酒 ── 焼酎・泡盛
種子島の芋焼酎
Tanegashima Imo-jochu
鉄砲伝来の地として知られる種子島の芋焼酎。1698年、島主が琉球王国から甘藷を譲り受けたとする説が伝わり、甘藷(さつまいも)伝来の地のひとつとして語られているという。
- 発祥: 鹿児島県西之表市ほか(種子島)
- 芋
- 東京から南西へ約980km
鹿児島県西之表市ほか(種子島)
系譜
種子島の芋焼酎
何でできているか
原料はさつまいもで、鹿児島県本土の芋焼酎と原料・製法の骨格は共通するとされる。温暖な海洋性気候と水はけの良い土壌が、さつまいも栽培に適した環境を作り出しているといわれ、島の蔵元が育てる品種や麹の選び方によって、それぞれ異なる香味を持つ酒質になるという。米づくりに向かない土地柄も本土の芋焼酎と共通する背景とされる。
どう作るのか
米麹または麦麹で一次もろみを仕込み、蒸してつぶしたさつまいもを加える二次仕込みで発酵を進めるのは、鹿児島本土の芋焼酎と同じ基本形とされる。単式蒸留機で一度だけ蒸留され、島内で長く大切に受け継がれてきた製法をそのまま守りながら、それぞれの蔵がわずかな配合の違いや独自の熟成方法を絶えず工夫しているという。貯蔵の期間や方法によっても、それぞれの蔵が持つ個性が色濃く現れてくるとされる。
なぜこの形になったのか
種子島は、元禄11年(1698年)に当時の島主が琉球王国から甘藷を譲り受けたと伝わる、甘藷伝来の地のひとつとされ、鉄砲伝来の地としても広く知られている。水はけの良い土地で米づくりが難しかった種子島でも、この芋がよく育ったことから、身近な原料を蒸留酒に仕立てる文化がこの島でも同じように育まれてきたと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。