土地
宮城県
33件
●生まれた料理 29件(油麩丼、ばっけ味噌、どんこ汁 ほか)・●育てる食材 1件(仙台牛)・●仕込む 3件(あざら、笹かまぼこ、仙台味噌)・○本場 5件
この土地で生まれた29
- 油麩丼Aburafu Don棒状にして揚げた油麩を、かつ丼のように甘辛い出汁で煮て卵でとじ、ご飯にのせた登米市の丼。豆腐店が保存の利く麩を考案したのが始まりで、地元旅館の女将が丼に仕立てたと伝わる。
- ばっけ味噌Bakke Miso春先に摘んだふきのとう(方言で「ばっけ」)を茹でて刻み、くるみや味噌と練り合わせた常備菜。冬にたまった体の毒を出すとして好まれ、温かいご飯や焼き魚に添えて食べると伝わる。
- どんこ汁Donko Jiru石巻港や気仙沼港で水揚げされるドンコを大根や豆腐とともに味噌で仕立てた冬の汁物。口が大きく尻がすぼまる姿から金運の縁起魚とされ、えびす講に神棚へ供える風習も伝わる。
- エビ餅Ebi Mochi田んぼの用水路や沼で獲れる沼エビを醤油と酒で調味し、つきたての餅に姿のまま絡めた栗原の餅料理。紅白の彩りが美しく、正月に来客をもてなす一皿として代々受け継がれてきたと伝わる。
- ふすべ餅Fusube Mochi素焼きにして囲炉裏でいぶしたドジョウを粉状にし、大根やごぼうと炒め煮にして醤油と唐辛子で仕上げた餡を、つきたての餅に絡める。海から遠い栗原の内陸ならではの餅料理と伝わる。
- がんづきGanzuki小麦粉と黒砂糖、重曹に酢を加えて練り、蒸し上げる素朴な蒸しパン。ふんわりしつつ食べ応えがあり、姿が雁の肉に似ることが名の由来と伝わる、宮城で古くから親しまれてきた日常のおやつ。
- 呉汁Gojiru一晩水に浸した大豆をすりつぶした「呉」を、里芋や大根、油揚げの入った味噌汁に加えた汁物。大豆の栽培面積が全国2位という宮城で、体を温める冬の家庭料理として伝わる。
- はらこ飯Harako Meshiサケの煮汁で炊いたご飯に、ほぐした身と煮汁にくぐらせたいくらをのせる亘理町の郷土食。阿武隈川を遡るサケを地引網で獲っていた漁師飯が、伊達政宗への献上を経て広まったと伝わる。
- はっと汁Hatto Jiru水で練った小麦粉を薄く伸ばして手でちぎり、季節の野菜や鶏肉とともに出汁で煮込んだ汁物。米が不足した藩政時代の登米地方で代用食として広まり、のちに名がついたと伝わる。
- へそ大根のにしめHesodaikon no Nishime輪切りの大根を茹でて串を通し、冬の寒風で一か月ほど干した「へそ大根」を、人参や凍み豆腐と煮しめにした丸森町の料理。串を抜いた穴がへそに見えることが名の由来と伝わる。
- ほっきめしHokki Meshi生のホッキ貝を醤油だれで煮て、その煮汁で炊いたご飯に身をのせた炊き込みご飯。厚みのある大ぶりの貝で、ホッキ漁が盛んな山元町の家庭料理から、町を代表するご当地グルメへと育ったと伝わる。
- ホヤの酢の物Hoya Sunomono殻から取り出した新鮮なホヤの身を、きゅうりやみょうが、青しそとともに酢で和えた初夏の一品。三陸のリアス海岸で養殖され、生産量の8割を宮城が担うと伝わる、磯の香りの立つ料理。
- いちじくの甘露煮Ichijiku no Kanroni加工用の青いいちじくを、水と砂糖、レモン汁だけでコトコト煮詰めるシンプルな保存食。県南地区を主産地に9月から10月にかけて各家庭で仕込まれ、瓶詰めにして分け合うと伝わる。
- 石巻焼きそばIshinomaki Yakisoba1931年頃、市内の中国人経営の食堂が出していた「焼麺」が原点とされる。戦後、地元製麺所が中力粉の麺を二度蒸しする製法を編み出し、蒸すことで茶色く色づいた生麺を魚介だしで蒸し焼きにするのが石巻の型。
- いわなの塩焼きIwana Shioyaki清流にのみ棲むイワナを串に刺し、塩を振って炭火でじっくり焼く一品。日本で初めてイワナ養殖に成功したのが宮城県栗原市で、清らかな水で育ち臭みのない甘みのある身が持ち味と伝わる。
- 柿なますKaki Namasu紅白なますに、寒風にさらして干した「ころ柿」を加えた正月料理。丸森町や白石市でつくられる渋柿の干し柿が甘みを蓄え、大根の歯ざわりと合わさる縁起の良い一皿と伝わる。
