ITADAKI ATLAS

発酵・保存

くじらのたれ

Kujira no Tare

体長12mほどのツチクジラの肉を、醤油と酒、しょうがのたれに漬けてから干した保存食。木の皮のように黒く見た目は素朴だが、冷蔵庫のない時代の保存の知恵から生まれ、南房総で暮らした人が里帰りの土産に買い求めるという。

  • 発祥: 千葉県南房総市
  • 東京から南へ約70km
千葉県南房総市

何でできているか

クジラ肉をしょうゆや酒、しょうがを合わせたたれに漬け込み、生乾きになるまで干した保存食だという。見た目は炭や木の皮のように真っ黒で、炙るとたれの香ばしさとクジラ肉特有の風味が立ちのぼる。噛むほどに味わいが増す、酒の肴にもご飯のおかずにもなる一品で、薄くそぎ切りにして炙りながらゆっくり味わうのが一般的とされる。

どう作るのか

クジラ肉をしょうゆと酒、しょうがを合わせたたれに漬け、味を染み込ませる。たれから引き上げて生乾き程度まで干し上げ、食べる際に火であぶる。香ばしく焙られることで、たれの香りと肉の風味が引き立ち、薄くそぎ切りにしていただくことが多く、噛むほどに滋味が広がる、しっかりとした噛みごたえのある仕上がりになる。

なぜこの形になったのか

冷蔵庫のない時代、頻繁に食卓に並んだクジラ肉を長く保存するための工夫として、たれに漬けて干す方法が根づいたと伝わる。深く潜る性質を持つ種類のクジラを突き取る漁法で捕えてきた地域だからこそ、その漁の暮らしとともにこの保存法が受け継がれ、遠方に移り住んだ人が里帰りのたびに買い求める望郷の味にもなっている。

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