麺 ── ラーメン
玉子とじラーメン
Tamagotoji Ramen
名古屋市中村区の屋台発祥とされるラーメンで、スープの熱だけで半熟に仕立てた溶き卵をのせる。三河鶏がらや豚骨を長時間煮込んだだしに、とろみとまろやかさが加わるとされる。
- 発祥: 愛知県名古屋市中村区
- 醤油・味噌・塩・豚骨以外
- 東京から西へ約270km
愛知県名古屋市中村区
何でできているか
澄んだスープの表面に、とろりとした溶き卵の膜が広がっている。スープの熱だけでちょうどよく火が通った卵は、箸で持ち上げるとふわりと揺れるやわらかさを保ったまま麺に絡みつく。まろやかさの奥に、長時間煮込んだだしのコクがしっかりと残っているのが特徴とされる。卵の膜を割った瞬間に立ちのぼる湯気の香りも、この一杯ならではの楽しみである。
どう作るのか
三河鶏がらや豚骨といった素材を毎日十時間以上煮込んでだしをとり、そこに溶き卵を流し入れて仕上げる。卵は別で火を通すのではなく、スープの熱でそのまま半熟に仕立てるため、とろみと柔らかさが両立する。特注の極細麺を合わせることで、卵をまとったスープが麺の隅々まで行き渡るようにしている。卵を入れる量とタイミングの見極めが職人の腕の見せどころという。
なぜこの形になったのか
名古屋市中村区で屋台から始まった店が、実店舗に移った際の試行錯誤の中でこの卵とじの仕立てにたどり着いたと伝わる。中村区は名古屋駅にも近く行き交う人の多い土地で、すぐに食べられて体が温まる一杯として、卵でまろやかにする工夫が根づいていったと考えられる。屋台時代の手早さと実店舗の丁寧さが、卵とじという形の中で両立している。移転という節目が、試行錯誤の末に新しい一杯を生む契機になったと言えるだろう。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ愛知県
- ふな味噌フナを大豆とともに弱火で5時間ほど煮こんでから、豆味噌と砂糖のたれで仕上げる。木曽三川下流域の川魚料理で、12月後半から1月にとれる寒ブナが脂がのって美味とされ、骨まで柔らかくなるまで煮こむとされる。
- 五平餅炊きたてのうるち米を潰して串に刺し、味噌だれをつけて焼き上げる。中部地方の山間部発祑とされ、山仕事の安全を祈る祭りの前夜につくられてきたと伝わる、奥三河をはじめ中部山間部一帯の料理とされる。
- 箱ずし木枠に酢飯を詰め、エビやアナゴ、干ししいたけ、錦糸卵などを斜めに配置して押しかためる。皆が平等にさまざまな味を楽しめるよう具材を斜めに置くのが尾張・西三河地域の特徴とされ、祝い事でつくられてきたとされる。
- へぼ飯地蜂(クロスズメバチ)の成虫と幼虫を甘辛く煮つけ、炊きたてのごはんに混ぜ込む。信州から奥三河の山間部にかけて貴重なタンパク源とされてきたと伝わり、現在はごちそうとして客人にふるまわれるとされる。
- いがまんじゅう米粉の生地で粒あんを包み、表面に着色したもち米をつける。もち米の粒が栗の「いが」に似ることが名の由来の一説とされ、西三河地域では桃の節句にお雛様へ供える風習が伝わる。
- 味噌おでん土鍋の中央に味噌だれの壺を置き、大根や豆腐などをだしで煮てから壺の味噌につけて食べる。江戸で醤油だしの「関東煮」が広まる一方、愛知では豆味噌(八丁味噌)をつけて食べる方法が根づいたと伝わる。