- きしゃず炒りKishazu Iri豆腐を作る際に出るおから(きらず)を、人参やごぼう、干ししいたけと出汁で炒め煮にした常備菜。切らずに使える食材であることが名の由来ともいわれる、宮城の日常のおかず。
- みょうがの葉焼きMyoga no Hayaki小麦粉ともち米粉に砂糖と味噌を練り合わせ、みょうがの葉に包んで焼くおやつ。葉の香りが移った素朴な甘さがあり、農作業の合間やお盆の供え物として食べられてきたと伝わる。
- ナメタガレイの煮つけNameta Garei Nitsukeぬめりの多い大ぶりのカレイを切り身にして醤油だれで煮つけ、大みそかから正月にかけて食べる仙台の魚料理。冬に子持ちで卵が黄金色になることから縁起物として定着したと伝わる。
- なす炒りNasu Iri仙台長なすを刻み、油麩や油揚げとともに醤油で炒めて片栗粉でとろみをつけた常備菜。伊達家家臣が持ち帰ったなすが東北の気候になじみ独特の形になったのが始まりと伝わる。
- おくずかけOkuzukake里芋やごぼうなど数種の野菜、豆腐、白石温麺をしいたけの戻し汁で煮て、くず粉でとろみをつけた精進料理。県南地域で春秋の彼岸やお盆に、法事に集まった人をもてなす一椀として食べられてきたと伝わる。
- サンマのきがきSanma Kigaki頭とうろこを落としたサンマを、大根おろしごと煮込んで醤油で仕上げる気仙沼の家庭料理。かつて塩蔵カツオの漬け汁を魚醤のように使った調味法「きがき」の名残と伝わる。
- サンマのすり身汁Sanma Surimijiru秋に水揚げされるサンマをたたいてすり身にし、団子状にして大根などの野菜と煮た汁物。石巻地域では松葉に見立てた大根の千切りを加え「松葉汁」とも呼ばれ、家庭や飲食店で日常的に食べられてきたと伝わる。
- 笹かまぼこの磯部揚げSasa Kamaboko Isobeage宮城名産の笹かまぼこに青のりを混ぜた衣をつけて揚げる一品。ヒラメなど白身魚のすり身を手のひら状に焼いた保存食が起源で、伊達家の家紋にちなみ笹かまぼこと呼ばれるようになったと伝わる。
- 仙台辛味噌ラーメンSendai Karamiso Ramen味噌濃厚な味噌スープに辛味噌を溶かしながら味を作っていく仙台の型。
- 仙台雑煮Sendai Zoni焼いて干したハゼでとった出汁に、はらこ(いくら)や仙台せり、大根とごぼうの「おひきな」を加えた正月の雑煮。江戸時代末期から仙台の正月三が日に食べられてきたと伝わる。
- しそ巻きShiso-maki味噌とくるみの餡を青しそで巻いて揚げた宮城の郷土料理。鳴子温泉の湯治客のために伊達政宗が作らせたという言い伝えがあり、砂糖を加えておやつとしても食べられるようになったとされる、味の濃い一品である。
- たけのこご飯Takenoko Gohan春に掘り出した孟宗竹のたけのこを、人参や油揚げとともに炊き込んだご飯。丸森町や名取市など各地で食べきれないほど採れ、田植えや行楽の弁当として食卓に上ると伝わる。
- ずんだ餅Zunda Mochi茹でた枝豆をすりつぶし、砂糖で甘みを加えた鮮やかな緑の餡を、つきたての餅にからめた菓子。正月や婚礼など餅を食べる行事の多い宮城で、来客用の一品として親しまれてきたと伝わる。
この土地が育てる1
この土地が仕込む3
- あざらAzara長く漬け込んで酸味の増した白菜の古漬けと、メヌケのあらを酒粕でじっくり煮込む気仙沼の料理。冷めても、翌日煮返してもうまみが増すと伝わる、庶民に親しまれてきた一皿。
- 笹かまぼこSasa Kamabokoすり身を笹の葉の形に整え、串を使わず焼き上げた仙台の蒲鉾。表面は香ばしく焼け、中はふっくらとした弾力を持ち、生産量は全国有数とされる。1972年に名称が商標登録され、県内業者が使えるようになったと伝わる。
- 仙台味噌Sendai miso仙台藩祖・伊達政宗が城下に専用の味噌蔵を設けたのが始まりと伝わる、赤褐色で塩気の強い長期熟成味噌。朝鮮出兵の際に他藩の味噌が腐敗する中、仙台藩の味噌だけが変質しなかったとの逸話が伝わる。
この土地が本場13
- 真牡蠣Magaki名産地冬が旬の養殖牡蠣。広島が全国の6割を占め、宮城・岡山が続く。
