甘味
からいもねったぼ
Karaimo Nettabo
つきたての餅に蒸したさつまいもを練りこみ、きなこと砂糖をまぶして食べる鹿児島の餅菓子。台風に強く痩せた土地でも育つさつまいもが根づいた歴史を背景に、年末年始の餅つきに欠かせない一品となった。
- 発祥: 鹿児島県鹿児島市
- 東京から南西へ約970km
鹿児島県鹿児島市
系譜
からいもねったぼからいもごはん
何でできているか
つきたての餅に蒸したさつまいもを練り込んだ餅料理で、きなこと砂糖、少々の塩をまぶしていただく。さつまいもの自然な甘みと餅のもちもちした食感が合わさり、素朴で食べ飽きない味わいになる。“からいも”はさつまいものことで、“からいもんねーぼ”と呼ぶ地域もあり、きなこの香ばしさが加わることでさつまいもの甘みがより引き立つ仕上がりになる。
どう作るのか
さつまいもを蒸す途中で市販の切り餅をのせて一緒に蒸し、柔らかくなったらつき混ぜる。全体がなじんだら食べやすくちぎり分け、きなこと砂糖、塩を混ぜたものをまぶしていただく。さつまいもと餅の割合はおよそ3対1が目安とされ、つき加減によって口当たりが変わるという。つき混ぜる際にさつまいもの繊維をしっかりつぶすと、より滑らかな口当たりになるという。
なぜこの形になったのか
シラス台地が広がり台風の被害も受けやすい鹿児島県では、やせた土壌でも育ちやすく地中で実るさつまいもの栽培が強く根づいたと伝わる。年末年始の餅つきの際に、身近なさつまいもを練り込んでつくる習わしが広まり、正月の食卓に欠かせない一品として定着したとされる。名の由来には「練ったぼたもち」からきたという説や、餅を「ぼったぼったと練ってつく」ところから来たという説もあるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ鹿児島県
- 油ゾーメン豚肉とそうめんをだし汁ごと炒め、油と出汁を乳化させてまとわせる奄美地域の一皿。小麦を育てない奄美でそうめんが根づいた経緯は定かでないが、八月踊りなど人が集まる行事に欠かせない。
- あくまき灰汁に浸したもち米を孟宗竹の皮で包み、灰汁水で数時間煮こむ端午の節句の餅菓子。西郷隆盛も戦陣食として食べたと伝わり、灰汁のアルカリ性が雑菌の繁殖を抑え、高温多湿の鹿児島で長期保存を可能にした。
- 奄美黒糖焼酎鹿児島県の奄美群島だけで製造が許されている黒糖焼酎。サトウキビの栽培が盛んなこの島々ならではの甘い香りを持つとされ、約30の蔵元が米麹を使う酒税法上の条件を守りながら個性を競っているという。
- 豚骨野菜大きく切った骨付き豚肉とツワブキ、大根、里芋の在来種コシャマンを大鍋で煮こむ、奄美地域の大晦日に欠かせない料理。別名ウァンフィネヤッセといい、島豚を余さず食べ尽くす知恵の一皿とされる。
- 豚汁豚肉と大根、里芋などを煮こむ味噌汁で、飼育頭数の多い鹿児島の豚と、麹が多く甘みの強い麦味噌を合わせてつくる。冬に体を温める一椀として、家庭でも給食でも広く親しまれている。
- 豚味噌ゆでた豚肉を味噌や砂糖と混ぜ合わせてつくる常備菜。奄美地域では落花生やカツオ節も加える。年に一度しめる島豚を余さず食べるため、保存のきく料理として塩漬けなどとともに生まれたと伝わる。