土地
茨城県
41件
●生まれた料理 33件(赤餅、あんこう鍋、あんこうの共酢 ほか)・●育てる食材 3件(常陸牛、奥久慈しゃも、ローズポーク)・●仕込む 5件(ごさい漬け、いわしの卯の花漬け、紫錦梅 ほか)・○本場 3件
この土地で生まれた33
- 赤餅Aka Mochi赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋Ankou-nabe味噌仕立てあんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢Ankou no Tomozuゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなますGarigari Namasu大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずしGomoku Inarizushi油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- はまぐりごはんHamaguri Gohan鹿島灘でとれる大ぶりなハマグリを人参やしいたけと炒め、その煮汁で米を炊き込んだ混ぜごはん。左右がぴったり合う貝殻の性質から、結婚式や雛祭りなど祝いの席で振る舞われてきた。
- スタミナラーメンStamina Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外レバーと野菜の甘辛あんを、冷やした麺にかける「冷やし」が名物。
- 豆腐みそラーメンToufu Miso Ramen味噌常陸大宮市の老舗中華料理店が、豆腐とネギの味噌汁の美味しさをそのままラーメンに移したと伝わる一杯。赤味噌と白味噌を合わせた汁に、ざく切りの木綿豆腐と長ネギだけをのせる。具材を絞った分、味噌の配合そのものが味の決め手になる。
- 干しいもHoshi Imo蒸したさつまいもを薄切りにし、海風にさらして干し上げる保存食。静岡から伝わったとされ、ひたちなか市を中心に盛んに作られてきたとされる。素朴な甘さとねっとりした食感が持ち味。
- しもつかれ/すみつかれShimotsukare正月に残った塩鮭の頭と節分の炒り大豆、大根と人参を鬼おろしで粗くすりおろし、酒粕でじっくり煮込む冬の料理。初午の日にお稲荷様へ供え、余りを近所へ配る習わしが残る。栃木県など隣接地域にも同様の料理が伝わる。
- いもがらの炒め煮/いもがらの五目煮Imogara no Itameni里芋の茎を乾燥させた「いもがら」を水で戻し、れんこんや油揚げ、こんにゃくとともにじっくり煮た常備菜。豊富にとれる野菜を長く食べるための保存食の一つとして、正月にも食卓に並ぶ。
- かぼちゃのいとこ煮Kabocha no Itokoniかぼちゃと小豆を醤油と砂糖で煮た冬至の定番料理。保存がきくかぼちゃと邪気を払うとされる小豆の赤を合わせ、日照の短い時期を健やかに越すための料理として受け継がれてきた。
- 海藻よせKaiso Yose鹿島灘でとれる海藻・コトジツノマタを煮溶かし、型に流して冷やし固めた寒天状の料理。銚子の商人が正月前に売り歩いたことから、鹿行地域ではおせちの箸休めとして受け継がれている。
- 鯉の唐揚げKoi no Karaage霞ヶ浦周辺で盛んな養殖ゴイを片栗粉で揚げた料理。骨まで食べられるため子どもにも人気で学校給食の定番。にぎわう養殖業を背景に、鯉こくや甘露煮と並ぶコイ料理の一つとして親しまれる。
- こも豆腐Komo Dofu水切りした豆腐を藁苞に詰め、塩ゆでして固めた保存食。藁の跡が模様となり、ほのかな香りが移る。冠婚葬祭の料理として親しまれ、藁が手に入りにくくなり近年はつくる家庭が減っている。
