生食
ホヤの酢の物
Hoya Sunomono
殻から取り出した新鮮なホヤの身を、きゅうりやみょうが、青しそとともに酢で和えた初夏の一品。三陸のリアス海岸で養殖され、生産量の8割を宮城が担うと伝わる、磯の香りの立つ料理。
- 発祥: 宮城県
- 東京から北東へ約340km
何でできているか
殻と内臓を取り除いたほやを食べやすく切り、きゅうりや塩とともに二杯酢で和えた、三陸沿岸地域の料理とされる。「海のパイナップル」とも呼ばれ、甘味、酸味、塩味、うま味、苦味の五味すべてを持つ食材とされる。鮮度が落ちると臭みが出やすいため、酢の物として食べるのが一般的とされ、天然物は一段と風味がよいという。
どう作るのか
ホヤの殻と内臓を取り除いたものを食べやすい大きさに切り、きゅうりや塩とともに二杯酢で和える。独特の風味があるため、一般的に酢の物が好まれるとされる。天然物は素焼きや炊き込みご飯にしても美味しいという。成長するまでに3~4年かかり、旬は夏だが、産卵を迎える12月から1月のものも美味とされ、岩手県では養殖もおこなわれているという。
なぜこの形になったのか
天然のほやは水深20メートルから30メートルの海底に生息し、特殊な潜水技術が必要とされる。三陸沿岸北部の洋野町には100年以上前に生まれた「南部潜り」という潜水技術が伝わり、ダイバーがひとつひとつ海底から採取することから、非常に貴重なものとして大切に扱われてきたと考えられ、県立の高校で今もこの技術を学べるという。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
使われる
同じ宮城県
- 油麩丼棒状にして揚げた油麩を、かつ丼のように甘辛い出汁で煮て卵でとじ、ご飯にのせた登米市の丼。豆腐店が保存の利く麩を考案したのが始まりで、地元旅館の女将が丼に仕立てたと伝わる。
- あざら長く漬け込んで酸味の増した白菜の古漬けと、メヌケのあらを酒粕でじっくり煮込む気仙沼の料理。冷めても、翌日煮返してもうまみが増すと伝わる、庶民に親しまれてきた一皿。
- ばっけ味噌春先に摘んだふきのとう(方言で「ばっけ」)を茹でて刻み、くるみや味噌と練り合わせた常備菜。冬にたまった体の毒を出すとして好まれ、温かいご飯や焼き魚に添えて食べると伝わる。
- どんこ汁石巻港や気仙沼港で水揚げされるドンコを大根や豆腐とともに味噌で仕立てた冬の汁物。口が大きく尻がすぼまる姿から金運の縁起魚とされ、えびす講に神棚へ供える風習も伝わる。
- エビ餅田んぼの用水路や沼で獲れる沼エビを醤油と酒で調味し、つきたての餅に姿のまま絡めた栗原の餅料理。紅白の彩りが美しく、正月に来客をもてなす一皿として代々受け継がれてきたと伝わる。
- ふすべ餅素焼きにして囲炉裏でいぶしたドジョウを粉状にし、大根やごぼうと炒め煮にして醤油と唐辛子で仕上げた餡を、つきたての餅に絡める。海から遠い栗原の内陸ならではの餅料理と伝わる。