肉 ── 地鶏
薩摩地鶏
Satsuma Jidori
国の天然記念物である薩摩鶏の血を引く地鶏で、薩摩藩の時代から観賞・闘鶏用に飼われてきたとされる系統をもとに作られたという。120〜150日ほどかけて育成される。
- 発祥: 鹿児島県鹿児島市
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県鹿児島市
系譜
薩摩地鶏黒さつま鶏
何でできているか
よく動く分だけ肉が締まり、脂よりも赤身の旨みで食べさせるタイプとされる。鹿児島では鶏を生や湯引きで味わう鶏刺し文化が根強く、締まった肉質と臭みの少なさがその食べ方を支えてきたとも考えられている。噛むほどに濃い旨みが返ってくる点も特徴という。焼き鳥にしても身崩れしにくく、みそ焼きなど濃い味付けとも相性が良いとされる。
どう作るのか
国の天然記念物である薩摩鶏の血を引く系統をもとに作られたとされ、薩摩藩の時代から観賞・闘鶏用に飼われてきた歴史を持つ。120〜150日ほどかけて育成され、闘鶏由来の筋肉の締まりがそのまま肉質の強さに表れるという。飼育密度を抑え、運動できる環境を整えることも重視されている。出荷される個体は月齢や体格が細かく管理され、品質のばらつきを抑える工夫がされているという。
なぜこの形になったのか
薩摩鶏はもともと食用ではなく、藩の威信を映す観賞・闘鶏用の鳥として大切にされてきたとされる。時代が下って食用に改良された今も、鑑賞用として鍛えられた体つきの名残が、締まった歯ごたえという形で残っているといえる。生食文化が根付く土地柄も、その肉質の良さを裏づける一因とされる。鶏刺しという生食文化そのものが、衛生管理を徹底した飼育があってこそ成り立つとも語られている。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。