肉 ── 和牛
仙台牛
Sendai Gyu
肉質等級が最高の「5」でなければ名乗れない、基準の最も厳しい銘柄のひとつ。
- 発祥: 宮城県
- 東京から北へ約300km
系譜
仙台牛
何でできているか
歩留等級がAかBで、なおかつ肉質等級が最高の「5」と判定された枝肉だけが名乗れる、全国でも数少ない厳格な銘柄。等級を一段階にまで絞り込んでいるぶん、霜降りと赤身の境目がほとんど分からないほど脂が細かく入り込み、口に入れるとほろりとほどける柔らかさに仕上がっているとされる。等級4以下の牛は「仙台黒毛和牛」など別の呼び名で扱われることになる。
どう作るのか
宮城県内の登録農家がおよそ3年かけて一頭ごとに育て、地元産のササニシキやひとめぼれの稲わらを与える。血統は昭和49年に兵庫県から導入された種牛「茂重波号」に連なるとされ、いま出回る仙台牛の多くがこの系統を引く"息牛"だという。日本食肉格付協会の格付けでA5・B5と判定された枝肉だけが、最終的に仙台牛を名乗れる。
なぜこの形になったのか
一説によると、生まれた時から出荷まで同じ宮城で育つ体制が血統と飼育環境のばらつきを抑え、等級を最高の「5」だけに絞り込むという極端な基準を可能にしてきたとされる。兵庫から迎えた一頭の種牛の血を、宮城という閉じた土地の中で長く育て続けたことが、この牛の均質な質を支えてきたと読める。産地を県内だけに閉じたことが、基準の厳しさをそのまま実現につなげてきたといえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ宮城県
- 油麩丼棒状にして揚げた油麩を、かつ丼のように甘辛い出汁で煮て卵でとじ、ご飯にのせた登米市の丼。豆腐店が保存の利く麩を考案したのが始まりで、地元旅館の女将が丼に仕立てたと伝わる。
- あざら長く漬け込んで酸味の増した白菜の古漬けと、メヌケのあらを酒粕でじっくり煮込む気仙沼の料理。冷めても、翌日煮返してもうまみが増すと伝わる、庶民に親しまれてきた一皿。
- ばっけ味噌春先に摘んだふきのとう(方言で「ばっけ」)を茹でて刻み、くるみや味噌と練り合わせた常備菜。冬にたまった体の毒を出すとして好まれ、温かいご飯や焼き魚に添えて食べると伝わる。
- どんこ汁石巻港や気仙沼港で水揚げされるドンコを大根や豆腐とともに味噌で仕立てた冬の汁物。口が大きく尻がすぼまる姿から金運の縁起魚とされ、えびす講に神棚へ供える風習も伝わる。
- エビ餅田んぼの用水路や沼で獲れる沼エビを醤油と酒で調味し、つきたての餅に姿のまま絡めた栗原の餅料理。紅白の彩りが美しく、正月に来客をもてなす一皿として代々受け継がれてきたと伝わる。
- ふすべ餅素焼きにして囲炉裏でいぶしたドジョウを粉状にし、大根やごぼうと炒め煮にして醤油と唐辛子で仕上げた餡を、つきたての餅に絡める。海から遠い栗原の内陸ならではの餅料理と伝わる。