甘味
かるかん
Karukan
すりおろした自然薯とかるかん粉を蒸し上げる、蒸す前より軽くなることから「軽羹」と書かれる鹿児島の銘菓。薩摩藩主が江戸から招いた菓子職人が考案したと伝わり、当初は大名家だけの菓子だった。
- 発祥: 鹿児島県鹿児島市
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県鹿児島市
何でできているか
すりおろした大和芋に砂糖とかるかん粉を合わせて蒸しあげた鹿児島県の銘菓とされる。蒸しあがると生地がふんわりと軽くなり、山芋ならではのほのかな風味とやさしい甘さが口に広がる。あんを包んだ「かるかんまんじゅう」も親しまれ、蒸す前より軽くなることが名の由来ともいわれ、口に含むとすっと溶けるようなきめ細かさがこの菓子ならではの持ち味になっている。
どう作るのか
すりおろした大和芋に水を加え、さらに砂糖とかるかん粉を混ぜ合わせる。生地を等分してあんを包み、蒸し器で30分弱蒸す。かるかん粉がない場合は上新粉でも代用できるという。すりおろした山芋の粘りが生地のふんわりとした食感を左右するため丁寧にすりおろすことが大切とされ、強すぎる火加減を避けじっくりと蒸気を通すこともふんわり感を保つこつだという。
なぜこの形になったのか
シラス台地が広がる鹿児島県では原料の自然薯が多く自生し、奄美地域や琉球から砂糖も入手しやすかったことから根づいたと伝わる。薩摩藩主・島津斉彬が招いた菓子職人がつくったという説が有力とされ、当時は貴重な砂糖を使うため大名家で食べられる菓子であり、庶民に広まったのは明治時代からだとされる。秋から冬にかけての自然薯の旬は「軽羹の旬」とも呼ばれるという。
食べに行く前に
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対比
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。