土地
岩手県
41件
●生まれた料理 36件(小豆ばっとう、へっちょこだんご、ひなまんじゅう ほか)・●育てる食材 4件(岩中豚、いわて短角和牛、前沢牛 ほか)・●仕込む 1件(岩手の酒)
この土地で生まれた36
- 小豆ばっとうAzuki Batto小麦粉を寝かせて幅広のうどん状に切り、ざらめで甘く煮た小豆汁に合わせる。建前や庭じまいの祝いに三陸沿岸地域で作られ、お盆の七日目に7回食べると無病息災とする風習も残る。
- へっちょこだんごHecchoko Dangoたかきび粉やもちあわ粉など雑穀の団子の中央をへこませ、甘い小豆汁で煮る。「うきうきだんご」とも呼ばれ、収穫後の労をねぎらう「庭じまい」の行事食として、米が育ちにくい県北で作られてきた。
- ひなまんじゅうHina Manju米粉の生地に食紅で色をつけ小豆あんを包み、木型や竹串で花や桃、うさぎなど30種以上の形に整える。花巻市大迫町のひな人形めぐりの風習とともに伝わり、桃の節句に「きりせんしょ」と共に供えられる。
- 氷頭なますHizu Namasu鮭の頭の軟骨部分「氷頭」を薄くスライスし、塩をして酢でしめてから大根とにんじんのなますと和える。一尾からわずかしか取れない珍味とされ、宮古湾に鮭が遡上する三陸沿岸で正月料理として伝わる。
- 伝統餅料理Dento Mochi Ryoriあんこやずんだ、くるみ、納豆、雑煮など約300通りの食べ方がある餅料理の総称。仙台藩の命で月2回餅を搗いた風習が根付き、一関では年60回以上餅を食べる「餅暦」と、儀礼作法に則る「餅本膳」が今も残る。
- いもの子汁Imo no Ko Jiru秋に旬を迎えるさといもを鶏肉や豆腐、大根、にんじんとともに醤油味で煮込む。さといも栽培に適した北上川流域の秋の味覚で、川岸に集まって鍋を囲む「芋煮会」が今も北上市二子地区で受け継がれている。
- がんづきGanzuki小麦粉に重曹と酢を加えて蒸し膨らませ、くるみやごまを散らした素朴な蒸し菓子。丸い形と表面のごまの並びが満月に向かう雁に見えることが名の由来とされ、県南地域を中心に農作業の合間のおやつとされてきた。
- ひっつみHittsumi小麦粉をこねて寝かせた生地を手でちぎり、鶏肉や根菜のだしで煮込む。「ひっつみ汁」とも呼ばれ、冷害で米が実りにくい北上川流域で発達した粉物文化を代表する料理として県内全域で作られる。
- かまもちKamamochi小麦粉を熱湯でこねた生地に味噌と黒砂糖、くるみを練った餡をのせ、半月形に閉じて茹でる。県内全域で作られる素朴なおやつで、地域により「ひゅうず」「かまだんご」など呼び名が異なる。
- けんちん汁Kenchin Jiruにんじんや大根、ごぼうと硬めの豆腐を油でそぼろ状に炒めてから醤油だしで煮込む。発祥とされる神奈川など各地に伝わるけんちん汁だが、岩手では肉を使わず豆腐をよく炒めるのが特徴で、小正月の女性への労いに大量に作られた。
- 豆しとぎMame Shitogi煮た青大豆をすりつぶし、米粉と砂糖を混ぜてこね棒状に切る。米が乏しかった岩手県北で米粉を大豆でかさ増ししたと考えられ、大黒様や山の神への年取りの供え物として作られてきた。
- 煮しめNishime焼き目をつけた豆腐や人参、こんにゃく、山菜、身欠きにしんを醤油とだしで煮る。冠婚葬祭や正月、盆に県内全域で作られる持ち寄り料理で、内陸部と沿岸部で使う乾物・干し魚が異なる。
- 盛岡じゃじゃ麺Morioka Jajamen中国東北部の炸醤麺を参考に、屋台から始めた「白龍」の高階貫勝が作り上げたのが始まりとされる。茹でた麺に肉味噌・きゅうり・生姜・ねぎをのせ、混ぜて食べる。食べ終わりに卵を割り入れて出汁を注ぐ「ちーたんたん」も土地の食べ方として定着している。
- 果報だんごKaho Dango米粉の団子をいくつかに萩の木片を仕込んで小豆がゆに入れ、木片入りの団子に当たると幸運を呼ぶとされる。12月24日の「大師講」に神棚へ供える県南地域の行事菓子で、今も子ども会などで作られる。
- 釜石ラーメンKamaishi Ramen醤油製鉄の町・釜石市のご当地ラーメン。極細の縮れ麺と、琥珀色に透き通ったあっさり醤油スープが特徴で、早く茹で上がるように麺が工夫されている。三陸沿岸の港町らしい軽さを持つ一杯。