- 水戸藩ラーメンMito-han Ramen醤油江戸時代に水戸藩主が食べたと伝わる汁麺を、平成に入って地元の製麺業者が再現した水戸市のご当地ラーメン。レンコン粉を練り込んだ麺と、五辛と呼ばれる薬味の組み合わせが特徴で、あっさりした醤油スープに漢方由来の発想が重なっている。
- みつめのぼたもちMitsume no Botamochi第一子が生まれて3日後に、出産の疲労回復と母乳の出を願ってつくる大きなぼたもち。重箱に詰めて近所や親戚に配り、赤ちゃんの誕生を知らせる役目も担う。第一子のときだけの習わし。
- 那珂湊焼きそばNakaminato Yakisoba茨城県ひたちなか市那珂湊で60年以上親しまれてきた焼きそば。もっちりとした食感の「手延べせいろ蒸し麺」を使うのが土地の型とされ、地元のソウルフードとしてB-1グランプリにも出場した。
- 煮合いNiai水戸市東部の下市地方に伝わる、れんこんやごぼうを炒めてだしと醤油で煮て、仕上げに酢を回しかける料理。名は「煮て和える」からと伝わる。仏事では人参を抜き白く仕上げる作法もある。
- 小倉れんこんOgura Renkon輪切りにしたれんこんの穴に小豆を詰めて甘く煮た正月料理。じっくり煮込むと筑波山が夕陽に赤く染まる様子から「紫峰色」と呼ばれる色に仕上がる。穴が見通せる縁起物として食べられる。
- パイタ焼きPaita Yaki叩いたイワシやサンマにねぎ、しょうが、味噌、卵を混ぜて焼いた漁師料理。舟を漕ぐ櫂の平らな部分で魚を叩いたことから「パイタ」と呼ばれるようになったと伝わる、那珂湊の家庭の味。
- ピーナッツ味噌/落花生味噌Pinattsu Miso国内有数の落花生産地・茨城県で、規格外の豆を無駄にしないよう考案された味噌和え。すり潰した落花生を味噌や砂糖と練り合わせ、ごはんのお供や酒の肴として常備菜にされる。
- れんこんのはさみ揚げRenkon no Hasami-age輪切りのれんこんに具材を挟んで揚げた一品。霞ヶ浦・北浦周辺のれんこん産地・行方市で、豊富に穫れるれんこんを日々の惣菜として食べ尽くす食べ方の一つとして紹介されている、土地の恵みを生かした一皿である。
- れんこんのきんぴらRenkon no Kinpira国内生産量日本一を誇る霞ヶ浦周辺のれんこんを、ごぼうや人参とともに太めに切って甘辛く炒めたきんぴら。ふたをせずさっと仕上げることで、シャキシャキとした食感を残すのが特徴。
- 凍みこんにゃくShimi Konnyaku厳冬期の畑にわらを敷き、こんにゃくを凍らせては昼の日差しで解かすことを20日ほど繰り返してつくる保存食。水分が抜けてスポンジ状になり、独特の食感で煮しめによく使われる。
- 下館ラーメンShimodate Ramen醤油鶏ガラの醤油スープに、鶏肉のチャーシューを乗せる。
- そぼろ納豆/しょぼろ納豆Soboro Natto水戸で盛んな小粒納豆に、天日と寒風で干した割り干し大根を刻んで混ぜ、醤油やみりんで漬け込んだ保存食。糸引きの弱い納豆を活かす工夫から生まれたといい、方言で「しょぼろ納豆」とも呼ばれる。
- すだれ麩のごま酢和えSudare-bu no Goma Zu-ae結城市だけでつくられる、小麦グルテンに再び小麦粉を練り込んで薄く延ばし、すだれで天日干しにした「すだれ麩」を、ごまと酢で和える一皿。城下町の精進料理から生まれたと伝わる。
- たがね餅Tagane Mochiもち米とうるち米を蒸してついた、なまこ形の平たい餅。青のりや大豆、しその実など混ぜる具は地域ごとに違う。正月によくつくられ、焼いたり揚げたりして食べる霞ヶ浦周辺の郷土菓子。
- 手作りさしみこんにゃくTezukuri Sashi Konnyakuこんにゃく発祥の地とされる奥久慈地方で、精粉からつくるためアクが少なく、生のまま刺身で食べられるこんにゃく。わさびや柚子を添え、正月やもてなしの席で振る舞われてきた。
