惣菜
チッコ豆腐
Chikko Toufu
出産直後の牛から搾れる初乳を温め、酢を加えて分離させた素朴な豆腐状の一品。8代将軍徳川吉宗が嶺岡牧で白牛を飼育させたことが日本の酪農の始まりとされ、酪農家の間で食べ継がれてきたという。
- 発祥: 千葉県
- 東京から南東へ約70km
何でできているか
牛の初乳を火にかけ、酢を加えて固めた豆腐状の食品だという。搾りたての乳ならではの濃厚なこくがあり、日本の伝統的なチーズの一種として食べられてきた。醤油をかけていただくと、乳のまろやかさと醤油の塩気が引き立て合う味わいになり、地域によって呼び名も製法も少しずつ異なり、今も酪農家の間で大切に食べ継がれている。
どう作るのか
牛乳を沸騰させないよう火にかけて温め、酢を少しずつ回し入れる。水分と豆腐状の部分に分離してきたら火を止め、ざるにあけて水分をよく切る。仕上がったものに醤油をかけて食べるのが基本で、加熱しすぎると分離がうまくいかないため、火加減と酢を加えるタイミングの見極めが求められる、手間と経験のいる作業とされる。
なぜこの形になったのか
産後の牛から出る初乳は傷みが早く一般には流通しないため、酪農家の間だけで食べ継がれてきた食品だったと伝わる。江戸時代に始まったとされるこの地域の酪農の暮らしと結びつき、余った初乳を無駄にしない知恵として、豆腐に似た形に固める食べ方が家々で根づいたとされ、今も地元ならではの味として大切に受け継がれている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ千葉県
- アリランラーメン千葉県長柄町の峠にある一軒から始まったと伝わるラーメン。朝鮮半島の伝説の峠にちなんで名づけられたといい、たっぷりの玉ねぎと豚肉の甘みが溶け込んだ醤油スープに、自家製ラー油とすりおろしニンニクでコクと辛みを重ねる。
- ばらっぱまんじゅう収穫したばかりの小麦を挽いた生地にあんを包み、サルトリイバラ(ばらっぱ)の葉を下に敷いて蒸す北総地域の饅頭。夏祭りやお盆に人が集まると材料を持ち寄ってつくられてきたと伝わる。
- いわしの卯の花漬け酢でしめた背黒イワシを、甘酢で炒ったおからと人参、しょうがとともに漬け込む保存食。おからの白さを卯の花に見立てて名がつき、型崩れや酸化を防ぐ効果もあるとされ、正月のお節や日々の常備食として親しまれてきた。
- 落花生味噌市場に出回らない規格外の落花生を、味噌や砂糖と合わせて炒りつける常備菜。今ほど食料が豊かでなかった時代、農家が余った落花生を無駄にしない工夫から生まれたと伝わる。
- すみつかれ鬼おろしで粗くおろした大根と人参を、節分の豆や酒かすと一緒に煮た料理。栃木県から伝わったとされ、2月最初の午の日にお稲荷様へ供えてから食べる。茨城や埼玉にも同じ名の郷土料理が伝わっている。
- ゆで落花生掘りたての生の落花生をさやごと塩水でゆでる、千葉の産地ならではの季節の味。生の落花生は収穫後すぐに硬くなり出すため、掘りたてをすぐゆでないとおいしくならないという。