- きりせんしょKirisensho米粉を蒸してくるみとごまを練り込み、醤油と砂糖で味付けして小判形や木の葉形に整える。県央の水田地帯で桃の節句の供え物や農作業の合間の「こびり」として親しまれてきた。
- くるみ豆腐Kurumi Tofuすって漉いたくるみに砂糖とくず粉を加えて練り、固めて刺身の代わりに切り分ける。奥州市江刺地方の精進料理で、味噌としょうが汁を合わせた甘めのたれをかけて食べる。地元でとれる鬼ぐるみを使う。
- くるみ雑煮Kurumi Zoni大根や人参、焼き豆腐を醤油だしで煮た雑煮に焼き餅を入れ、汁ごと食べるほか、別皿のくるみだれにつけて味を変えて楽しむ。米が育ちにくい沿岸部で餅を大切に味わう工夫として、宮古地方の正月に受け継がれる。
- まめぶ汁Mamebu Jiru煮干しと昆布のだしに、根菜や焼き豆腐、くるみを包んだ小麦粉団子「まめぶ」を入れて醤油味で煮込む。凶作が続いた久慈市山形町で麺の代用として生まれたと伝わり、冠婚葬祭の行事食となっている。
- 宮古ラーメンMiyako Ramen醤油煮干しのあっさりした醤油スープに細縮れ麺。三陸の港町の日常食。
- みずたたき(とろろ)Mizu Tataki (Tororo)山菜「みず」の赤い根元を棒でたたき、包丁で粘りが出るまで刻んで味噌やみりん、醤油で和える。すりつぶせば「みずとろろ」とも呼ばれ、奥羽・北上山系の沢沿いで初夏に採れる山の幸を生かした料理。
- 盛岡冷麺Morioka Reimen昭和29年(1954年)、朝鮮半島北部・咸興出身の青木輝人が盛岡で「食道園」を開き、あっさりした平壌冷麺に故郷咸興の辛みのある味を合わせて作ったのが始まり。当初の評判は芳しくなかったが、客の声を集めて改良を重ね、でんぷんと小麦粉の麺に落ち着いた。
- 五穀ラーメンNinohe Gokoku Ramen醤油・味噌・塩・豚骨以外雑穀の産地として知られる岩手県二戸市のご当地ラーメン。ひえ・あわ・たかきび・アマランサス・小麦の5種類の穀物を練り込んだ麺が特徴で、味つけよりも麺そのものの個性で勝負する一杯。
- ぬっぺい汁Nuppei Jiru豆腐と干ししいたけ、ねぎを醤油味の汁で煮て、すりおろした長芋でとろみをつける。片栗粉でとろみをつける同系の「八杯汁」もあり、県全域で冠婚葬祭や法事の精進料理として作られてきた。
- お茶もちOcha Mochiうるち米粉の団子を数個串に刺して平らにつぶし、蒸してからくるみだれをつけて焼く。かつて囲炉裏であぶって食べた盛岡周辺の餅菓子で、名は形が軍配うちわに似ることに由来すると伝わる。
- 大船渡さんまらーめんOfunato Sanma Ramen醤油水揚げの多いさんまを出汁に使う。津波からの復興の中で町の名物として育てられた。
- 三陸磯ラーメンSanriku Iso Ramen醤油岩手県大槌町のドライブインで生まれた磯ラーメン。和風だしにほんのり醤油を効かせたあっさりスープに、ワカメやマツモなどの海藻とホタテ・エビ・イカなどの魚介をたっぷりのせる。
- さんまのすり身汁Sanma no Surimi Jiruおろしたさんまをすり鉢でよくすって味噌や卵で味付けし、団子にして大根やねぎ、豆腐と煮込む。本州一のさんま水揚げを誇る岩手の三陸沿岸で、漁獲が増えた約60年前から定番の家庭料理となった。
- しだみだんごShidami Dangoどんぐり(しだみ)を茹でて乾燥させ、木灰であく抜きしてつぶし、砂糖を加えて団子にする。凶作でも実る備蓄食料として県北・奥羽山系地域で重宝され、久慈地方の団体が今もレシピを伝えている。
- そばかっけSoba Kakkeそば粉を薄くのばして三角形に切り、大根や豆腐のだしで軽く煮てにんにく味噌をつけて食べる。南部藩がそば切りを禁じていた時代からの伝承料理とされ、切れ端「かけら」が名の由来という説がある。
- すき昆布の煮物Sukikonbu no Nimono若い昆布を茹でて細く切り乾燥させた「すき昆布」を水で戻し、にんじんや干ししいたけと醤油味で煮る。昭和44年頃に普代村で養殖と加工が始まり、県内全域の家庭料理として定着した保存食である。
