酒 ── 焼酎・泡盛
薩摩焼酎
Satsuma Shochu
鹿児島県産のさつまいもと水を原料に、県内(奄美市・大島郡を除く)で単式蒸留し容器詰めまで行った芋焼酎だけが名乗れる呼び方。2005年に世界貿易機関の地理的表示として認められたという。
- 発祥: 鹿児島県
- 芋
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県
系譜
何でできているか
原料は鹿児島県産のさつまいもと水に限られ、他県産の芋を使ったものはこの名を名乗れないとされる。さつまいも由来の華やかで芳醇な香りと、甘く濃厚な味わいが特徴とされ、県内80を超える蔵元がそれぞれの黄金千貫や紫芋などの品種、黒麹や白麹の選び方によって個性を競い合っているとされ、同じ薩摩焼酎でも蔵ごとに輪郭が大きく異なるという。
どう作るのか
鹿児島県内で栽培・収穫されたさつまいもを原料に、県内で製麹・仕込み・蒸留・容器詰めまでの全工程を行うことが地理的表示「薩摩」の条件とされる。単式蒸留機による蒸留に限られ、県内であっても奄美市・大島郡は黒糖焼酎の産地として別枠で扱われており、この地理的表示の対象地域からは明確に除かれているとされている。貯蔵にかめや樽を使う蔵もあり、それぞれの容器と工夫が個性を打ち出しているとされる。
なぜこの形になったのか
水はけの良いシラス台地が広く分布する鹿児島は、江戸期からさつまいも栽培が盛んで、米が育ちにくい土地でも実る芋を蒸留酒に仕立てる文化が育まれてきたとされる。この土地と原料の結びつきが国際的にも認められ、2005年に世界貿易機関のTRIPS協定に基づく地理的表示として「薩摩」の産地呼称が保護されるようになったと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。