- ひとめぼれHitomebore名産地コシヒカリを親に持つ耐冷性の品種とされ、あっさりとした食味が特徴。1991年の記録的な冷害を機に、宮城県で本格的な育成が進んだとされる。現在では宮城県だけでなく東北・関東など幅広い地域で作付けされているとされる。宮城県古川農業試験場で育成されたとされる。
- ササニシキSasanishiki名産地あっさりした粘りの少なさが寿司や和食の職人に好まれたとされる品種。冷害に弱く、1993年の大冷害以降は作付けが大きく減ったといわれている。近年は栽培技術の見直しにより、再評価の動きも見られるとされている。宮城県で育成され、かつては東日本の主力品種だったとされる。
- だて正夢Date Masayume名産地宮城県がササニシキ以来のブランド米として育成したとされる品種。粒が大きく、しっかりした旨みと粘りを持つといい、伊達政宗の「正夢」にちなむ名という。宮城県産米では初めて特Aを複数年連続で獲得したとされる期待の品種という。宮城県が満を持して売り出したブランド米とされる。
- カツオKatsuo赤身名産地黒潮に乗って北上する回遊魚で、初夏の初鰹はあっさりと脂が少なく、秋に南下する戻り鰹は脂がのって濃厚になる。藁の香ばしさをまとわせた「たたき」や刺身で食べられ、黒潮に近い港ほど鮮度と旨みが際立つとされる。
- メカジキMekajiki白身剣のように長く伸びた吻を持つ大型魚で、ステーキのような厚切りの切り身で照り焼きやフライにされる。近海はえ縄漁で獲れる三陸沖の漁場に面した港ほど水揚げが多く、全国有数の産地となっている。三陸沖の好漁場に面し、近海はえ縄漁を主体にメカジキの水揚げ量で全国有数を占める港として知られる。
- アイナメAiname白身名産地岩礁に棲む白身魚で、江戸前で刺身や煮付けにされる。動きが少なく居着く性質から地域ごとに味の違いが出やすく、東北の港では肝も珍味として食べられるなど、地魚として親しまれてきた。
- ホヤHoyaほかの系統岩に固着して生きる原索動物。独特の磯とパイナップルを思わせる香りと、食べた後に口の中に残る独特の甘みを持ち、好みが分かれる珍味として知られる。生のまま刺身や酢の物で食べられ、夏が旬とされる。入り組んだリアス式海岸と親潮・黒潮が混ざる海域が養殖に適しているとされ、国内養殖の中心地として知られる。
- 赤貝Akagai貝名産地血液にヘモグロビンを含み、身が赤みを帯びる二枚貝。江戸前寿司の伝統的なネタの一つで、コリコリとした歯切れのよい食感と鉄分を感じる独特の風味を持つ。ひもと呼ばれる縁側の部分も酢の物などで食べられる。閖上をはじめ仙台湾沿岸が主な水揚げ地の一つとされる。
- かまぼこKamaboko白身魚のすり身に塩を加えて練り、板の上に盛って蒸し上げた練り物。プリッとした弾力と魚の淡い甘みが持ち味で、蒸すか焼き抜くかなど地域ごとに仕上げ方が分かれる。祝いの席に出す高級品だった時代もあるという。三陸沖の好漁場と、焼き抜きで仕上げる笹かまぼこの発展が結びつき、蒲鉾の生産・消費量が全国有数とされる地域になった。
- 冷やし中華Hiyashi Chuka茹でた中華麺を冷水で締め、錦糸卵やハム、きゅうりを彩りよく並べて酢の効いたたれをかける夏の麺。中国の冷たい和え麺「涼拌麺」がヒントとされるが、酢醤油だれで食べる形は日本で独自に育ったという。老舗中国料理店「龍亭」の創業者・四倉義雄が1937年(昭和12年)、中華料理店に共通する夏場の売上減という課題に応えて、栄養バランスと酸味で食欲を保つ「涼拌麺」を開発したと自ら伝えており、今も元祖を名乗る。
- たらこTarako名産地すけとうだらの卵巣を塩漬けにした加工品で、辛子明太子のもとになった素材でもある。ほのかな塩気と粒のはじける食感を活かし、焼いてもそのままでも白飯に添えられる、和食全般で使われる定番の食材とされる。遠洋漁業の基地である石巻漁港周辺に水産加工品業者が多数立地し、かつてはたらこ加工生産量日本一の町だったとされる。
- 納豆Natto蒸した大豆を納豆菌で発酵させた保存食で、糸引きの粘りと独特の香りが特徴とされる。関東以北で古くから親しまれ、水戸や仙台など複数の産地がそれぞれの型を伝えている。宮城県は大豆作付面積が北海道に次ぐ全国2位とされ、1920年に仙台で純粋培養した納豆菌による近代的な製法が確立されたことから、大豆生産と製法両面で産地として知られてきたという。