- 豆腐田楽Tofu Dengaku硬めに仕立てた木綿豆腐を串に刺し炭火であぶって、にんにく味噌をつけて食べる。豆腐消費量の多い岩手県北で手作り豆腐文化とともに育ち、季節ごとにふきのとうや山椒を効かせた味噌も使われる。
- うこぎのほろほろUkogi no Horohoro生垣にも使われる「うこぎ」の若芽を茹でて刻み、味噌漬け大根とくるみを合わせてふりかけ状にする。かつて凶作時の救荒食材だったうこぎを活かす盛岡周辺の春の料理で、ご飯にのせて食べる。
- うす焼きUsu-yaki岩手県盛岡市の八幡宮祭礼などで屋台に並ぶ「うす焼き」。水で溶いた小麦粉を薄く丸くのばし、ねぎや紅しょうが、桜えびをのせて焼き、仕上げに醤油を塗る、市内でも狭い範囲で親しまれてきた祭りの味とされる。
- わんこそばWanko Soba岩手県花巻市に伝わる、一口大のそばを次々におかわりする食べ方。藩主にそばを椀で少しずつ振る舞ったのが由来とされる。
- 柳ばっとYanagi Battoそば粉をこねて柳の葉形に整え、大根やにんじん、きのこを入れた醤油味やみそ味の汁で煮る。南部藩が細切りそばを禁じた時代に「これはそばではない」と言い抜けて食べたのが名の由来とされる県北の料理。
この土地が育てる4
- 岩中豚Iwachu Buta東京食肉市場銘柄豚協会が銘柄豚の指定第一号として認定した豚肉。岩手県の牧場でSPF基準の衛生管理のもと飼育され、市場では長く高値で取引されてきたとされる約40年続く銘柄。
- いわて短角和牛Iwate Tankaku Wagyu霜降りの黒毛和種とは異なる品種、日本短角種。岩手の山あいで春から秋にかけて放牧され、寒暖差の中で赤身に旨み成分のアミノ酸を蓄えるとされる、脂肪の少ない牛肉。全国の飼育頭数の約4割を岩手県が占めるとされる。
- 前沢牛Maesawa Gyu北上川沿いの前沢で育つ、東北を代表する霜降りの銘柄。
- 南部かしわNanbu Kashiwa天然記念物の岩手地鶏や軍鶏の血を引く系統と、成長の早いコーニッシュ系を掛け合わせて岩手県農業研究センターが作出したとされる。雌で120日以上かけて育てられるという。
この土地が仕込む1
この土地が本場5
- 銀河のしずくGinga no Shizuku名産地岩手県が開発したブランド米とされる品種で、あっさりとした甘みと粘りを持ち、冷めてもおいしいという。名は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に由来するとされる。岩手県が生産量よりも品質を優先して育成したブランド米とされている。県が威信をかけて売り出すブランド米の一つとされる。
- サンマSanma青魚名産地秋に旬を迎える細長い回遊魚で、内臓ごと丸ごと塩焼きにするのが定番。群れが接岸する海域に面した港ほど水揚げが多く、脂の乗りと苦みのある内臓の風味が、その年その港の漁模様を映すとされる。
- ムラサキウニMurasaki Uniほかの系統名産地殻や棘は紫がかった黒色だが、中の身は淡い黄金色をしたウニ。バフンウニよりあっさりとした上品な甘みで、粒立ちのよい食感が持ち味とされる。刺身や軍艦巻きで食べられ、夏が旬とされる。三陸沿岸の岩礁域はウニの餌となる海藻が豊富とされる。
- ワカメWakame名産地褐藻類の一種で味噌汁やサラダに広く使われる海藻。産地や潮流の強さによって肉厚さや歯ごたえに差が出るとされ、しゃぶしゃぶのように熱湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変わる。春が旬の生わかめが特に香り高いとされる。三陸沿岸は養殖ワカメの一大産地として知られる。
- アワビAwabi貝名産地海藻を食べて育つ大型の巻貝。殻が一枚だけの独特な形をしており、コリコリとした強い歯ごたえと磯の風味が高級食材として珍重される。刺身のほか、蒸しアワビや酒蒸しにすると柔らかく甘みが増すとされる。三陸沿岸は寒流と暖流が交わりアワビの餌となる海藻が豊富とされる。