酒 ── 焼酎・泡盛
奄美黒糖焼酎
Amami Kokuto-jochu
鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 発祥: 鹿児島県奄美市
- 黒糖・泡盛
- 東京から南西へ約1260km
鹿児島県奄美市
系譜
奄美黒糖焼酎
何でできているか
原料はサトウキビから作る黒糖と米麹で、鹿児島県のうち奄美群島の蔵元だけが、この組み合わせで焼酎を造ることを法律上認められているとされる。サトウキビ栽培が盛んなこの島々ならではのコクのある甘い香りを持ちながら、米麹による発酵と蒸留を経て後味はすっきりとまとまるとされ、ラム酒とはまるで違う個性を持つという。黒糖の質や煮詰め方の違いによっても、香りの出方が蔵ごとに微妙に変わってくるとされている。
どう作るのか
米麹と水で一次もろみを仕込んで酵母をしっかり育て、そこへゆっくりと溶かした黒糖を加える二次仕込みで発酵を丁寧に進めていくとされる。米麹を使うことが酒税法上の特例条件になっており、この条件を満たさなければ焼酎ではなくスピリッツという別の酒類として扱われることになるという。発酵後は単式蒸留機で一度だけ蒸留される。
なぜこの形になったのか
1953年、奄美群島が日本へ返還された際、酒税に関する暫定措置として、米麹を使うことを条件に黒糖を原料とする蒸留酒を焼酎として扱うことが認められたと伝わる。この特例が今も大島税務署管内の奄美群島だけに適用されているため、黒糖焼酎は法律上この島々でしか造れない、全国でも珍しい焼酎という形になったという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。
- 茶美豚緑茶粉末とさつまいもを加えた専用飼料で育てる豚。カテキンとビタミンEの抗酸化作用により、肉の鮮度が保たれ臭みが少なくなるとされ、鹿児島県を中心とした農場で飼育される。