- つけけんちんTsuke Kenchin里芋や大根、こんにゃくを煮込んだ温かいけんちん汁に、太めのそばを別皿でつけて食べる料理。江戸時代後期から水戸藩を中心に広がったとされ、新そばが出る秋から冬によく食べられる。
- うな丼Unadon蒲焼きのうなぎをたれごと熱い飯にのせた丼。牛久沼の茶店で蒲焼きを丼飯にかぶせて船に持ち出した大久保今助の逸話が、今日の形につながったと龍ケ崎市に語り継がれている。
- うなぎの帆引き煮Unagi no Hobiki-ni酒と醤油、砂糖でふっくら煮たうなぎを、霞ヶ浦名物の帆引き船に見立てた笹の葉とともに供する料理。急な来客をもてなすため、冷凍していたうなぎを手早く仕上げる知恵から生まれたという。
この土地が育てる3
- 常陸牛Hitachi Gyu茨城県内で指定生産者が育てる黒毛和種。江戸期に水戸藩が桜野牧で牛を飼育した記録が残る土地柄で、長期肥育によりきめ細かなサシと柔らかな肉質を持つとされる。近年は海外の高級店にも輸出されているという。
- 奥久慈しゃもOkukuji Shamo闘鶏用として気性が荒いシャモを、茨城県の試験場が繁殖力と肉質を高めるよう改良して生まれたとされる。雄で125日、雌で155日ほどかけて育てられ、鶏として初めて地理的表示(GI)に登録されたという。
- ローズポークRose Pork茨城県が独自に育成し1979年に日本初の系統豚として認定した「ローズ」を交配に使う三元豚。大麦を多く含む飼料で育てられ、生産者団体の品質基準を満たしたものだけが名乗れる。
この土地が仕込む5
- ごさい漬けGosai-zuke塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。
- いわしの卯の花漬けIwashi no Unohana-zuke新鮮なイワシを塩と酢でしめ、酢と砂糖で炒ったおからに柚子と唐辛子とともに漬け込む保存食。「卯の花」はおからの別名で、北部の漁港でとれるイワシを長く味わうための工夫と伝わる。
- 紫錦梅Shikinbai水戸藩主・徳川斉昭が偕楽園の梅を余さず使おうと考案したとされる、傷んだ梅の実を割って赤しそと塩で漬け込んだ保存食。梅びしおとも呼ばれ、ご飯やたたききゅうりに和えて食べる。
- わかさぎとれんこんの酢漬けWakasagi to Renkon no Suzuke霞ヶ浦でとれる小魚のワカサギを揚げ、薄切りのれんこんとともに甘酢に漬け込む料理。骨まで丸ごと食べられる手軽さと、酢の効いたさっぱりした後味が特徴。柚子の皮を添えて香りを添えることもある。
- 柚子大根Yuzu Daikon天日干しした大根で柚子の皮を巻き、昆布で結んで甘酢に漬ける冬の一品。北部で柚子がよくとれることから根づいた料理とされ、正月のおせちの箸休めとしていまも親しまれている。
この土地が本場3
- ワカサギWakasagi川魚湖に棲む小魚で、冬の氷上穴釣りの対象として知られる。汽水湖など餌となるプランクトンが豊富な水域で群れをなし、丸ごと天ぷらや南蛮漬けにすると小骨まで気にせず食べられる。汽水湖の霞ヶ浦は餌となるプランクトンが豊富で、帆引き船漁の伝統とともにワカサギ漁が続く。
- アンコウAnkoほかの系統冬に脂が乗る深海魚で、吊るし切りという独特の解体法で捌かれる。あん肝と鍋の具として食べられ、黒潮と親潮がぶつかる好漁場に面した港ほど水揚げが多く、鍋文化として根付いてきた。黒潮と親潮がぶつかる好漁場に面し、吊るし切りとあんこう鍋の食文化が根付いた港町とされる。
- 納豆Natto蒸した大豆を納豆菌で発酵させた保存食で、糸引きの粘りと独特の香りが特徴とされる。関東以北で古くから親しまれ、水戸や仙台など複数の産地がそれぞれの型を伝えている。早生大豆は粒が小さく醤油・味噌の加工には向かなかったため納豆に回されたとされ、1889年の鉄道開通で駅売り土産となったことが産地として広まる契機になったという。