース味のつゆが入ったラーメンに近く、そこへカレー粉をふりかけて食べる。黒部川沿いにあった一軒の店が発祥と伝わる。
- 塩漬けタケノコの天ぷらShiozuke Takenoko no Tenpura塩抜きした大多喜産のタケノコを醤油だれで下味をつけ、卵と小麦粉の衣で揚げる一品。あくが少なく白いのが特徴の「白たけのこ」を塩漬けで保存し、旬を過ぎても年間を通して味わえるようにした知恵と伝わる。
- さんが焼きSanga Yakiなめろうをホタテやアワビの貝殻に詰め、鉄板や網で焼いた一品。山仕事に出る漁師がなめろうを貝殻に入れて持参し、山小屋で焼いて食べたことに由来すると伝わり、千葉の方言で「家」を「が」と呼ぶことから名がついたという。
- 性学もちSeigaku Mochiうるち米を粉にせず二度蒸し、臼でついてつくる餅のような料理。高価なもち米を買えない農民にも餅を食べさせたいと、幕末の農民指導者・大原幽学が考えたと伝わり、粘りが少なく喉に詰まりにくいのが特徴。
- ホワイトガウラーメンWhite Gaura Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外酪農が盛んな袖ケ浦市で生まれた、牛乳を使う白いスープのラーメン。生姜を効かせて乳の匂いを抑えてあり、名前の「ガウラ」は袖ケ浦市を指す造語で、市のマスコットの名前でもある。
- 高津のとり飯Takatsu no Torimeshi小さく切った鶏もも肉を醤油だけで煮て、炊きたてのご飯に混ぜ込む八千代市高津地区の料理。安産祈願の子安講や豊作を願う八朔の行事で食べられてきたと伝わり、肉を小さく切るのは分け合うためとも硬い肉を食べやすくするためとも言われる。
- 竹岡式ラーメンTakeoka Ramen醤油チャーシューの煮汁を湯で割っただけのスープ。乾麺を使う店もある漁師町の型。
- てんもんどうTenmondouごぼうやれんこん、しょうがなど繊維の多い野菜を薄く切ってゆで、砂糖でじっくり煮詰めて乾燥させた保存菓子。漢方薬の天門冬を蜜漬けにした昔の薬用の食べ方が名の由来とされ、農繁期のおやつとして食べられてきた。
- 鉄砲巻きTeppou Maki炙った海苔にすし飯ではなく普通のご飯を広げ、醤油をかけた鰹節を芯にして巻いた富津市の一品。見た目が鉄砲に似ることが名の由来で、海苔の産地である富津の漁師が携帯食として食べてきたと伝わる。
- 鶏雑炊Toridose鶏肉とささがきごぼうをだしで煮て、味噌で味を付けたところに炊いたご飯を加えて仕上げる雑炊。正月や冠婚葬祭など人が集まるハレの日に食べられ、たたいた鶏の骨を団子に混ぜ込んで無駄なく使う工夫も伝わる。
- ヤンゴメYangome一晩水に浸した米を炒り、砂糖で煮た小豆と合わせて蒸らす、赤飯に似た見た目の料理。お盆の迎え火・送り火で唱え言葉とともに米と水をまき、故人を迎え送る行事に結びついた房総半島の食べ物と伝わる。
この土地が仕込む5
- いわしの卯の花漬けIwashi no Unohana-zuke酢でしめた背黒イワシを、甘酢で炒ったおからと人参、しょうがとともに漬け込む保存食。おからの白さを卯の花に見立てて名がつき、型崩れや酸化を防ぐ効果もあるとされ、正月のお節や日々の常備食として親しまれてきた。
- 銚子醤油Choshi shoyu紀州の商人が江戸初期に興したとされる、関東を代表する醤油の産地。黒潮と親潮が交わる沖合の影響で夏冬の寒暖差が小さく高湿多湿な気候が、麹菌や酵母の働きに適していたとされ、江戸の食を支えた。
- 金山寺みそKinzanji Miso大豆に麦麹を合わせ、なすやしょうが、みょうがなど夏野菜を漬け込んで発酵させたおかず味噌。中国から伝わった製法という説があり、8代将軍吉宗に献上されたことで江戸にも広まったと伝わる。
- くじらのたれKujira no Tare体長12mほどのツチクジラの肉を、醤油と酒、しょうがのたれに漬けてから干した保存食。木の皮のように黒く見た目は素朴だが、冷蔵庫のない時代の保存の知恵から生まれ、南房総で暮らした人が里帰りの土産に買い求めるという。
