麺 ── ラーメン
鹿児島ラーメン
Kagoshima Ramen
豚骨に鶏や野菜を合わせ、九州の他地域より穏やかな味に仕上げる。麺は太めのストレート。
- 発祥: 鹿児島県鹿児島市
- 豚骨
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県鹿児島市
何でできているか
豚骨に鶏がらと野菜を合わせただしは、白く濁りきらない、やや澄んだ色合いに仕上がる。かん水を使わない麺は白く柔らかで、噛むとほろりとほどける食感がある。九州の豚骨ラーメンの中でも、際立って穏やかな口当たりの一杯とされ、価格帯はやや高めで、食後に温かいお茶や漬物が添えられるという、この土地ならではの独特の食文化も今なお残っている。
どう作るのか
豚骨に鶏がらと野菜を加えてじっくり炊き出すことで、乳化を強めすぎず、まろやかな風味に仕上げる。麺はかん水を使わずに仕立てるため、色が白く柔らかいのが特徴で、濃厚だが重すぎないスープとよく合う。時間をかけて丁寧に手間を惜しまず炊き出すこの手法こそが、豚骨でありながら角の取れたまろやかな味わいを生んでいるとされる。
なぜこの形になったのか
一説によると、戦後まもなくこの地で店を開いた創業者は、横浜で看護師として働いていた際、患者として入院していた中国人の料理人からスープの作り方を教わったのが始まりと伝わる。福岡や熊本の豚骨ラーメンの多くが久留米の系統を汲む中、鹿児島だけは久留米の系統から離れ、まったく独自の経路をたどって発展したとされ、それが鶏がらと野菜を加えた穏やかな味わいにつながったと読める。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。