土地
鹿児島県
42件
●生まれた料理 27件(油ゾーメン、あくまき、豚骨野菜 ほか)・●育てる食材 6件(茶美豚、かごしま黒豚、鹿児島黒牛 ほか)・●仕込む 9件(奄美黒糖焼酎、豚味噌、鹿児島茶 ほか)・○本場 3件
この土地で生まれた27
- 油ゾーメンAbura Zomen豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまきAkumaki灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 豚骨野菜Buta Hone Yasai大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁Buta Jiru豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- ふくれ菓子Fukure Gashi小麦粉と重曹、黒糖を混ぜて蒸す郷土菓子で、重曹でふっくら膨らむことからソーダ菓子とも呼ばれる。薩摩藩が奄美・琉球の黒糖生産を独占した歴史を背景に、黒糖菓子として鹿児島に根づいた。
- がねGaneさつまいもと野菜を太めの千切りにし、かにの姿に見立てて揚げた鹿児島の郷土料理。さつまいもが鹿児島弁で「がね」と呼ばれるかにに似ていることが名前の由来とされ、おやつとしても親しまれてきた。
- げたんはGetanha小麦粉と重曹の生地を黒糖で焼き、三角に切って黒糖蜜にくぐらせる菓子。米の集荷地だった横川町で客をもてなすお茶うけとして生まれ、泥に汚れた下駄の歯に見た目が似ることからこの名がついたと伝わる。
- へちま汁Hechima Jiru若いへちまを麦味噌の汁で煮て、ゆでたそうめんにかけて食べる鹿児島の夏の料理。とろりとした食感と自然な甘みが麦味噌の甘さと重なり、お盆の精進料理としても欠かせない一椀である。
- じゃんぼ餅Janbo Mochiつきたての餅に竹串を2本刺し、とろみのある砂糖醤油ダレをかける鹿児島市磯地域の郷土菓子。南北朝時代、谷山城で懐良親王をもてなした逸話に由来すると伝わり、「両棒」と書いて「じゃんぼ」と読む。
- 鹿児島ラーメンKagoshima Ramen豚骨豚骨に鶏や野菜を合わせ、九州の他地域より穏やかな味に仕上げる。麺は太めのストレート。
- ぶり大根Buri Daikon養殖ブリと大根を炊き合わせた冬の定番料理。内湾でブリの稚魚モジャコがよくとれる鹿児島県はブリの養殖が盛んで、身が締まり煮崩れしにくい特産の桜島大根を合わせると味がいっそう深まるとされる。
- からいもごはんKaraimo Gohan角切りのさつまいもを米と一緒に炊きこむ、鹿児島の特産であるさつまいもの甘みを生かした一品。収穫期の9月から11月に多くつくられ、塩をひとつまみ加えると甘さが引き立つとされる。
- からいもねったぼKaraimo Nettaboつきたての餅に蒸したさつまいもを練りこみ、きなこと砂糖をまぶして食べる鹿児島の餅菓子。台風に強く痩せた土地でも育つさつまいもが根づいた歴史を背景に、年末年始の餅つきに欠かせない一品となった。
- かるかんKarukanすりおろした自然薯とかるかん粉を蒸し上げる、蒸す前より軽くなることから「軽羹」と書かれる鹿児島の銘菓。薩摩藩主が江戸から招いた菓子職人が考案したと伝わり、当初は大名家だけの菓子だった。
- かしゃもちKasha Mochiよもぎとさつまいも、黒糖を練った餅を、殺菌効果があるとされるクマタケランの葉で包んで蒸す奄美地域の菓子。葉の芳香が餅に移り、身近な素材だけでつくる先人の知恵が詰まっている。
- 鶏飯Keihan白ごはんにほぐし鶏や錦糸卵、パパイヤの味噌漬けをのせ、鶏ガラスープを注いでさらさらとかきこむ奄美地域の料理。薩摩藩の役人をもてなす膳として生まれたと伝わり、当初はスープなしの炊き込みご飯だったという。
- 串木野まぐろラーメンKushikino Maguro Ramen醤油遠洋まぐろ漁の基地だった鹿児島県串木野港にちなむご当地ラーメン。2000年頃、地元の飲食業者らが町おこしのために開発したとされ、チャーシューの代わりに生まぐろの漬けをのせるのが特徴。