- せぐろいわしのごま漬けSeguro Iwashi no Goma-zuke日本最大級の水揚げを誇る九十九里浜のカタクチイワシを塩でしめ、炒りごまと生姜、赤唐辛子で漬け込む保存食。大量に獲れても傷みやすいイワシを長くもたせる知恵として伝わってきたという。
この土地が本場12
- イワシIwashi青魚群れで回遊する小型の青魚で、刺身・梅煮・つみれと安価に食べられる。脂の質は漁場の潮境に左右され、寒流と暖流がぶつかる海域に面した港ほど水揚げ量が多く、乾燥させれば出汁の要となる煮干しになる。親潮と黒潮がぶつかる好漁場に面し、水揚げ量で全国トップを争う漁港として知られる。
- キンメダイKinmedai白身名産地深海に棲む鮮やかな赤い魚で、脂の乗りが良く煮付けや刺身にされる。急に深くなる海底が漁場となる沿岸では一本釣りが伝わり、船から港までの距離が近いほど鮮度を保ったまま高値で出荷できるとされる。
- イサキIsaki白身名産地梅雨時期に脂が乗る白身魚で、「梅雨イサキ」と呼ばれ塩焼きや刺身で食べられる。産卵前に沿岸へ寄る性質があるため、この時期の内湾に面した港では水揚げが増え、脂の乗りも最も良くなるとされる。
- スズキSuzuki白身成長で名前が変わる出世魚で、夏が旬。淡白な白身は洗いや塩焼きで食べられ、河口の汽水域で稚魚期を過ごすため、そうした湾の奥に面した港では出世魚としての漁が古くから続けられてきた。東京湾奥の汽水域は稚魚の育成場となり、江戸前を代表する出世魚として漁が続けられてきた。
- 伊勢海老Ise Ebiエビ・カニ名産地太く長い触角と赤い殻を持つ大型のエビ。身は締まって甘みが強く、刺身では歯切れのよい食感が際立つ。姿の華やかさから正月や婚礼など祝い膳の主役になることが多く、鬼殻焼きや味噌汁にも使われる。房総半島南部も伊勢海老の主産地の一つとされる。
- アワビAwabi貝名産地海藻を食べて育つ大型の巻貝。殻が一枚だけの独特な形をしており、コリコリとした強い歯ごたえと磯の風味が高級食材として珍重される。刺身のほか、蒸しアワビや酒蒸しにすると柔らかく甘みが増すとされる。房総半島は海女漁の伝統が続くアワビの主産地の一つとされる。
- バカガイBakagai貝名産地市場では青柳の名で流通することが多い二枚貝。橙色の足の部分をむき身にして寿司ネタや軍艦巻きに使い、柔らかい歯ごたえとほのかな甘みが持ち味。貝柱部分は小柱と呼ばれ、かき揚げなどにも重宝される。九十九里浜は遠浅の砂浜が続きバカガイ漁が盛んな海域とされる。
- シャコShakoエビ・カニ名産地細長く平たい体を持つ甲殻類。強力な前脚で獲物を叩き割る習性で知られ、殻を剥くと繊細で上品な甘みの身が現れる。江戸前寿司のネタとして甘辛いツメを塗って握られることが多く、春が旬とされる。遠浅の干潟が広がる東京湾奥は伝統的なシャコの漁場とされる。
- ミル貝Mirugai貝名産地標準和名はミルクイ。殻から伸びる太い水管部分を刺身や寿司ネタとして食べる大型の二枚貝で、コリッとした歯切れのよい食感と淡い甘みが持ち味。表面を湯引きすると香ばしさが加わるとされる。遠浅の東京湾奥が主な漁場の一つとされる。
- ヒジキHijiki名産地岩場に生える褐藻類で、採取直後は褐色だが乾燥・加工すると黒く小さな粒や枝状になる。煮物にすると独特の磯の香りとミネラル分を感じるコリッとした食感が楽しめ、大豆や人参と炊き合わせるのが定番とされる。房総半島南端も国内有数のヒジキ産地とされる。
- うなぎの蒲焼Unagi no Kabayaki開いたウナギを串に刺し、甘辛いタレを塗り重ねながら焼き上げる料理。関東は蒸してから焼き、関西は蒸さずに直火で焼くなど、開き方も焼き方も土地で分かれるとされている。印旛沼という漁場に恵まれ、江戸時代から成田山新勝寺への参詣客をうなぎ料理でもてなしてきたと伝わる。表参道には代々タレを継ぎ足す老舗の料理店が軒を連ね、これほどの密度でうなぎ屋が集積する例は全国でも珍しいという。
- アジフライAji Fry名産地三枚におろしたアジにパン粉をつけて揚げた洋食。千葉県は全国有数のアジの水揚げ量を誇り、脂の乗った「黄金アジ」など地域ブランドの魚を新鮮なまま手早く食べる方法として根づいたとみられる家庭の定番である。東京湾近海で水揚げされる「黄金アジ」は脂の乗りの良さで知られ、産地に近い店ほど新鮮なアジフライを提供できるとされる。