ごはんもの
高津のとり飯
Takatsu no Torimeshi
小さく切った鶏もも肉を醤油だけで煮て、炊きたてのご飯に混ぜ込む八千代市高津地区の料理。安産祈願の子安講や豊作を願う八朔の行事で食べられてきたと伝わり、肉を小さく切るのは分け合うためとも硬い肉を食べやすくするためとも言われる。
- 発祥: 千葉県八千代市
- 東京から東へ約30km
千葉県八千代市
何でできているか
醤油で甘辛く煮た鶏もも肉を炊きたてのご飯に混ぜるだけの、素朴な混ぜご飯だという。小さく切った鶏肉の旨みが米の一粒一粒に染み込み、簡素ながら満足感のある味わいになる。安産祈願の集まりや豊作を願う行事の折に食べられてきた、八千代市高津地区に伝わる素朴な郷土料理で、子どもから大人まで幅広く人気が高く、家庭の定番となっている。
どう作るのか
小指の先ほどの大きさに切った鶏もも肉を鍋に入れ、醤油を加えて煮汁がわずかに残る程度までしっかり煮詰める。米一升に対し醤油茶わん一杯という分量が代々伝えられており、炊きたてのご飯に煮た鶏肉を煮汁ごと混ぜ込むだけで仕上がる、手間のかからない料理として広く親しまれ、忙しい日でも短い時間ですぐに仕上げられる。
なぜこの形になったのか
肉が貴重だった時代、誰にでも行き渡るよう鶏肉を小さく切ったという説や、卵を産まなくなった鶏の肉が硬いため細かく刻んだという説が伝わる。限られた食材を工夫して行事の膳にした知恵が、醤油と米だけのシンプルな配合として今も受け継がれ、忙しい現代の食卓にも欠かさず取り入れられ、学校の家庭科の授業でも扱われる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ千葉県
- アリランラーメン千葉県長柄町の峠にある一軒から始まったと伝わるラーメン。朝鮮半島の伝説の峠にちなんで名づけられたといい、たっぷりの玉ねぎと豚肉の甘みが溶け込んだ醤油スープに、自家製ラー油とすりおろしニンニクでコクと辛みを重ねる。
- ばらっぱまんじゅう収穫したばかりの小麦を挽いた生地にあんを包み、サルトリイバラ(ばらっぱ)の葉を下に敷いて蒸す北総地域の饅頭。夏祭りやお盆に人が集まると材料を持ち寄ってつくられてきたと伝わる。
- いわしの卯の花漬け酢でしめた背黒イワシを、甘酢で炒ったおからと人参、しょうがとともに漬け込む保存食。おからの白さを卯の花に見立てて名がつき、型崩れや酸化を防ぐ効果もあるとされ、正月のお節や日々の常備食として親しまれてきた。
- 落花生味噌市場に出回らない規格外の落花生を、味噌や砂糖と合わせて炒りつける常備菜。今ほど食料が豊かでなかった時代、農家が余った落花生を無駄にしない工夫から生まれたと伝わる。
- すみつかれ鬼おろしで粗くおろした大根と人参を、節分の豆や酒かすと一緒に煮た料理。栃木県から伝わったとされ、2月最初の午の日にお稲荷様へ供えてから食べる。茨城や埼玉にも同じ名の郷土料理が伝わっている。
- ゆで落花生掘りたての生の落花生をさやごと塩水でゆでる、千葉の産地ならではの季節の味。生の落花生は収穫後すぐに硬くなり出すため、掘りたてをすぐゆでないとおいしくならないという。