魚介 ── 貝・甲殻類・イカタコ
赤貝
Akagai
血液にヘモグロビンを含み、身が赤みを帯びる二枚貝。江戸前寿司の伝統的なネタの一つで、コリコリとした歯切れのよい食感と鉄分を感じる独特の風味を持つ。ひもと呼ばれる縁側の部分も酢の物などで食べられる。
- 貝
系譜
赤貝赤貝
何でできているか
身が赤みを帯びるのは、貝の血液に人と同じヘモグロビンを含むためとされる。コリッと歯切れよく、噛むと鉄分を思わせる独特の風味がじんわり広がる。江戸前寿司では身とともに「ひも」と呼ばれる縁側も刻んで添えられ、こちらは身よりさらに強い歯ごたえと磯の香りを持つ。生で食べると赤みと甘みの対比がはっきり感じられ、火を通すとかえって硬く縮んでしまうため、基本的には生食で楽しむ貝とされる。
どう作るのか
砂泥の海底に潜って暮らす二枚貝で、桁網を引く漁や潜水漁で獲る。水揚げ後は殻を開けて身を取り出し、表面のぬめりを塩でもんで洗い流してから調理する。寿司ネタにする際は身を開いて細かく包丁目を入れ、コリコリとした食感を保ったまま花のように形よく仕立てるのが職人の腕とされる。ひもは酢の物や和え物にして、身とは別の食感を楽しむことが多い。
なぜこの形になったのか
仙台湾のような閉じた内湾は波が穏やかで砂泥が堆積しやすく、この貝が好む静かな底質を作るとされる。江戸前の寿司文化圏に近い産地が多いことも、赤貝が刺身よりむしろ寿司ネタとして伝統的に定着してきた背景の一つに挙げられる。冬から春にかけてが身の充実する時期とされ、この頃が最も脂とコクが乗るという。こうした穏やかな内湾がすぐ近くの都市の食文化と結びついたことも、赤貝が特別なネタとして扱われてきた一因とされる。