- 枕崎かつおラーメンMakurazaki Katsuo Ramen塩鰹節の産地として知られる鹿児島県枕崎市のご当地ラーメン。2008年度の地域資源プロジェクトで開発されたとされ、枕崎産の本枯節を主体としたあっさりスープに、鰹を使った具を合わせる。
- ミズイカのマダ汁Mizuika no Mada Jiruアオリイカ(ミズイカ)の身と墨袋(マダ)を味噌汁に溶き入れる奄美地域の汁物。イカ墨のまろやかな甘みとコクが持ち味で、マダはのぼせや血圧を下げる薬としても買い求められてきたという。
- 酒ずしSakezushi灰持酒と呼ばれる地酒を振った酢飯に、鯛やエビなど約十種の具を重ねて半日発酵させる鹿児島の押し寿司。花見の宴の残り物から生まれたという言い伝えを持つ、酒の香り立つ一皿。
- 三献Sangon赤椀の吸い物、刺身、黒椀の吸い物を順に食べ、間ごとに家族で焼酎を酌み交わす奄美地域の正月儀礼。室町時代の本膳料理に連なるとされ、いまも奄美では正月行事として根づいている。
- さつまえび雑煮Satsuma Ebi Zoni椀からはみ出すほど大きな焼きエビをのせた正月の雑煮。出水沖で伝統漁法によって獲られたエビを炭火で焼き、島津家に献上していた名残と伝わり、薩摩地域では冬の風物詩として軒先に焼きエビが吊るされる。
- さつま汁Satsuma Jiru鶏肉やごぼう、里芋を煮こんだ具だくさんの味噌汁。薩摩武士が士風高揚のためおこなった闘鶏で、負けた鶏をその場でしめて野菜と煮たのが始まりと伝わり、鶏をよく食べる鹿児島の食文化を今に伝える。
- さつますもじSatsuma Sumoji宮中の女房言葉「すもじ」に由来するちらしずし。地酒の灰持酒を手にひたし、その手で合わせ酢のごはんと具材を豪快に混ぜてつくる庶民のすしで、雛祭りなど春の祝いに欠かせない。
- 白熊Shirokuma削り氷に練乳をかけ、チェリーやみかん、小豆を色とりどりにのせた鹿児島発祥の氷菓。上から見た姿が白熊に似ることからこの名がついたと伝わり、夏の鹿児島を象徴する一品として親しまれている。
- 豚骨Tonkotsu骨付きあばら肉を焼いてから芋焼酎で炒りつけ、麦味噌と黒砂糖でじっくり煮こむ鹿児島の料理。薩摩武士の野外料理が始まりと伝わり、西郷隆盛の好物でもあったという。焼酎が臭みを消し身を柔らかくする。
- 鶏刺しTorisashi刺身用の鶏肉をあぶって薄く削ぎ切りにし、青じそやおろししょうがを添えて醤油でいただく。闘鶏で負けた鶏をしめて食べた文化に連なると伝わり、県独自の生食加工基準を満たした鶏肉だけが流通している。
この土地が育てる6
- 茶美豚Chamiton緑茶粉末とさつまいもを加えた専用飼料で育てる豚。カテキンとビタミンEの抗酸化作用により、肉の鮮度が保たれ臭みが少なくなるとされ、鹿児島県を中心とした農場で飼育される。
- かごしま黒豚Kagoshima Kurobuta明治期に英国から導入されたバークシャー種を鹿児島で改良した黒豚。肥育後期にさつまいもを加えた飼料を60日以上与えることで、脂の甘みときめ細かな肉質につながるとされる。
- 鹿児島黒牛Kagoshima Kuroushi鹿児島県内での飼養期間が最も長く、県内を最終肥育地とする黒毛和種。不飽和脂肪酸のバランスが良く、融点の低い霜降りが口の中でとろけるような食感につながるとされる。
- 霧島高原純粋黒豚Kirishima Kogen Junsui Kurobuta農事組合法人の牧場が霧島高原の自然の中で飼育する純粋バークシャー種の黒豚。他品種を交えない血統を保つことが、かごしま黒豚の中でもきめ細かな肉質につながるとされる。
- 黒さつま鶏Kuro Satsuma-dori闘鶏用に作られた薩摩鶏を父に、在来種の横斑プリマスロックを母に持つ地鶏で、鹿児島県畜産試験場が6年かけて開発したとされる。平成23年度から本格的に出荷されているという。
- 薩摩地鶏Satsuma Jidori国の天然記念物である薩摩鶏の血を引く地鶏で、薩摩藩の時代から観賞・闘鶏用に飼われてきたとされる系統をもとに作られたという。120〜150日ほどかけて育成される。
この土地が仕込む9
- 奄美黒糖焼酎Amami Kokuto-jochu黒糖・泡盛鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚味噌Buta Misoゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。
