肉 ── 地鶏
黒さつま鶏
Kuro Satsuma-dori
闘鶏用に作られた薩摩鶏を父に、在来種の横斑プリマスロックを母に持つ地鶏で、鹿児島県畜産試験場が6年かけて開発したとされる。平成23年度から本格的に出荷されているという。
- 発祥: 鹿児島県鹿児島市
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県鹿児島市
系譜
黒さつま鶏薩摩地鶏
何でできているか
薩摩鶏譲りの締まった肉質と、プリマスロック譲りの飼いやすさを併せ持つとされる。羽色の黒さそのままに、肉の味も濃く引き締まっているという。噛むほどに闘鶏由来の力強い旨みが感じられる点も特徴とされる。みそ焼きや鍋にしても身が締まったままで、闘鶏由来の力強い旨みが最後まで残るとされる。皮は厚めで、焼くと香ばしさがしっかり立つとされる。
どう作るのか
闘鶏用に作られた薩摩鶏を父に、在来種の横斑プリマスロックを母に持つ地鶏で、鹿児島県畜産試験場が6年かけて開発したとされる。平成23年度から本格的に出荷されているという。6年という歳月には、繁殖性と肉質を両立させるための試行錯誤が重ねられたとされる。薩摩鶏の繁殖性の低さを補うため、母系にプリマスロックを選ぶことで安定した生産を目指したと伝わる。
なぜこの形になったのか
鹿児島は薩摩鶏という闘鶏文化の血統を大切にしてきた土地とされ、その血を絶やさず食用に転じさせる試みが重ねられてきたという。同じ薩摩鶏の血を引く薩摩地鶏とは異なる母系を選ぶことで、もう一つの選択肢を用意しようとしたとも読める。黒い羽色が、闘鶏文化の名残を今に伝えているとされる。薩摩地鶏と黒さつま鶏という二つのブランドが並び立つことで、鹿児島の地鶏文化に幅を持たせているといえる。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。