発酵・保存 ── 漬物
守口漬け
Moriguchi-zuke
1メートルを超える細長い守口大根を丸ごと酒粕に漬け込む名古屋名物。愛知の伝統野菜かりもりと同じ、知多半島の醸造がさかんな土地の酒粕文化から生まれたとされる粕漬けの一つである。
- 発祥: 愛知県丹羽郡扶桑町
- 東京から西へ約260km
愛知県丹羽郡扶桑町
系譜
守口漬け
何でできているか
守口大根は1メートルを超える細長い大根で、これを丸ごと酒粕に漬け込む。愛知の伝統野菜かりもりの粕漬けと並び、酒蔵から出る酒粕を活かした漬物として知られ、丹羽郡扶桑町の特産である守口大根とかりもりを一緒に漬けることもあるという。守口漬けはかりもりの粕漬けと並んで、名古屋を代表する名物として知られている。
どう作るのか
細長い守口大根を丸のまま塩漬けにしたあと、酒粕に漬け込んで熟成させる。かりもりの粕漬けと同じくみりん粕を使うつくり方も伝わっており、長期間かけて酒粕の風味を大根にしみ込ませていく点は他の粕漬けと共通しているという。細長い形のまま漬け込むため、ほかの粕漬けよりも仕込みに手間がかかるとみられ、切り分けると独特の香りが立つ。
なぜこの形になったのか
濃尾平野の南に広がる知多半島はかつて200を超える酒蔵があった醸造の土地で、そこから出る大量の酒粕を活用する粕漬け文化が根づいたとされる。守口大根の産地が近かったこともあり、細長い大根を丸ごと漬け込む守口漬けが名古屋名物として定着していったという。醸造業と農業が地理的に近かったことが、この組み合わせを生んだとみられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ愛知県
- ふな味噌フナを大豆とともに弱火で5時間ほど煮こんでから、豆味噌と砂糖のたれで仕上げる。木曽三川下流域の川魚料理で、12月後半から1月にとれる寒ブナが脂がのって美味とされ、骨まで柔らかくなるまで煮こむとされる。
- 五平餅炊きたてのうるち米を潰して串に刺し、味噌だれをつけて焼き上げる。中部地方の山間部発祑とされ、山仕事の安全を祈る祭りの前夜につくられてきたと伝わる、奥三河をはじめ中部山間部一帯の料理とされる。
- 箱ずし木枠に酢飯を詰め、エビやアナゴ、干ししいたけ、錦糸卵などを斜めに配置して押しかためる。皆が平等にさまざまな味を楽しめるよう具材を斜めに置くのが尾張・西三河地域の特徴とされ、祝い事でつくられてきたとされる。
- へぼ飯地蜂(クロスズメバチ)の成虫と幼虫を甘辛く煮つけ、炊きたてのごはんに混ぜ込む。信州から奥三河の山間部にかけて貴重なタンパク源とされてきたと伝わり、現在はごちそうとして客人にふるまわれるとされる。
- いがまんじゅう米粉の生地で粒あんを包み、表面に着色したもち米をつける。もち米の粒が栗の「いが」に似ることが名の由来の一説とされ、西三河地域では桃の節句にお雛様へ供える風習が伝わる。
- 味噌おでん土鍋の中央に味噌だれの壺を置き、大根や豆腐などをだしで煮てから壺の味噌につけて食べる。江戸で醤油だしの「関東煮」が広まる一方、愛知では豆味噌(八丁味噌)をつけて食べる方法が根づいたと伝わる。