ITADAKI ATLAS

海藻

ヒジキ

Hijiki

岩場に生える褐藻類で、採取直後は褐色だが乾燥・加工すると黒く小さな粒や枝状になる。煮物にすると独特の磯の香りとミネラル分を感じるコリッとした食感が楽しめ、大豆や人参と炊き合わせるのが定番とされる。

何でできているか

生のヒジキは黄褐色をしているが、加工の過程で黒く変わり、見慣れた小さな粒や枝の姿になる。潮間帯の岩の上に密生して育ち、早春から初夏にかけて群落をつくる。煮物にすると独特の磯の香りとミネラル分を感じるコリッとした食感が楽しめる。地味な見た目に反して、噛むほどに味の輪郭がはっきりしてくる海藻であり、脇役に見えて満足感の底上げを担う存在ともいえる。

どう作るのか

収穫は硬くなる前の春先、3〜6月ごろに限られる。伊勢地方では天日で干したあと水で戻して塩気を抜き、蒸し上げてから再び乾燥させる製法が伝わり、房総地方では海水ごと煮沸してから干す製法が用いられる。どちらの工程も、生では食べにくい繊維を柔らかくするための手間とされる。産地によって手順が違う点も興味深く、同じヒジキでも土地ごとに仕上がりの硬さが変わるという。

なぜこの形になったのか

三重の伊勢志摩と千葉の房総をはじめ、愛媛・大分・長崎など各地の岩礁海岸で採られてきた海藻で、産地ごとに異なる加工法が育った。大豆や人参と炊き合わせる定番の食べ方は、硬く黒い姿になったヒジキを日常のおかずに落とし込むための知恵として定着したと考えられる。地味な海藻を主役にした食べ方の工夫といえ、彩りを添える具材との組み合わせが定番として根づいている。

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