- 鹿児島茶Kagoshima-cha産地荒茶の生産量が多い鹿児島県の茶どころ。全国では「やぶきた」という単一品種が主流だが、鹿児島では多様な品種が栽培され、産地ごとの個性や需要に応じた茶づくりが行われているという。
- 鹿児島の碾茶Kagoshima no Tencha産地抹茶の原料となる碾茶の生産量が近年大きく伸びたとされる鹿児島県の茶。世界的な抹茶需要の高まりを背景に生産が急拡大し、伝統的な産地とされてきた宇治や愛知と並ぶ存在になってきたという。
- 黒酢Kurozu屋外に並べた壺の中で米・麹・水を仕込み、発酵と熟成を1年前後かけて行う米酢。鹿児島県霧島市福山町が発祥地とされ、良質な水と米、壺づくりに適した気候風土が揃ったことで生まれたとされる。
- みきMiki米粉とさつまいも、砂糖を発酵させた乳酸菌飲料。祭事で神に捧げる口噛み酒を起源とすると伝わり、できたては甘く、日が経つほど酸味が増していく変化も奄美地域では好まれている。
- 薩摩焼酎Satsuma Shochu芋鹿児島県産のさつまいもと水を原料に、県内(奄美市・大島郡を除く)で単式蒸留し容器詰めまで行った芋焼酎だけが名乗れる呼び方。2005年に世界貿易機関の地理的表示として認められたという。
- 種子島の芋焼酎Tanegashima Imo-jochu芋鉄砲伝来の地として知られる種子島の芋焼酎。1698年、島主が琉球王国から甘藷を譲り受けたとする説が伝わり、甘藷(さつまいも)伝来の地のひとつとして語られているという。
- つぼ漬けTsubo-zuke干した大根を甘めの味付けで漬け込む鹿児島の漬物。カレーライスの添え物としてもおなじみで、大根を原料にする漬物として東京のべったら漬けや秋田のいぶりがっこと並び語られることもあるという。
この土地が本場7
- 九州麦味噌Kyushu mugi miso名産地温暖な気候により熟成期間が短く、色が淡く甘口に仕上がるとされる九州の麦味噌。米作りより麦の裏作が根付いていた土地の事情から広まったとされ、塩分は全国平均より低めのものが多いとされる。麦味噌の主要な生産地の一つとされる。
- 黒糖Kokuto名産地サトウキビの搾り汁を精製せずそのまま煮詰めて固める、ミネラルを多く含む砂糖。沖縄の離島群や奄美群島で江戸時代から作られてきたとされ、上白糖にはないコクのある風味が特徴とされる。サトウキビ栽培に適した亜熱帯気候の奄美群島が、黒糖の主産地の一つとされる。
- カンパチKanpachi白身名産地ブリに似るが身が締まり脂は控えめな高級魚で、夏が旬とされる。天然物は黒潮に近い海域で獲れ、養殖物は穏やかな湾内で育てられるため、産地によって身の締まりと脂のりの傾向が異なるとされる。
- 九州甘口醤油Kyushu amakuchi shoyu名産地砂糖や甘味料を加えて仕込む、九州各地で好まれる甘口の醤油。江戸期の南蛮貿易で砂糖が早くから流通したことや、新鮮な魚を甘みで引き立てる食習慣が背景にあるとされ、刺身醤油として定着している。九州甘口醤油の主要な生産・消費地の一つとされる。
- キビナゴKibinago青魚体側に銀色の帯を持つ小魚で、手開きにした刺身を菊の花のように盛る「菊花造り」で知られる。鮮度落ちが早いため島の周りの澄んだ海で獲れてすぐ食べる文化が根付き、鮮度が命の魚とされる。甑島周辺の澄んだ海が漁場となり、鮮度が命の刺身文化とともにキビナゴ漁の中心地として知られる。
- タチウオTachiuo白身銀色に光る太刀のような細長い魚で、皮ごと食べられる。塩焼きやムニエルで脂の乗った身を楽しみ、黒潮に近い海域で一本釣りされる型の大きな個体ほど脂のりが良く、高値で取引される。黒潮に近い海域で一本釣りされる指宿のタチウオは、型が大きく「山川一本釣りたちうお」として知られる。
- 芋焼酎Imo-jochu芋さつまいもと米麹(または麦麹)を原料に単式蒸留機で仕上げる焼酎。ふかし芋のような甘い香りと厚みのある甘みが特徴とされ、黄金千貫という品種が主原料として広く使われているという。地理的表示「薩摩」の生産基準地域で、水はけの良いシラス台地がさつまいも栽培に適していたことから芋焼酎の中心的な産地になったとされる。